HUNTER×HUNTERの287期ハンター試験を見返していると、最終試験のメンバーが出た時点で、なんとなく結果が見えてしまう。
ヒソカ、イルミ、キルア、クラピカ、レオリオ、ハンゾー、ポックル、ゴン。
この並びの中にボドロがいると、どうしても思ってしまう。
「あー、この人が落ちる側っぽいな」と。
もちろん、ボドロが弱いという話ではない。一次試験の長距離走と湿原、二次試験の料理、三次試験のトリックタワー、四次試験のゼビル島を突破している時点で、普通の人間ではない。
ただ、他のメンバーが強すぎる。
最終試験は、単なる戦闘力ランキングではない。あれはたぶん、ネテロが「ハンターライセンスを持たせていい人間か」を最後に見るための認証試験だった。
そしてその中で、ゴンだけは戦闘力では未完成なのに、ハンターとしての認証値だけがズバ抜けている。
最終試験のメンバーが濃すぎる
287期ハンター試験の最終試験に残ったメンバーは、今見るとかなりおかしい。
- ヒソカ:念能力者であり、危険な殺人ピエロ
- イルミ:ゾルディック家の暗殺者で、念能力者
- キルア:ゾルディック家の天才児
- ハンゾー:忍者で、ゴンより明確に強い
- クラピカ:頭脳、覚悟、観察力が高い
- レオリオ:身体能力、根性、人間性がある
- ポックル:地味だが合格者になるだけの実力者
- ゴン:戦闘力はまだ低いが、異常な執着と感性がある
- ボドロ:武術経験のある受験者だが、物語上は一番モブっぽく見える
このメンバーを見ると、ボドロが一番「落ちそう」に見える。
ただし、これはボドロが凡人という意味ではない。
ハンター試験の最終段階まで来ている時点で、現実換算なら完全に上澄みである。
問題は、周りが異常すぎることだ。
最終試験は「勝った人から抜ける」逆トーナメント
日テレ公式の第19話紹介では、最終試験は「勝ったものから抜けていくトーナメント戦」で、相手を殺したら即失格というルールだったと説明されている。
普通のトーナメントなら、強いやつが最後まで残る。
でも287期の最終試験は逆で、勝った人から合格して抜けていく。
つまり、最後に残った1人だけが落ちる。
これはかなり変な試験である。
強さだけを測るなら、普通に総当たりや勝ち抜きでいい。
でもネテロはそうしなかった。
この形式だと、見られるのは単純な戦闘力ではない。
- 勝てない相手にどう向き合うか
- 殺さずに勝てるか
- 目的のために折れずにいられるか
- 相手に負けを認めさせられるか
- 危険な精神状態を抱えていないか
- ライセンスを持たせていい人間か
つまり最終試験は、武力試験というより、最後の人間検査だった。
ボドロは落ちそうに見えるが、実際に落ちたのはキルア
視聴者目線では、ボドロが落ちるように見える。
他のメンバーは主人公組、強キャラ、因縁キャラ、今後も使われそうなキャラばかりだからだ。
でも実際には、キルアがボドロを殺して失格になる。
日テレ公式の第20話紹介でも、ゴンは病室でサトツから合格を告げられ、落第者がキルアだと聞かされる流れになっている。
ここがかなり面白い。
視聴者は「ボドロが落ちそう」と見る。
しかし試験の結果として落ちるのは、才能だけなら最強格のキルアである。
これは、最終試験が「強いやつを選ぶ試験」ではなかったことを示している。
キルアは強い。
でもイルミの精神支配が残っていて、自分の意志でハンターになる状態ではなかった。
だから試験としては、キルアを落とすのが正しい。
逆にボドロは死んでしまうが、ルール上はキルアが失格になり、他の受験者は合格になる。
最終試験は、才能の高さよりも、危険なバグを検出する試験だった。
ゴンは戦闘力では負けている
ゴン対ハンゾーは、戦闘として見ると完全にハンゾーの勝ちである。
日テレ公式の第19話でも、ゴンはハンゾーに手も足も出ないが、まったく降参しようとしないと紹介されている。
つまりゴンは、強いから勝ったわけではない。
むしろ弱い。
戦闘力では明確に負けている。
ハンゾーは、腕を折ると脅すところまで行く。
普通ならそこで終わる。
でもゴンは降参しない。
この試験で重要なのは、そこだと思う。
ゴンの「ハンター認証値」が異常すぎる
ゴンは最終試験時点では、ヒソカやイルミはもちろん、ハンゾーにも勝てない。
それでも、ゴンにはハンターとして異常に高い適性がある。
それはたぶん、こういうものだ。
- 目的が明確
- 危険に対して怯みすぎない
- 未知のものに近づく
- 自分で見て、自分で納得しようとする
- 勝てない相手にも折れない
- でも快楽殺人者ではない
- 相手の心を動かす
- 戦いの勝敗ではなく、勝負の意味そのものを変えてしまう
ハンゾーは、ゴンを力で倒すことはできた。
でもゴンに「負けを認めさせる」ことはできなかった。
そして最終的に、ハンゾー側が折れる。
これはゴンが強かったからではない。
ゴンの「ハンターとしての認証値」が、戦闘力とは別軸で異常だったからだ。
ハンターとは、強いやつのことではない。
何かを追いかける人間である。
危険でも未知に向かう人間である。
自分の目で確かめに行く人間である。
その意味で、ゴンは試験時点ですでに完成している。
念はまだない。
技術も足りない。
経験もない。
でも「ハンターになる理由」だけは、誰よりも強い。
ネテロはゴンがジンの息子だと気づいていたのか
ここもかなり気になる。
船長は、ゴンを見てジンの息子だと察する。
ゴンが風や鳥の様子から嵐を読むところを見て、ジンと重ねる流れである。
船長で分かるなら、ネテロが分からないとは考えにくい。
そもそも集英社公式の作品紹介でも、ゴンは「父と同じハンターになるため、そして父に会うため」にハンター試験へ向かう主人公として説明されている。ジンはゴンの動機そのものだ。
ジンは二ツ星の遺跡ハンターであり、元十二支んでもある。ネテロがジンを知らないわけがない。
もちろん、作中でネテロが「お前、ジンの息子だろ」と明言する場面があるわけではない。
だから断定はできない。
ただ、ネテロ視点では材料が多すぎる。
- 名前がゴン=フリークス
- くじら島出身
- 父親を追ってハンターを目指している
- 自然への感度が異常
- 身体能力と執着が異常
- ジンと関係が深いハンター協会の会長である
ここまで揃っていて、ネテロが気づいていない方が不自然に見える。
たぶんネテロは気づいていた。
ただし、特別扱いはしなかった。
「ジンの息子だから合格」ではなく、
「ジンの息子なら、どんなものを持っているのか見てみよう」くらいの感覚だったのだと思う。
ボール取りゲームも、ゴンの認証値を見る遊びだった
飛行船でのネテロのボール取りゲームも、後から見るとかなり意味がある。
ゴンとキルアは、ネテロからボールを取れない。
当然である。
相手は、後に人類側の最強格として描かれるネテロである。
この時点のゴンとキルアがボールを取れるわけがない。
でもネテロは、勝敗だけを見ていたわけではなさそうだ。
キルアは、暗殺者としての技術と才能を見せる。
ゴンは、勝てないと分かっても、ネテロに右手を使わせることを目標にして粘る。
ここでもゴンは、単純な勝敗ではなく、勝負の意味を変えている。
「ボールを取る」は無理。
なら「右手を使わせる」に変える。
この目標設定の変更が、すでにハンターっぽい。
未知に挑む。
無理なら観察する。
達成可能な突破口を見つける。
それでも諦めない。
ネテロが面白がるのも当然だと思う。
最終試験は、ライセンスを持たせていい人間かを見る試験だった
ハンターライセンスは、ただの合格証ではない。
作中の設定では、ライセンスには移動、情報、金融、社会的信用など、かなり大きな権限がある。
だから、強いだけの危険人物に渡すとまずい。
ヒソカやイルミのような危険人物も合格しているので、完全な倫理審査ではない。
ただ、少なくとも「試験中のルールを守れるか」「殺してはいけない場面で殺さないか」「自分の意志で動けるか」は見ている。
キルアは才能だけなら合格圏どころではない。
でもイルミの針と精神支配によって、自分の意志が壊される危険があった。
だから落ちた。
ゴンは弱い。
でも自分の意志で動いている。
目的がある。
未知へ向かう。
折れない。
だから合格した。
最終試験は、そういう対比になっている。
結論:ゴンは弱いのに、ハンターとしては最初から合格していた
ハンター試験の最終試験は、メンバーだけ見ると結果が分かるように見える。
ボドロが一番落ちそうに見える。
他のメンバーが強すぎる。
でも実際に落ちるのはキルアである。
このズレが、最終試験の本質だと思う。
あの試験は、強さランキングではない。
ハンターライセンスを持たせていい人間かを最後に見る試験である。
その中でゴンは、戦闘力では未完成だった。
ハンゾーにも勝てない。
ヒソカにも届かない。
イルミにもキルアにも届かない。
でも、ハンターとしての認証値だけはズバ抜けていた。
ゴンは、最初からハンターだった。
ライセンスをもらう前から、すでに「何かを追う人間」だった。
だからネテロは面白がった。
だからハンゾーは折れた。
だから船長もジンを重ねた。
287期ハンター試験の最終試験は、ゴンの強さを見せる場面ではない。
ゴンが「ハンターとして異常に向いている」と証明する場面だった。
参考リンク
- 日本テレビ『HUNTER×HUNTER』第19話「カテナイ×ガ×マケナイ」
https://www.ntv.co.jp/hunterhunter/story/019.html - 日本テレビ『HUNTER×HUNTER』第20話「フカカイ×ナ×テンカイ」
https://www.ntv.co.jp/hunterhunter/story/020.html - 集英社『HUNTER×HUNTER』公式作品ページ
https://www.shonenjump.com/j/rensai/hunter.html - Hunterpedia: 287th Hunter Exam
https://hunterxhunter.fandom.com/wiki/287th_Hunter_Exam - Hunterpedia: Ging Freecss
https://hunterxhunter.fandom.com/wiki/Ging_Freecss - Hunterpedia: Episode 7 (2011)
https://hunterxhunter.fandom.com/wiki/Episode_7_%282011%29
公開時の注意点
- 「ネテロがゴン=ジンの息子だと気づいていた」は作中明言ではなく、状況証拠からの考察として扱う。
- ボドロを「雑魚」と断定しない。最終試験まで残った時点で上澄みである。
- ゴンの「認証値」は公式用語ではなく、記事内の比喩として使う。
- 公式あらすじ・集英社公式・Hunterpediaを参照しつつ、断定と考察を分ける。
