マオ、ルルーシュ、そして撃てなかった理由
C.C.は一見、冷たい。
突き放す。
茶化す。
きついことを言う。
ルルーシュが悶えていても、簡単には慰めない。
ピザを食べている。
変な格好をしている。
「浮気者」とか言う。
でも、よく見るとC.C.はかなり情が深い。
ただ、その情を普通の形で出さないだけです。
C.C.の優しさは、
「大丈夫だよ」
「あなたは悪くないよ」
ではない。
むしろ、
「それでもお前は進むんだろう」
「なら見届けてやる」
というタイプの重い優しさです。
ルルーシュを道具としては見ていない
ルルーシュに対しても、C.C.は最初から完全な道具扱いをしているようには見えません。
口では契約だと言う。
お前は私の願いを叶える相手だ、という顔をする。
甘やかさない。
逃げ道も簡単には与えない。
でも行動を見ると、かなり早い段階でルルーシュをただの道具としては扱っていない。
本当に道具なら、壊れたら捨てる。
失敗したら次を探す。
感情の揺れに付き合わない。
シャーリーの件で苦しんでいても放置する。
マオ絡みでももっと機械的に処理する。
でもC.C.は見ている。
茶化すけど見ている。
突き放すけど側にいる。
完全には見捨てない。
ルルーシュが罪に悶える場面で、C.C.は慰め役にはなりません。
なぜなら、そこで慰めるとルルーシュが逃げられるからです。
ゼロを続けるなら、人が死ぬ。
自分の作戦で誰かの人生が壊れる。
それを「あなたのせいじゃない」と処理したら、ルルーシュは半端な覚悟のまま進むことになる。
だからC.C.は、あえて逃げ道を塞ぐ。
「かわいそうだね」ではなく、
「それでもお前は進むのか」と突きつける。
これは冷たい。
でも、ただの冷酷ではありません。
C.C.は情がないのではなく、情を出すと相手も自分も壊れることを知っている。
長く生きすぎて、人との関わり方が壊れている。
だから皮肉と距離で包む。
C.C.がマオを撃てなかった理由
その本質が一番見えるのが、マオとの関係です。
マオはかなり可哀想なキャラクターです。
やっていることは最悪。
シャーリーを追い詰め、C.C.に異常な執着を見せ、周囲を壊す。
でも、成り立ちは地獄そのものです。
幼い頃にC.C.からギアスを与えられる。
人の心が勝手に聞こえるようになる。
止められない。
周囲の本音、悪意、雑音、矛盾が全部入ってくる。
普通の人間関係は、相手の本音が全部見えないから成り立っている部分があります。
でもマオにはそれがない。
表の言葉と裏の思考が、全部聞こえる。
それが常時流れ込む。
そりゃ壊れる。
その中で、C.C.だけは心が読めない。
だからマオにとってC.C.は、恋愛対象というより、もっと根本的な存在になります。
静寂。
安全地帯。
母親。
神様。
唯一の逃げ場。
世界中がうるさい中で、C.C.だけが静かな場所だった。
だからマオのC.C.への執着は気持ち悪い。
でも、本人の体感としては、「この人がいないと世界がうるさすぎて生きられない」に近い。
マオは加害者だが、同時に被害者でもある
マオは加害者です。
でも同時に、ギアスに壊された被害者でもあります。
能力が強すぎる。
しかも、それを幼い頃にもらっている。
精神が育つ前に、人の心が全部聞こえる地獄に入れられている。
その中で、C.C.だけが静寂だった。
だからC.C.に依存する。
でも、その依存はC.C.の願いを叶えるものではありません。
マオはC.C.を殺したいのではない。
終わらせたいのでもない。
救いたいのでもない。
独占したい。
自分だけのものにしたい。
C.C.が自分を見てくれないなら、壊してでも連れていきたい。
だから、C.C.の契約者としては失敗している。
C.C.が望む「自分を終わらせてくれる存在」にはなれない。
マオはC.C.を自由にするのではなく、C.C.にしがみつく。
そこが本当に哀れです。
C.C.の情は、慰めではなく見届ける形で出る
C.C.は、マオが危険人物だと分かっている。
放っておけばシャーリーにもルルーシュにも害が出る。
実際に出ている。
処理しなければならない。
でも、C.C.にとってマオはただの敵ではありません。
自分がギアスを与えた子ども。
その力で壊れてしまった人間。
自分だけを救いとして依存してきた存在。
救えなかった契約者。
だからマオを撃つことは、危険な敵を処理することではない。
自分が壊してしまった子どもを、自分の手で終わらせることになる。
C.C.が撃てなかったのは、恋愛というより、母性、罪悪感、責任、後悔が混ざっているからだと思います。
もしC.C.が本当に冷たいだけの不死者なら、もっと早く切り捨てている。
でも切れない。
6歳くらいから関わっていた相手なら、なおさらです。
マオはC.C.にとって、自分の罪の結果でもある。
だから銃口を向けても、手が止まる。
C.C.は情がある。
ただ、その情が普通の人よりずっと重い。
マオへの情は、救えなかった相手への罪悪感として出る。
ルルーシュへの情は、甘やかさずに見届ける形で出る。
C.C.は、情がないから冷たいのではありません。
情が深すぎるから、冷たくしている。
素直に優しくすると、自分も相手も壊れる。
だから距離を取る。
皮肉を言う。
茶化す。
契約の話にする。
ピザを食べる。
「浮気者」と言う。
外面は冷たい不死者。
中身は、関わった相手に情が湧きすぎる女。
それがC.C.だと思います。
ルルーシュにとって、C.C.は慰めてくれる人ではない。
でも、見捨てない人ではある。
マオにとって、C.C.は唯一の静寂だった。
でも、その静寂に依存しすぎて、自分もC.C.も壊そうとしてしまった。
C.C.の重さはここにあります。
彼女は多くを知っている。
長く生きすぎている。
人が壊れるところも見てきた。
そして自分が壊した人間もいる。
だから冷たい顔をする。
でも、その冷たさの奥には、かなり深い情がある。
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