コードギアスは12話から本編になる

作品:『コードギアス 反逆のルルーシュ』

コードギアスは、12話あたりから一気に重くなります。

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シャーリー、ルルーシュ、そして「最善手が人を壊す」話

コードギアスは、12話あたりから一気に重くなります。

それまでも、もちろん面白いです。

ルルーシュがギアスを手に入れる。
ゼロとして動き始める。
黒の騎士団が形になっていく。
ブリタニアに一矢報いる。
学園パートでは、シャーリーやミレイたちとの日常もある。

序盤は、ルルーシュの頭脳戦やゼロの演出を楽しむアニメとして見られます。

でも、12話以降は違います。

ゼロとしての作戦が、ルルーシュの日常に直接刺さってくる。
「敵を倒した」ではなく、「知っている誰かの人生を壊した」になる。

その象徴が、シャーリーの父親の死です。

シャーリー父の死と指揮官の罪

ナリタ攻防戦で、ゼロは地盤崩しの作戦を実行します。

作戦としては合理的でした。
コーネリア軍を崩すためには有効でした。
ゼロとしては、勝つための一手でした。

しかし、その巻き添えでシャーリーの父親が死にます。

ここで、ルルーシュの戦いは一段変わります。

軍事作戦としての成功が、身近な人の喪失として返ってくる。
被害者は「民間人」ではなく、「シャーリーのお父さん」になる。

これが本当にきつい。

ルルーシュは直接手を下したわけではありません。
でも指揮官として、その作戦を決めた。
命令した。
その結果として人が死んだ。

だから、心理的には「自分が殺した」に近い。

指揮官のつらさはここにあります。
自分の手で殺していなくても、自分の判断で人が死ぬ。
作戦上の合理性があっても、遺族からすればそんなものは関係ない。

「大義のためだった」と言われても、遺族からすれば「父を返して」で終わる。

シャーリーは、別に戦争したかった人ではありません。
普通に学校にいて、ルルーシュのことが好きで、写真を撮って、友達と過ごしていただけです。

それなのに、父親が死ぬ。
しかも、その原因がゼロの作戦。
そして、自分が好きなルルーシュが、そのゼロかもしれない。

これは高校生が背負う情報量ではありません。

好きだから気づいてしまう

シャーリーがルルーシュに気づいてしまう流れもつらいです。

シャーリーはルルーシュのことが好きすぎる。
写真も撮っている。
日常の中でずっと「ルル」を見ている。

だからゼロの仮面が完全に外れていなくても、髪、輪郭、目元、声、仕草、距離感で気づいてしまう。

好きだから分かる。
分かったせいで壊れる。

この構造がつらい。

普通の人なら、「似ているだけかも」で済ませられるかもしれません。
でもシャーリーはルルーシュを見すぎている。
好きな人の一部だけ見えても分かってしまう。

愛情が証拠になってしまう。

記憶消去は救済であり加害でもある

そして13話の記憶消去。

あれは本当に重いです。

ルルーシュはシャーリーを救おうとした。
これ以上苦しませたくなかった。
自分と関わることで危険に巻き込みたくなかった。
自分への想いごと消せば、シャーリーは日常に戻れると思った。

でも、それは同時に加害でもあります。

シャーリーの悲しみ、恋心、ルルーシュと過ごした時間。
その全部を、ルルーシュが勝手に処分した。

しかも、シャーリーは本当に受け止められなかったのでしょうか。

シャーリーは受け止められたのではないか

2期まで含めて見ると、シャーリーはかなり強い。

記憶が戻ったあとも、それでもルルーシュを支えようとする。
父親の死も、ルルーシュの正体も、すべてを知ったうえで、それでも彼を助けたい側に行こうとする。

つまり、シャーリーは受け止められた可能性がある。

13話の時点でも、完全に拒絶して壊れていたというより、まだルルーシュに手を伸ばそうとしていたように見えます。

だからこそ、記憶消去は単なる救済ではありません。

ルルーシュが、シャーリーに受け止めてもらうことに耐えられなかったのかもしれない。

父親を死なせた相手を、それでも好きでいてくれる。
これは救いであると同時に、加害者にとっては重すぎる罰でもあります。

だからルルーシュは、シャーリーを信じきれなかった。
シャーリーの強さを受け止めきれなかった。
自分が受け止めてもらう資格がないと思ってしまった。

そして「忘れろ」と命じる。

あれは秘密保持ではなく、ほぼ別れの言葉です。

シャーリーにとっては、ルルーシュとの関係を失う。
ルルーシュにとっては、「ルル」として愛されていた自分を失う。

最善手が人を壊す可哀想ループ

コードギアスの面白さは、単純な勝ちループではありません。

ルルーシュが策を決める。
敵がハマる。
勝つ。
ざまあ。

それだけなら、ただの天才主人公の話になります。

でもコードギアスは、そこからさらに踏み込みます。

その時点では最善手。
でも感情と人間関係と後の因果がズレる。
守ったつもりの相手が、別の形で巻き込まれる。
ルルーシュはさらに罪を背負う。
次の最善手を打つ。
また誰かが壊れる。

この「可哀想ループ」が強い。

シャーリーの記憶消去も、13話時点では最善手のつもりでした。
でも結果的に、記憶が戻ったとき、シャーリーはより危険な位置に戻ってしまう。
受け止めようとした彼女の強さが、ロロに刺さってしまう。

守るための行動が、別の形で相手を死地に近づける。

ルルーシュは盤面では強い。
でも人の感情と因果までは完全には制御できない。

そこがいい。

勝っているのに失っている。
正しい作戦なのに誰かの地獄になる。
大義のために進むほど、日常側の人間が壊れていく。

コードギアスは、12話から本格的にその話になります。

だから面白い。
そして、重い。

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