問題解決と課題解決が混線する理由。レイヤー違いを理解不足として詰めてはいけない

問題解決の研修や会議で、よく混乱する言葉がある。

読書機能の使い方

聴く:本文を読み上げます。速読:語句を順に表示し、速さを調整できます。語学練習:別の言語版と対訳を読み比べます。保存:このブラウザーにブックマークし、プレイヤーの保存済み一覧から開けます。

この記事をシェア
広告
広告

title: "問題解決と課題解決が混線する理由。レイヤー違いを理解不足として詰めてはいけない" description: "問題・課題・原因・施策という言葉は、会議で混線しやすい。実は理解不足ではなく、見ているレイヤーが違うだけのことが多い。" category: "problem-solving" tags: ["問題解決", "課題解決", "業務改善", "会議", "論理的思考"] published: false status: "public_ready_draft"

「課題」という言葉が2回出てくる問題

問題解決の研修や会議で、よく混乱する言葉がある。

「問題」と「課題」である。

よくある説明では、問題は「あるべき姿」と「現状」のギャップだと言われる。

これは分かりやすい。

例えば、本来は3営業日以内に処理すべき仕事が、現状は5営業日かかっている。

このギャップが問題である。

一方で、課題は「ありたい姿」と「現状」のギャップだと言われることもある。

例えば、今は5営業日かかっている処理を、将来的には1営業日で終わらせたい。

このギャップを課題と呼ぶことがある。

さらに別の文脈では、問題を解決するために取り組むべきことを課題と呼ぶこともある。

ここで混線する。

「課題」が2種類の意味で出てくるからだ。

問題・原因・課題・施策を分ける

実務では、言葉をこう分けると整理しやすい。

  • あるべき姿:本来そうであるべき状態
  • ありたい姿:目指したい状態
  • 現状:今の状態
  • 問題:あるべき姿と現状のギャップ
  • 原因:ギャップを生んでいる理由
  • 課題:原因を潰すために解くべき問い、または取り組むべきテーマ
  • 施策:実際にやる打ち手

例えば、納期回答が遅いという問題があるとする。

あるべき姿は「納期回答が期限内に返ってくる状態」。

現状は「回答が遅れ、催促が必要になっている状態」。

問題は「期限内に回答が来ていないこと」。

原因は「仕入先回答がメールに埋もれる」「管理表が分散している」「誰が催促するか決まっていない」など。

課題は「回答状況を一元管理できる状態にすること」「催促責任を明確にすること」。

施策は「管理表統合」「リマインド自動化」「期限ルール設定」になる。

この順番で見れば、かなり整理しやすい。

レイヤーが違うだけなのに、詰め合いになる

会議が荒れる時、参加者の頭が悪いわけではないことが多い。

ただ、見ているレイヤーが違う。

ある人は目的の話をしている。

別の人は問題の話をしている。

別の人は原因を話している。

また別の人は施策を話している。

それなのに、全員が「課題」という言葉を使う。

するとこうなる。

それは課題じゃなくて原因でしょ。
いや、それは施策でしょ。
何が言いたいの。
結局どうしたいの。

本当は、前提とレイヤーが違うだけかもしれない。

しかし、その違いが整理されないまま議論すると、理解不足として詰められる。

これがだるい。

会議の最初に、この場の辞書を置く

混線を避けるには、正しい定義をめぐって戦うより、この場での使い方を決めた方が早い。

例えば、会議や資料の冒頭でこう置く。

この資料では、問題を「あるべき姿と現状のギャップ」、原因を「ギャップを生んでいるもの」、課題を「原因を潰すために解くべき論点」、施策を「実際に行う打ち手」として整理します。

これなら、定義バトルになりにくい。

「私の定義が正しい」と主張しているのではない。

「この資料ではこの辞書で進めます」と交通整理しているだけだからだ。

問題解決で大事なのは、言葉の勝敗ではない。

同じ地図を見ながら話せるようにすることである。

問題解決は、やりたいことから始めるとズレる

問題解決が苦手な人は、しばしば「やりたい施策」から始める。

先にやりたいことがある。

それに合うように問題を後付けする。

それっぽい理屈を作る。

部下やメンバーに押し込む。

反応が悪いと「理解していない」と詰める。

この流れは、論理的思考のように見えて、実際には結論先行の後付けである。

まともな問題解決は、本来こう進む。

あるべき姿。

現状。

ギャップ。

原因。

課題。

施策。

この順番が崩れると、施策は現場に刺さらない。

やりたいことを通すための理屈になるからだ。

課題設定は、詰めるためではなく揃えるためにある

問題解決の言葉は、人を詰めるために使うものではない。

「それは課題じゃない」

「原因と施策が混ざっている」

「問題の定義が甘い」

こういう指摘自体は、必要な時もある。

しかし、その指摘が相手を潰すために使われると、会議は止まる。

本来、問題解決のフレームは、認識を揃えるためにある。

どこがズレているのか。

何が原因なのか。

何を解けば前に進むのか。

どの施策を打つのか。

それをみんなで見えるようにするためのものだ。

レイヤー違いを理解不足として詰めるのではなく、レイヤーを揃える。

それが問題解決の実務だと思う。

今日これ読んで

この記事を読んだ人の次の疑問に、それぞれ答える記事です。

すべての記事から探す「仕事」の記事をもっと見る

この記事が役に立ったら、応援できます。 応援する

広告

もう1個、なんか面白いのない?

読み終わったついでに。近い話と、ぜんぜん違うけど面白い話を少しずつ。

  1. 近い話8.6秒バズーカーとボチリストは同一人物なのか?「10年後」説と現在の仕事を調べた
  2. なぜゲームの作業感はつまらないのか?モンハンワイルズと“ゲームが仕事になる瞬間”
  3. ぜんぜん違うけどキルアはなぜラモットを一瞬で殺せたのか「ころすよ」が気持ちいい理由
  4. 日本語記事 10一人で作るアプリが増えると、更新や確認が大変になる
  5. HUNTER×HUNTERの強さ議論が、なぜ1,400万約定の市場検証へつながったのか
  6. 過集中を失わず、弱点だけを減らせるのかアトモキセチンと「制御可能な高集中」

他の記事を探す

すべての記事

めんどいちゃん

このサイトの運営者

めんどいちゃん

仕事や日常の「めんどい」を構造化して、次に動きやすくする記事を書いています。