引っ越しや解約の前になると、ネット周りから突然「正体不明の箱」が増える。光BBユニット、ONU、電源アダプタ、LANケーブル、電話線みたいな細いケーブル。そして壁には「光」と書かれた白い箱。
そこで起きるのが、「これ全部SoftBankへ返せばいいの?」問題である。
結論は逆。全部まとめない方がいい。SoftBankの貸与品とNTT東西の貸与品は返却ルートが異なり、壁の光コンセントはそもそも返送する通信機器ではない。
1. まず答え――「SoftBank」「NTT」「壁」の3グループに分ける
| 物 | 見分け方 | 基本の扱い |
|---|---|---|
| 光BBユニット | SoftBank系の通信機器。電源・LAN端子あり | 解約時はSoftBank側へ返却対象になり得る |
| 電源アダプタ | 本体に付属 | 対応する本体と一緒に返却 |
| LANケーブル | 幅広めのネット用端子 | 通常の光BBユニット返却物に含まれる |
| モジュラーケーブル | 電話線のように細い | 通常の光BBユニット返却物に含まれる |
| NTTロゴ入りONU/HGW/VDSL | NTTロゴ、電源、光/LAN端子 | NTT側の回収キットで返却 |
| 壁の「光」差込口 | 壁面に固定 | 光コンセント。通常は残す |
通常のSoftBank 光で「光BBユニットレンタル」を利用している場合、公式FAQは光BBユニット本体・電源アダプタ・LANケーブル・モジュラーケーブルの4点を返却物として案内している。
一方、NTT東日本/西日本ロゴ入りのONU、ホームゲートウェイ、VDSL装置などは別の回収キットを使う。
つまり、最初にやることは「箱へ詰める」ではなく、誰から借りた物かを分けることだ。
2. ONUって何? 壁の白い「光」箱との違い
ONUは Optical Network Unit の略で、日本語では光回線終端装置。NTT西日本は、光回線を通る光信号をデジタル信号に変換する宅内機器と説明している。
一般的な順番はこうなる。
外の光回線 → 光コンセント → ONU → ルーター/光BBユニット → PC・スマホ
ONUは光回線の入口側を担当する機器。ルーターは家の中で通信を振り分けたりWi-Fiを提供したりする機器だ。ONUとルーター機能が一体化したホームゲートウェイもあるので、箱の数だけでは判定できない。
では、壁に付いていて「光」と書かれた白い小箱は何か。
これは一般に光コンセント。NTT東日本は、光回線とONUまたはホームゲートウェイを接続するための接続口と説明している。
光コンセントは電源コンセントと一体になったタイプも、白い小箱として独立したタイプもある。
見分けるポイントは、
- 壁に固定されている
- 「光」と表示されている
- 細い光コードがそこから機器へ伸びる
- その白い箱自体はACアダプタで動く通信機器ではない
こと。
NTT西日本の解約案内でも、光コンセントがある場合は接続された機器をそこから外して回収する流れで、光コンセント本体を取り外して送る扱いではない。
「光」と書いてあるからONU、ではない。壁側ならまず光コンセントを疑う。
3. ONUはどこへ返す? 「ONUだからNTT」と決め打ちしない
通常のSoftBank 光で使うNTTロゴ入りONUは、NTT側の貸与品であるケースが多い。SoftBankも、NTTロゴ入り機器はSoftBank返品センターではなく、別途送られる回収キットで返すよう案内している。
ただし、ここには重要な例外がある。
SoftBank 光+や10ギガ系では、SoftBank提供の2G-ONU/10G-ONUが返却対象になる構成がある。
だから正しい覚え方は、
「ONUという名前ではなく、ロゴ・契約・提供元で返却先を決める」
である。
2026年9月時点なら、
- SoftBankの光BBユニットやSoftBank提供機器 → SoftBankの案内に従う
- NTTロゴ入りONU/HGW/VDSL → NTT側回収キット
- 壁の光コンセント → 通常は残す
- 10ギガ/SoftBank 光+ → My SoftBankなどで契約ごとの返却対象を確認
と仕分けるのが安全だ。
NTTロゴ入り機器の回収キットは、SoftBank公式では解約受付後1週間から10日程度を目安に発送すると案内されている。撤去工事に立ち会う場合は、工事担当者が回収するケースもある。
4. 引っ越し・解約・他社乗り換えで扱いが変わる
解約する
SoftBank貸与品はSoftBank、NTT貸与品はNTT回収キットという二系統になる。
また、機器を返しただけでは解約にならない。契約の解約手続きは別に必要。
通常のSoftBank 光を引っ越し先でも継続する
SoftBank公式FAQでは、引っ越し手続きを行ったうえで、BBユニットは返却せず新住所へ持っていくと案内している。
「引っ越す=全部返す」ではない。
SoftBank 光・10ギガ/SoftBank 光+を引っ越す
2026年9月16日時点の公式FAQでは、通常の引っ越し手続きができず、いったん解約して新規申込となるため、BBユニットの返却が必要とされている。
他の光コラボ事業者へ事業者変更する
SoftBank公式は、この場合NTTロゴ入り機器を継続利用するため返却不要と案内している。
つまり、「ONUを返す?」だけでは条件が足りない。
誰の機器か × 今回は解約・移転・事業者変更のどれかまで見る必要がある。
5. 梱包前5分チェック――これだけやれば事故が減る
- 壁の「光」箱を除外する。 建物側の光コンセントを返却箱へ入れない。
- 機器のロゴを見る。 NTTかSoftBankかを確認する。
- ACアダプタを本体と組ませる。 型番ラベルも確認する。SoftBank公式も電源アダプタの型番確認を案内している。
- LANケーブルとモジュラーケーブルを分ける。 通常の光BBユニットレンタルでは両方が返却物。
- SoftBank返却用とNTT回収キット用を分ける。
- 私物を混ぜない。 SoftBankは私物の誤送付にも注意を出している。
- 発送控えを残す。 返却確認が取れるまで保管する。
現在の公式案内では、SoftBank貸与品の通常返却は利用者負担の元払い、NTTロゴ入り機器は回収キット同梱の送り状を使う。
「よく分からないケーブルは全部入れておこう」は、あとで確認作業を増やすだけなので、分からない物ほど本体との接続先・ロゴ・型番を見る方が早い。
6. まとめ――ONUを探すより「誰の物か」を探した方が早い
- 通常の光BBユニットレンタル:本体・電源アダプタ・LANケーブル・モジュラーケーブルが基本
- NTTロゴ入りONU/HGW/VDSL:NTT側の回収キット
- 壁の白い「光」箱:光コンセント。ONUではなく、通常は外さない
- 10ギガ/SoftBank 光+:SoftBank提供ONUがあり得るので契約ごとに確認
- 通常のSoftBank 光を移転継続:BBユニットは新居へ持っていく
- 他の光コラボへ事業者変更:NTTロゴ入り機器は継続利用で返却不要となる場合がある
最初は「ONUって何?」だったのに、最後には宅内光回線の役割分担まで理解している。
引っ越しは通信教育でもある。
できれば、段ボールを閉じる前に履修しておきたい。
