引っ越し業者が予定より早く来て梱包が終わってない!3人の仕事人に囲まれてギリギリ片付けた朝

引っ越し当日の朝。

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引っ越し当日の朝。

予定時刻まではまだ少しあるつもりだった。

最後の箱を閉じ、PC周りをまとめ、残りを「まああとでやれば間に合うやろ」で処理していた。

ところが、業者側の認識は少し早かった。

来た。

しかも、まだ終わっていない。

眠い。

箱は開いている。

本人だけが「ギリ間に合わんの草」と思っている。

引っ越しというより、締切5分前のデプロイである。

1. 初手は謝罪ではなくコーヒー。飲料外交で数分を買う

普通なら「すみません、まだ梱包が……」から始まりそうな場面で、最初に出たのは、

「コーヒーありますよ。好きにどうぞ」

だった。

表面上は歓迎。

実態は時間稼ぎ。

作業員が部屋を確認し、段取りを決めている数分で、最後の物を箱へ突っ込む。

引っ越し当日のコーヒーは、飲み物であると同時に猶予を買う外交カードでもある。

そして「もう来たなら、任せられるところは普通に手伝ってもらおう」という気持ちに切り替わる。全部を自力完遂するより、現場にいるプロを使った方が速い。

2. 「めっちゃ来る」と思ったら3人。急にスマホを触る余裕まで出る

人影が多い。

「めっちゃ来るやん」と思ったら、作業員は3人だった。

3人が動き始めると、部屋から荷物が消える速度が明らかに違う。

さっきまで「間に合わん」だったのに、急に、

「おー、3人か」

くらいの余裕が出て、スマホをポチポチできる時間まで生まれる。

ただし直後に、

「梱包、頑張ってね」

と言われる。

あ、そこはまだ自分なんですね。

3. 箱の中身は自分、蓋閉じは任せる。最後は役割分担が勝つ

最終盤になると、「自分しか判断できない作業」と「誰かが実行すればいい作業」が分かれてくる。

自分で判断した方がいいのは、

  • 何をどの箱へ入れるか
  • 貴重品や重要書類をどう分けるか
  • PCや精密機器をどう扱うか
  • 捨てる物と運ぶ物の最終判断

一方、契約上対応してもらえるなら、

  • 箱の蓋を閉じる
  • テープを貼る
  • 搬出できる状態にする
  • 実際に運ぶ

のような工程はプロに任せられる。

結局、蓋閉じは普通に任せた。

「全部自分で終わらせてから渡す」という美学より、自分しかできない判断に集中する方が速い。

4. 「お兄さん早いっすね」→「はい」→手は止まらない

3人の中に、とにかく速い人がいた。

こちらが、

「お兄さん、早いっすね」

と声をかける。

返事は、

「はい」

以上。

そして作業続行。

褒め言葉を受領。

処理完了。

次の荷物へ。

完全に仕事人である。

He’s all business.

会話より搬出。

5. 客には淡々、後輩には「はよ動かせや」。真のリーダーが判明する

ところが、その寡黙な仕事人は後輩にはかなり厳しい。

「はよ動かせや」

現場の速度が一段上がる。

客には静か。

後輩には強め。

しかも関西寄りに聞こえる方言が濃い。

当初は別の年上スタッフがリーダーに見えていたが、相談すると、

「この後のことはリーダーに確認しますね」

と言われる。

そこで真の指揮系統が判明。

つい、

「では、リーダーの仰せのままに」

と返したら、これはウケた。

一方で、現場で「はよ動かせや」を見た直後なので、「この仕事人みたいな人と長時間同じ車だったらちょっと緊張するな」とも思う。

仕事中の厳しさと普段の性格は別かもしれないが、横で聞いている客の心拍数は別問題である。

6. 机とベッドまで分解するとは思わなかった。でも向こうがやるなら、まあいい

さらに予想外だったのが、机やベッドまでその場で分解していくこと。

「そこまでバラすんだ」と一瞬思う。

しかし、作業しているのは全部向こうである。

こちらの仕事が増えるわけではない。

じゃあ、まあいいか。

引っ越し当日は、自分の想定どおりの形で荷物が運ばれることより、「安全に運べる形へプロが変換してくれる」方が重要になる。

再組立まで契約に含まれるか、ネジや部品がどう管理されるかは会社やプランによるので、そこは契約確認事項。

なお、トラック内部でどう積んでいるかは見ていない。

知らない部分は知らないままにする。

見えていない積載方法まで「こうしていたはず」と記事で補完しない。

7. 結局、いちばん遅いのは客本人。そして全部で約2時間

3人は速い。

リーダーは速い。

後輩も急かされて速くなる。

部屋からどんどん荷物が消える。

その横で最後まで箱へ物を入れている人がいる。

客本人である。

最初は「業者が早く来たから間に合わない」だった。

最後は「全員速すぎて自分だけ追いついていない」へ変わった。

それでも終わった。

そして、3人が来てから搬出が終わるまでの現場作業は、結局約2時間だった。

未梱包が残り、蓋閉じまで手伝ってもらい、机やベッドまで分解しているのに約120分。

体感は大事件。

実時間は2時間。

プロ、速い。

8. 雨でびしょびしょの仕事人たち。横で眠すぎてスマホを触る客

しかも外は雨だった。

作業員はびしょびしょになりながら搬出を続けている。

さっきまで「怖い仕事人やな」と思っていたのに、雨の中で黙々と自分の荷物を運んでくれる姿を見ると、評価が急上昇する。

感想は、

「オリンピックより感動する(真顔)」

だった。

もちろん競技の価値を比較しているわけではない。

画面の向こうの大舞台より、目の前で雨に濡れながら自分の生活を運んでくれている人の方が、その瞬間の感情距離が近すぎるだけである。

一方、客本人は眠すぎる。

自分の判断が必要な工程がほぼ終わると、スマホをポチポチして待っているだけになる。

雨の中で働く3人。

室内で眠気と戦いながらスマホを見る1人。

絵面だけ見るとだいぶカスっぽい。

ただ、呼ばれた時に判断でき、邪魔をしないなら、待機も役割の一つである。

そして最後、自分で持っていく荷物だけは自分で外へ運んだ。

数秒でずぶ濡れになった。

プロが2時間浴び続けていた雨を、本人は数秒で理解した。

しかもタオルはもう荷物の向こう側。

タオルなし。地獄。

9. 最後の敵は冷蔵庫下の「カピカピのタレ」

部屋が空になって初めて見えたものもある。

冷蔵庫の下に、乾いてカピカピになったタレが残っていた。

掃除道具がない。

水でふやかしても取れない。

もう搬出も終盤。

「まあいいや。生活の汚れですね」

と処理したくなる。

しかし退去費用の考え方では、何でも「通常損耗」で済むわけではない。国土交通省の原状回復ガイドラインでも、通常使用で生じる損耗と、手入れを怠って発生・拡大した汚れは区別されている。

だから実務上は、取れない汚れを床が傷むほど削るより、状態を写真に残し、契約上のクリーニング費や精算時の内訳を確認する方が安全である。

とはいえ、この朝のテンションでは診断名がつく。

「カピカピのタレですね」

「軽い生活汚れでよかったね〜」

元ネタは、にとりささみ『ホワイトタイガーとブラックタイガー』の、どう見ても軽くない状況を「軽いやけど」扱いするシュールな温度感。

冷蔵庫下の床、診察終了。

10. 引っ越しは整理整頓ではなく、最後だけインシデント対応になる

前日までは計画である。

最後だけ急に、

「もう来た!」

「箱閉じてない!」

「3人いる!」

「コーヒーどうぞ!」

「梱包頑張ってね」

「お兄さん早い!」

「はい」

「はよ動かせや」

「リーダーの仰せのままに」

「机とベッドもバラすん?」

「まあ向こうがやるならいいや」

「雨でびしょびしょやん」

「オリンピックより感動する」

「眠い。スマホ見よ」

「自分の荷物だけ運ぶか」

「数秒でずぶ濡れ」

「タオルない」

「冷蔵庫下にタレある」

「取れねぇ」

「軽い生活汚れですね」

「終わった」

「部屋、何もない」

「寝るわ😴」

となる。

最終目標は、美しい箱を作ることでも、全工程を自分で把握することでもない。

自分しか決められないことだけ決めて、全部を運べる状態にすること。

そして全部終わったら、家具も荷物もない空っぽの部屋が残る。

そこまで来たら、もう床でも何でもいい。

何もない部屋で寝る。

それで今日の搬出編は終了である。

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仕事や日常の「めんどい」を構造化して、次に動きやすくする記事を書いています。

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