この黒猫、ほめてるのか煽ってるのか
黒猫がにっこり笑って、ゆっくり拍手する。おめでとう。よくやった。……その間の取り方、ちょっと気になる。
「Black Cat Clapping」と呼ばれるこのミームは、人間のような手で拍手するAI生成の猫。実際の猫が芸を覚えた映像ではない。Know Your Memeの解説で紹介されている。
顔は祝福している。なのに拍手が丁寧すぎて、「そこまで喜ぶことか?」が後からやってくる。
元ネタをたどると
Know Your Memeが出典として挙げるのは、@merkurianinのInstagram投稿。投稿日時を独立に確認できていないため、ここでは「いつ最初に生まれたか」までは断定しない。
リアクションとして見ると、猫が何を祝っているのかを、見る側が自由に当てはめられる。大げさな祝福にも、やさしい皮肉にも読める余白がある。
例えば、先延ばししていた書類を開いたとき
ここからは架空の使い方。三日間避けていた書類を、ようやく開いた自分に、この猫を添える。
まだ一文字も書いていない。でも拍手は始まった。作家が本を完成させたくらいの待遇である。
「最終版_本当の最終版」をまた増やした自分にも合う。ファイル名だけは何度もゴールしている。中身はまだ競技中だ。
小さな達成に、明らかに大きすぎる拍手をぶつける。この温度差が気持ちいい。相手の失敗を責めるより、自分の妙な達成感に使うと、笑いの向きも伝わりやすい。
拍手で仕事が終わった気になる問題
おかしいのは猫の手だけではない。こちらも、書類を開いただけなのに「今日はかなり進んだ」と思いかけている。
猫はその自己評価を、授賞式の規模に拡大して見せてくれる。ほめられてうれしい。でも、その拍手に乗ると、開始ボタンを押しただけでエンディングを迎えてしまう。
ありがとう、猫。できれば拍手のあと、一段落だけ書いていってほしい。

