増田って誰だよ!匿名ハッカーと夢に出る薄毛のおっさんを混同したら、ネット史が事故った

「増田って何?」という素朴な疑問が、「変な顔のアノニマスだよね?」「同じ顔のおっさんが夢に出るやつ!」と走り出した。情報が三つ巴で衝突している。整理すると、増田=日本の匿名投稿サービス、Anonymous=匿名という英単語/その名を掲げる活動者たち、This Man=夢に出るという話で広まった顔の都市伝説。

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増田って誰だよ!匿名ハッカーと夢に出る薄毛のおっさんを混同したら、ネット史が事故った
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0. 結論:匿名日記を調べたら、仮面と夢の不審者が出てきた

「増田って何?」という素朴な疑問が、「変な顔のアノニマスだよね?」「同じ顔のおっさんが夢に出るやつ!」と走り出した。情報が三つ巴で衝突している。整理すると、増田=日本の匿名投稿サービス、Anonymous=匿名という英単語/その名を掲げる活動者たち、This Man=夢に出るという話で広まった顔の都市伝説。三者は別物。唯一の共通点は、ネットの変なところで有名になったことだ。

1. 増田の正体:姓名判断を始める前に日本語の駄洒落を見ろ

「増田」は「はてな匿名ダイアリー」の俗称。英語名 Anonymous Diary をカタカナにすると「アノニマスダイアリー」。真ん中の マスダ を抜き出して「増田」。アノニ「マスダ」イアリーという奇跡の切り取りである。はてな側のキーワード解説にも載っており、2006年にはこの呼び方の痕跡がある。[1] まさか『匿名』を日本語にしたら架空の社員が誕生するとは。

2. 元増田は誰? 投稿者も記事もサイトも増田

「増田」はサイトそのもの、記事、書いた匿名ユーザー、匿名ユーザー全体を指すことがある。「元増田」は話題の元になった記事の書き手などを呼ぶ言い方。[2][3] 「増田が増田に増田を書いて元増田が返信」。文法が破裂しそうだが、住民には通じる。「はてなブログ」と「はてな匿名ダイアリー」は関連する会社の別サービスだ。なお匿名は一般読者に筆者名を見せない仕組みの話であり、身元が技術的にも法的にも絶対に分からないという保証ではない。

3. Anonymous:ただの英単語が仮面集団に昇格

anonymous は英語で「匿名の」。一方、頭文字を大きくした Anonymous は、匿名掲示板文化などを背景に生まれ、抗議活動やサイバー活動で知られた緩やかなネットワークの呼び名。誰もが同じ考えの正規社員というわけではなく、単一のボスが世界中に指令しているとも限らない。[4] 『anonymous=全部ハッカー』ではない。『佐藤=全員エンジニア』くらい乱暴だ。

4. 例のニヤケ顔:ガイ・フォークスの仮面だ

目元が細く、口ひげと尖ったあごひげがある、あの妙に余裕のある顔。これは ガイ・フォークス・マスク。英国史のガイ・フォークスを下敷きに、漫画『Vフォー・ヴェンデッタ』と映画で広く知られ、のちにAnonymousなどの抗議活動の象徴として使われた。[5][6] 『笑ってるけど何か企んでそう』というビジュアルの圧が強い。仮面なのにプロフィール写真より記憶に残る。

5. 同じ顔が大量発生する映像の正体

「同じおっさんの顔が大量に増える」記憶があるなら、映画『Vフォー・ヴェンデッタ』終盤の、同じ仮面を着けた人々の群衆を思い出している可能性がある。[5] ただし 同じ仮面の大群 と 世界中の夢に同じ素顔が出る話 は違う。前者は人間が仮面を着けた映像。後者は肖像画だけが独り歩きした怪談。パニック映画のチラシを二枚重ねたような誤配だ。

6. This Man:薄毛、太眉、説明不能の微笑

もう一人のおっさんが This Man。髪が後退気味、眉が濃い、唇は薄め、こちらを見ているようなモノクロの似顔絵で有名になった。『あなたもこの男を夢で見た?』という呼びかけがセット。英語名は This Man であって、通称を記憶違いした『ザ・マン』ではない。仮面でも集団のロゴでもない。顔面そのものが都市伝説になった、ネット史でも相当な珍事だ。[7]

7. 夢に出るおっさん伝説:2006年ニューヨークは話の設定

元サイトは『2006年、ニューヨークの精神科医の患者が同じ男性を夢で見て、その顔を描いた。やがて世界中で同じ顔を見た人が現れた』と説明していた。[8] だがこれはサイト側が語ったストーリーであり、確認された医学的事実ではない。夢日記や診療記録の独立した裏付けを意味しない。『世界共通の夢のおじさん』と聞くだけで大変だが、地球規模で夜勤をするおじさんの労働環境も心配になってくる。

8. オチ:作ったのはマーケティング関係者、VICEまで引っかかった

This Man のサイトと画像を仕掛けた人物として報じられたのは、イタリアのマーケティング関係者 Andrea Natella。この話はネットで広がった作り話だった。[9][7] 2015年にはメディアのVICEが一度まじめに取り上げ、その日のうちに『だまされた』と訂正記事を公開。ここがすごい。架空のおっさん本人は何もしていないのに、ネットが勝手に取材し、信じ、反省までしている。おっさんの広報能力が高すぎる。

9. なぜごっちゃになる? 名前と顔の『似てないのに似てる』罠

増田は『アノニマスダイアリー』の音から生まれ、Anonymousは『匿名』を旗印にし、This Manは顔の絵で拡散した。三者は出身も役割も異なるが、匿名・謎・ネットミーム・不気味な顔という記憶の手掛かりが近い。映画の仮面集団と夢の顔を混ぜれば、脳内で『増殖する謎のおっさん』が完成する。これは会話から考えた説明で、特定の心理研究がこの勘違いを実証したという話ではない。

10. 最終判定&見分け方:三人とも不審、でも部署が違う

増田=はてな匿名ダイアリー。駄洒落から生まれた架空の名字。Anonymous=「匿名の」という語/匿名活動のネットワーク。顔はガイ・フォークスの仮面。This Man=夢に出ると噂された太眉・薄毛の似顔絵。伝説は作り話。見分けるなら『サイト名? 仮面? 素顔の絵?』と聞けばいい。検索結果を信じる前に、語源、画像の出典、発信者、訂正記事までたどろう。オチはこうだ。増田は名前だけ増え、Anonymousは顔を隠し、This Manは顔だけで世界を回った。全員ネットの不審人物選手権に出られる。

参考資料(9件)

  1. はてなキーワード「増田」:呼び名・語源・初出 d.hatena.ne.jp
  2. INTERNET Watch(2009):増田の複数の意味 internet.watch.impress.co.jp
  3. はてな匿名ダイアリー「元増田」とは?:用法と匿名性 anond.hatelabo.jp
  4. GIGAZINE(2020):Anonymousの起源と分散した活動 gigazine.net
  5. BBC News(2011):ガイ・フォークスの仮面と抗議活動 bbc.com
  6. BBC News(2012):『Vフォー・ヴェンデッタ』作者とAnonymousの仮面 bbc.com
  7. Know Your Meme:This Manの2009年ごろの拡散と正体 knowyourmeme.com
  8. ThisMan.org「History」:都市伝説の元の主張(独立した証拠ではない) thisman.org
  9. VICE(2015):This Man記事を訂正し、でっち上げと認めた説明 vice.com

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