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コードギアス, ルルーシュ, スザク, シャーリー, ロロ, ゼロレクイエム, アニメ考察
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ネタバレ注意
この記事は『コードギアス 反逆のルルーシュ』およびR2の重要な展開に触れる。
ルルーシュは、すぐに全部背負う。
自分の罪だけではない。
事故も背負う。
他人の罪も背負う。
誤解も背負う。
憎しみも背負う。
世界の悪意すら、自分に集めようとする。
これはかっこいい。
しかし、冷静に見るとかなり危うい。
ルルーシュは、「本当のことを説明して許してもらう」より、「全部自分が悪いことにして、相手に憎ませる」方向へ行く。
その代表が、ユフィの件である。
「暴走しました」と言っても救われない
ユフィの悲劇は、ルルーシュの計画的な悪意だけで起きたものではない。
ギアスの暴走。
最悪の冗談。
取り返しのつかない命令。
止められない事態。
そして、その後の政治利用。
真実を細かく分ければ、かなり複雑である。
しかし、スザクに対してルルーシュは、複雑な説明をしない。
日本人を決起させるためだった。
自分が命じた。
全部、自分の計算だった。
そういう形で渡す。
なぜか。
一つには、「暴走しました」と言ったところで、言い訳にしか聞こえないからである。
スザクからすれば、ユフィは死んだ。
日本人も大量に死んだ。
ルルーシュはゼロとして、それを利用した。
たとえ事故が発端でも、その後に利用した事実は消えない。
「違うんだ、事故だったんだ」と言っても、スザクの怒りは収まらない。
むしろ、怒りの置き場を失う。
だからルルーシュは、自分を分かりやすい悪として差し出す。
俺がやった。
俺を憎め。
俺を裁け。
これは弁明ではない。
自罰である。
スザクは、ルルーシュの嘘の質を見抜いている
面白いのは、スザクがそれをある程度見抜いているところである。
スザクは、ユフィの件の全真相を知っているわけではない。
しかし、ルルーシュが「全部悪意でした」という形に寄せて話していることは感じている。
なぜなら、スザクはルルーシュの友人だからである。
敵なら、「ゼロは最低だ」で終わる。
しかし、スザクはルルーシュのことを知っている。
人を駒にする。
嘘をつく。
計算する。
しかし、全部どうでもいいと思っている人間ではない。
ナナリーのために土下座する。
ユフィやシャーリーの話で苦しそうな顔をする。
本当に冷酷なら、そんな顔はしない。
だからスザクは、ルルーシュの嘘の質を見る。
これはただの悪人回答ではない。
自分を悪にしている。
相手に憎ませようとしている。
救われないための嘘をついている。
だからスザクは、「嘘をつくな」とは言わない。
むしろ、嘘をつくなら最後までつけ、という方向に行く。
正義の味方だと嘘をついたなら、本当に正義の味方になれ。
ゼロという嘘を始めたなら、その嘘で世界を救うところまでやれ。
これは友人だからできる裁きである。
甘やかしではない。
理解でもある。
罰でもある。
ルルーシュとスザクは、嘘を完成させる共犯者になる
ルルーシュは嘘で罪を背負う。
スザクは、その嘘を罰として貫かせる。
この関係は、後のゼロレクイエムにつながっていく。
ルルーシュは世界の憎しみを自分に集める。
スザクはゼロとして、そのルルーシュを討つ。
世界は、悪を倒したという物語を得る。
これは、嘘である。
しかし、その嘘によって世界は動く。
ルルーシュは、世界最大の悪という嘘を演じ切る。
スザクは、ゼロという嘘を引き受ける。
二人は、嘘を現実に変える。
だから、ルルーシュとスザクの関係は重い。
友人であり、敵であり、被害者であり、加害者であり、最後には共犯者である。
咲世子スケジュールというギャグからの落差
R2の中盤には、学園ラブコメのような回がある。
咲世子がルルーシュの代行をした結果、ルルーシュの女性関係が大変なことになる。
スケジュールは地獄。
シャーリーは振り回される。
ルルーシュは物理的に死にそうになる。
スザクは二人分を支えるような人間離れした身体能力を見せる。
完全にギャグである。
しかし、コードギアスはこういう回の後に落としてくる。
シャーリーが記憶を取り戻す。
ルルーシュを責めるのではなく、受け入れようとする。
ルルーシュを人間側に戻せる存在になりかける。
だから危ない。
物語上、主人公を救える存在は、時に一番危険な場所に置かれる。
シャーリーは、ルルーシュを許せる可能性を持っていた。
ルルーシュが自分を悪として固定する流れに対して、人間として戻れる道を示していた。
そこを撃つな、という話である。
ロロの行動は、ルルーシュにとって許せない。
しかし、ロロもまた、普通の愛情を知らない存在だった。
弟という役割を与えられ、それにすがった。
だから地獄である。
ルルーシュ視点では許せない。
ロロ視点では初めての居場所。
視聴者視点ではシャーリーを返してほしい。
物語視点では、ロロもまた使われた存在。
この多重構造が、コードギアスの重さである。
中国連邦編は、記憶に残りにくいが橋として重要
R2の中国連邦編は、好き嫌いが分かれる。
星刻と天子の関係。
神虎の活躍。
大宦官の腐敗。
黒の騎士団が日本ローカルの反乱軍から、世界反ブリタニア勢力へ進む橋。
構造としては重要である。
しかし、記憶には残りにくい。
なぜなら、ルルーシュの心臓に直結する私情が薄いからである。
ナナリー、スザク、ユフィ、シャーリー、ロロ、C.C.、皇帝。
このあたりはルルーシュの内面に直結している。
一方、中国連邦編は世界地図を広げるための戦略イベントに近い。
だから、何周しても作業に逃げる。
見てはいる。
でも脳が保存しない。
ただし、物語上は橋である。
黒の騎士団が世界規模になるための橋。
反ブリタニア陣営を組むための橋。
ゼロが日本の外へ出るための橋。
記憶に薄いが、構造上は必要。
こういう章もある。
ブリタニアはイギリスではなく、アメリカ大陸の帝国
コードギアスのブリタニアは、名前や文化だけ見るとイギリスに見える。
皇帝。
皇子。
皇女。
貴族。
騎士。
英国風の名前。
ブリタニアという名称。
しかし、実態はアメリカ大陸を本拠地とする超大国である。
感覚としては、アメリカ独立が失敗し、英国王室系の帝国が新大陸を本国化して、世界覇権国家になったようなものだ。
つまり、ブリタニアはこういう地獄セットである。
名前はイギリス。
文化は英国貴族。
本拠地は北米中心。
国力はアメリカ級。
思想は弱肉強食の帝国主義。
政治体制は皇帝制。
だから、シャルルは感覚としては「アメリカ大統領ポジションに皇帝が座っている」ような存在である。
アメリカの物量に、民主主義のブレーキを外し、英国貴族制と帝国主義を乗せた国。
そりゃ強い。
シャルルがV.V.に敬語を使う面白さ
シャルルは普段、圧倒的な皇帝である。
人は平等ではない。
弱肉強食である。
嘘のない世界を作る。
そういう巨大な言葉を使う。
しかし、V.V.の前では違う。
兄に対する弟としてのシャルルが出る。
敬語のような口調が出る。
皇帝ではなく、共犯者であり、弟である。
ここが面白い。
シャルルは世界には皇帝として振る舞う。
しかし、V.V.の前では幼少期からの関係性が残っている。
見た目は子どものV.V.。
老いた皇帝シャルル。
そのシャルルが兄に対して丁寧に話す。
絵面がバグっている。
しかし、ここに人間味がある。
シャルルも最初から皇帝だったわけではない。
血みどろの皇族社会を、兄と生き残った弟だった。
まとめ
ルルーシュは全部背負う。
事故も背負う。
他人の罪も背負う。
誤解も背負う。
世界の憎しみも背負う。
それは優しさでもある。
自己犠牲でもある。
支配欲でもある。
自罰でもある。
「本当は違う」と説明するより、
「全部俺が悪い」と言う方を選ぶ。
スザクは、それを見抜く。
友人だからこそ、ルルーシュの嘘の質が分かる。
だから、嘘をやめろではなく、嘘を最後までつけと言う。
この二人は、最終的に嘘を完成させる。
ルルーシュは世界最大の悪になる。
スザクはゼロになる。
世界は悪を倒したという物語を得る。
コードギアスの重さは、ここにある。
嘘で始まった物語を、嘘のまま終わらせるのではない。
嘘を、世界を動かす真実のようなものに変えてしまう。
ルルーシュは全部背負う。
スザクはそれを見抜いた上で、背負わせる。
さすが友人である。
