0. 5秒で結論
第9弾初日のアグロナイトメアは、少なくとも今回の検証と短時間実戦ではかなり当たりだった。
事前のローカル比較では、対応できた32構築を中心に2,324戦を回し、アグロナイトメアが平均81.0%、最悪対面63.9%で1位。実戦でも最初の5戦は5勝、うち3戦がウィッチ。その後も体感では全体7〜8割、ウィッチには8割近く勝てている感触が残った。
ここまでは最高だった。
問題は、みんなもナイトメアを使い始めたことである。
ウィッチを殴りたい。
ナイトメアを殴りたいわけではない。
ナイトメアはうちの子なので、敵側から出てくると腹が立つ。
しかも相手のリーダースキンが初期の怪物系だと、同じクラスなのにまったくかわいくない。
性能面でも感情面でも、ミラーはいらない。
1. AIの「アグロナイトメアが強い」は、方向としてかなり当たった
第9弾実装直後のローカル検証では、公式公開デッキ280件を基準に、完全対応できた候補32構築を比較した。実engine合計は2,324戦。
対応範囲内の順位はこうだった。
| 順位 | 構築 | 平均 | 最悪対面 |
|---|---|---|---|
| 1 | アグロナイトメア | 81.0% | 63.9% |
| 2 | テンポエルフ | 60.2% | 22.2% |
| 3 | ランプフェイスドラゴン | 59.7% | 27.8% |
ただし、ここで重要なのは「81%勝てる」と読むことではない。
このengineは第9弾の全カード・全アーキタイプを完全再現しているわけではない。とくに当時のウィッチは実験体・セフィー系を十分に扱えず、ウィッチ全体の評価には使えなかった。
つまり、当たったのは主に順位と方向である。
「この環境ならアグロナイトメアを第一候補にする」
という判断が、実戦の7〜8割という手応えにつながった。
AIの数字を神託として信じるのではなく、AIで候補を絞り、実戦で答え合わせする。今回はその流れがかなりきれいに決まった。
2. 91.4%は強烈だが、あれは海賊ロイヤル専用の数字
別の最適化では、アグロナイトメア96候補、4プレイ方針、海賊ロイヤル18構築を固定し、合計5,904戦を実行した。未見seedのholdoutは1,944戦。
そこで元の40枚は91.4%。先攻92.6%、後攻90.1%、最悪構築でも69.4%だった。
強い。
しかしこれは「海賊ロイヤル18構築に対する専用試験」である。
ランクマ全体で91.4%という意味ではない。
むしろ面白いのは、マーシャ1枚をバアル1枚へ変える候補が88.0%まで落ち、基準より-3.4ポイントだったこと。変に「もっと強そうなカード」を入れるより、元の40枚を維持した方がよかった。
ここから得るべき教訓は、
91.4%すげえ!
ではなく、
今の40枚、雑に触らない方がよさそう
である。
3. 対人ゲームで実戦7〜8割なら、普通に刺さっている
短時間観測なので統計的に確定とは言えない。
それでも対人カードゲームで7〜8割という体感が何十戦か続くなら、かなり強い。
30戦なら、
- 70% = 21勝9敗
- 75% = 22〜23勝
- 80% = 24勝6敗
- 90% = 27勝3敗
9割はさすがに環境破壊級で、現実には上振れも混ざる。
しかし7〜8割でも十分に異常である。
しかも今回の感触では、ウィッチにかなり勝てている。第9弾初日夜のGameWithではアグロナイトメアはAランク/Tier2評価だが、「新弾追加で打点UP」「スージーで疾走をバフ」「プレイ難度は簡単」とされている。
つまり世間で絶対1位扱いではないのに、実際に多く当たる相手へ自分の構築が刺さっている。
Tier表の順位より、今目の前にいる相手へ勝てる方がレートでは大事である。
4. だからミラーがつまらない。勝率を50%へ引っ張るから
ナイトメアが嫌いだからミラーが嫌なのではない。
逆である。
ナイトメアが好きで、自分のデッキが強いからこそ、同じものが敵から出てくるのが嫌。
他クラスへ75%勝てるとして、ナイトメアミラーがほぼ50%なら、ナイトメア人口が増えるだけで全体勝率はこう落ちる。
| ナイトメア遭遇率 | 他クラス75%・ミラー50%の全体勝率 |
|---|---|
| 10% | 72.5% |
| 30% | 67.5% |
| 50% | 62.5% |
デッキが弱くなったわけではない。
プレイが急に下手になったわけでもない。
「お客さん」が「同業者」に置き換わっただけで、勝率が削れる。
だから3連続ナイトメアは精神的にも数学的にもダルい。
ウィッチでいいよ、みんな。
強いデッキを使えばいい。
ただしナイトメア以外でお願いします。
5. 「レート高くないのに相手のカード揃いすぎ」問題
これも不思議に見えるが、レートとカード資産は別物である。
もし画面に出ている数字がクラス別レーティング(CR)なら、CRはクラスごとに管理される。別クラスで経験や資産を積んでいても、ナイトメアのCRが高いとは限らない。
つまり、
低めのナイトメアCR
≠ 初心者
≠ カード資産が少ない
である。
さらに新弾初日は、既存プレイヤーほど乗り換えが速い。
全部をゼロから生成しているわけではない。旧弾の共通パーツをすでに持ち、新弾の不足分だけ足せば完成する人もいる。
GameWithの8月27日21:58更新版アグロナイトメアは生成コスト18,090で、ガロダートVSゼット3枚、スージー2枚を採用している。
新規側から見れば18,090は「低コストって何?」である。
古参側から見れば「足りない数枚だけ作る」で済むことがある。
この資産差が、新弾初日の低〜中レート帯にデッキだけ完成している人を発生させる。
6. 23時前後の空気は、ナイトメア一色ではない
提示されたXの「シャドバ」最新検索では、23時前後に次のような投稿が並んでいた。
- 実験体ウィッチで12連勝という報告
- セフィーウィッチの使用感についての投稿
- 「新環境、かなり色んなデッキがありそう」という感想
- ミッドレンジゼラエルナイトメアの紹介
- そのほか新弾を試す雑多な投稿
これは使用率統計ではない。
数十秒単位のタイムラインを見ただけなので、「ウィッチが何%」「ナイトメアが何%」とは言えない。
ただ、少なくともナイトメア一色ではない。
GameWithの同時点Tier表でも、アグロナイトメアはA/Tier2。上には複数のデッキが置かれている。
なので3連続ナイトメアは、環境全体が100%ナイトメアというより、
新弾初日+人気上昇+短期マッチング偏り
が重なった可能性が高い。
お願いだから、その偏りはウィッチ側へ寄ってほしい。
7. VSくん、本名を覚えてなくても仕事はする
「VSくん」の正式名はガロダートVSゼット。
第9弾「アズヴォルト・レヴナント」のナイトメア・レジェンドで、8コスト8/8。
手札にいる間、自分のターン終了時に自分のリーダー体力が12以下ならコストが1下がる。
出すときはモードを1つ選ぶ。
- 疾走を持ち、自分のリーダーに2ダメージ
- 守護を持ち、相手フォロワー全体に8ダメージ
つまり、条件を満たして手札で値下がりした8/8が、突然走ってくる。
さらにスージーは進化時、手札のフォロワー1枚を+3/+0できる。
うまく重なると、VSくんがさらにでかくなって走る。
カード名を全部覚えなくても、
「なんか2人で喧嘩してる8/8が安くなって走る」
まで理解していれば、だいたい実戦では困らない。
8. 何が一番意味不明か:2人で喧嘩していたのに第三者へ疾走してくる
公式設定では、ガロダートとゼットは師弟関係で、対立している。
ガロダートは自分の道を進むため師匠ゼットへ挑み、ゼットは弟子ガロダートを止めようとする。
なるほど。
だからカード名が「VS」なのも分かる。
問題はゲーム画面である。
ガロダート「お前を倒す!」
ゼット「来い!」
第三者「熱い師弟対決だ」
2人「……あ、敵リーダーいるじゃん」
\疾走/
第三者「なんで???」
カードの絵では2人が戦っている。
ゲーム上では1枚のフォロワーである。
そして疾走モードを選ぶと、喧嘩を一時中断して第三者の顔面へ8点を届けに来る。
「VS」の相手をまず倒してください。
9. 自分のVSくんはかわいい。相手のVSくんは偽物
カードゲームではよくある。
自分が使う強カードは頼れる相棒。
相手が使う同じ強カードはインチキ。
自分のVSくん:
「よし。あいつやれ」
相手のVSくん:
「なんでお前がそれ持ってるんだよ」
理屈では同じカード。
感情では別カード。
さらに今回、ナイトメアは「うちの子」感が強いので、相手のナイトメアそのものが侵入者に見える。
しかも相手側が初期の怪物系スキンだと、こちらの「かわいいナイトメア」イメージとまったく一致しない。
これはゲームバランスの問題ではない。
所有感と見た目の問題である。
性能調整では直らない。
10. それでもミラーに慣れてきたのは大きい
最初のミラーは嫌だった。
相手も同じ速度で展開し、同じようにバフし、同じようにVSくんを投げてくる。
しかし数戦やると、だんだん分かる。
- 相手がどのターンから疾走圏に入るか
- 体力12以下へ入れることが相手のVS値下げを助ける場面
- 盤面を無視していいターンと、処理しないと死ぬターン
- 相手の手札バフを想定して残す体力
- 自分が先にリーサルへ行けるか
ミラーは理論上50%へ寄りやすいが、相手よりミラー経験を積めば50%を少し超える余地はある。
実際、最初は「またナイトメアかよ」だったのが、その後は完成度の高そうな相手にも勝てるようになってきた。
同族戦が好きになる必要はない。
嫌いなまま上手くなればいい。
11. 最終結論:AIで当たりデッキを引いた。だから他人には使ってほしくない
第9弾初日の流れをまとめると、こうなる。
AI: 「対応範囲ではアグロナイトメアが一番強そうです」
こちら: 「じゃあ作る」
実戦: 「ウィッチかなり食える。7〜8割くらい勝てる。作ってよかった」
世間: 「ナイトメア強いらしい」
ランクマ:
ナイトメア
ナイトメア
ナイトメア
こちら: 「お前らはウィッチ使え」
カードゲームとしては完全に正常である。
強いデッキには人が集まる。
人が集まればミラーが増える。
ミラーが増えれば、他対面で稼いでいた勝率は50%方向へ押し戻される。
そしてメタが進めば、その人気デッキを狩るデッキが増える。
つまり今起きているのは、新環境が生まれて数時間で生態系が形成されている瞬間である。
理屈は分かる。
でも感情は別だ。
ナイトメアはうちの子なので、相手から出すな。
VSくんも俺のカードなので、敵から出すな。
2人で喧嘩してるなら、まず2人で決着つけてから第三者へ疾走してこい。
以上。
Sources / 出典
- Shadowverse: Worlds Beyond 第9弾「アズヴォルト・レヴナント」公式特設サイト
https://revenants-of-azvaldt.shadowverse-wb.com/ja/ - GameWith:アグロナイトメア(2026-08-27 21:58更新を確認)
https://gamewith.jp/shadowverse-wb/503018 - GameWith:ローテーション最強デッキランキング / Tier表
https://gamewith.jp/shadowverse-wb/497197 - GameWith:ガロダートVSゼット
https://gamewith.jp/shadowverse-wb/573786 - Game8:誠実なる呪い屋・スージー
https://game8.jp/shadowverse-beyond/794169 - GameWith:クラス別レーティング(CR)
https://gamewith.jp/shadowverse-wb/516869 - ローカル検証:
SET09_ROTATION_SIMULATION_20260827(2).md(2,324 engine games) - ローカル検証:
SET09_AGGRO_NIGHTMARE_VS_PIRATE_ROYAL(2).md/ manifest(5,904 engine games、holdout 1,944) - コミュニティ観測:2026-08-27 23時前後に提示されたX「シャドバ」最新検索スナップショット。使用率統計ではない。
