説明: 2026年10月、サンパウロのデモで撮られた写真がなぜ海外にまで広がったのか。ポルトガル語のあだ名、牛肉のピカーニャを使った政治ジョーク、実際の反応を解説する。
「Gostoso da Paulista」は、2026年10月11日にブラジル・サンパウロのパウリスタ大通りで行われた集会の写真から生まれたネット上のあだ名だ。赤い布で顔を覆い、上半身裸で旗を掲げる参加者の姿が注目され、政治集会の写真が思いがけず「街のイケメン発見」ミームになった。
何が写っていた?
現場は「Marcha pela Democracia(民主主義のための行進)」と呼ばれた、ルラ大統領を支持する集会。写真や動画には、灰色のスウェットパンツ姿で高い場所に立ち、複数の旗を掲げる男性が写っている。撮影場所の細部について報道に表現の差があるため、ここではパウリスタ大通りの集会で撮られた場面として扱う。
ポルトガル語の gostoso はこの文脈では「セクシー」「魅力的」という砕けた褒め言葉。da Paulista は「パウリスタ大通りの」という意味で、あだ名全体は「パウリスタのイケメン」といったニュアンスになる。人名でも公式の称号でもなく、ネットで付いた呼び名だ。
なぜ「ルラが約束したピカーニャ」?
ブラジルのSNSでは、男性を「picanha que Lula prometeu(ルラが約束したピカーニャ)」になぞらえる投稿が出た。ピカーニャはブラジルの焼き肉で親しまれる牛肉の部位。政治的な言い回しを、筋肉質な人物の写真へ強引につなげるのが笑いどころだ。政治の話をしていたはずなのに、コメント欄が突然バーベキューの品評会になる。
実際に10月11日付のX投稿では「Gostosos com Lula(ルラと一緒のイケメンたち)」という言葉が使われ、12日には「投票は秘密でも、胸元は秘密にしなくていい」という趣旨の冗談も登場した。これは報道記事に埋め込まれた実在投稿の内容であり、ここで作った架空のコメントではない。
海外にも広がった?
ブラジル紙Folha de S.Pauloは10月13日、コロンビアやトルコのアカウント、イタリア語の反応に言及した。米国のComplexも同日に取り上げている。複数言語で反応が見られたことは確認できるが、国別の閲覧数や世界全体の再生数を示す集計ではない。
拡散の規模を測る別の手掛かりとして、ブラジルの報道では関連Instagramアカウントのフォロワーが10月13日に20万人超、14日には31万5,000人超と記録された。ただしフォロワー数はミーム投稿の再生数ではない。時点の違う数値を一つの「総バズ数」に足すこともできない。
なぜこんなに使いやすいミームなのか
政治集会の写真なら通常はスローガンや人数に目が向く。ところが顔を覆った人物の目立つシルエットと、語呂のいいあだ名が、まったく別の視線を集めた。国内ではピカーニャという文化的な言葉遊びが成立し、海外では「集会に現れた謎のイケメン」という視覚的な驚きが先に伝わる。同じ画像が違う理由で共有されるのが、この話の特徴だ。
結論
「Gostoso da Paulista」は、10月11日のサンパウロの集会写真から生まれ、ブラジルの食べ物ジョークと海外の反応を巻き込んだミーム。旗を掲げた瞬間、本人がインターネットの「今日のピカーニャ」になるとは、誰も予想していなかっただろう。
出典(2026年10月18日確認): Folha de S.Paulo、10月13日 / Folha Vitória、10月14日:10月11〜12日の実在X投稿を掲載 / Complex、10月13日 / Correio Braziliense、10月12日。




