カテゴリ
self-understanding
tags
構造化, 予測, 仕事, アニメ考察, 物語, 要件定義, 違和感
canonical
https://mendoi-apps.com/articles/structural-prediction-unresolved-pressure
hreflang
- ja:
https://mendoi-apps.com/articles/structural-prediction-unresolved-pressure - en:
https://mendoi-apps.com/en/articles/structural-pattern-recognition-unresolved-pressure
「あ、これ後で問題になるな」
そう思ったことが、実際に起こることがある。
職場で、上司の指示が曖昧なまま進んでいる。
誰が判断者か決まっていない。
担当範囲が曖昧。
優先順位が決まっていない。
でも、なぜか仕事だけは前に進んでいる。
こういう時、構造が見える人は先に気づく。
これは後で揉める。
これは後出しで言われる。
これは責任の押し付け合いになる。
これは便利屋化する。
これは残業で帳尻を合わせることになる。
そして、実際にそうなる。
これは霊感ではない。
単なる心配性でもない。
構造から未来の炎上ルートを読んでいるだけである。
現実の炎上予測は「未定義」を見る
職場の問題は、突然起きるように見えて、実は前から準備されていることが多い。
目的が曖昧。
役割が曖昧。
期限が曖昧。
判断者が曖昧。
完成基準が曖昧。
優先順位が曖昧。
でも、とりあえず誰かが進めている。
この状態は、かなり危ない。
なぜなら、曖昧なまま進んだ仕事は、後からいくらでも評価を変えられるからである。
上司は「そういう意味ではなかった」と言える。
関係者は「聞いていない」と言える。
依頼者は「もっとこうしてほしかった」と言える。
担当者は「そこまで自分の範囲だと思っていなかった」と言える。
つまり、未定義な仕事は、後出しの温床になる。
構造読みが強い人は、ここを早く見る。
このまま進めると、後で燃える。
だから先に確認する。
目的を聞く。
期限を聞く。
判断者を聞く。
完成基準を聞く。
どの業務を後ろにずらすか聞く。
これは面倒な人ではない。
未来の炎上を先に消しているだけである。
ベンチャー求人の違和感も、構造読みで見える
求人票にも、未来の働き方はかなり出る。
少人数。
高成長。
裁量が大きい。
自走。
一人目ポジション。
CEO直下。
カオスを楽しめる。
AI活用。
顧客対応も改善も要件定義も資料作成も担当。
こういう言葉が並ぶと、魅力的に見える。
しかし、構造読みをすると別のものが見える。
これは役割範囲が広すぎるのではないか。
これは便利屋化するのではないか。
これはAIを使えるから、さらに拾わされるのではないか。
これは年収と負荷が見合わないのではないか。
これは顧客側でも社内側でも燃えるのではないか。
もちろん、すべてのベンチャーが危ないわけではない。
しかし、求人票の言葉は、会社の評価OSを反映していることが多い。
「幅広くできる」は、良い意味なら成長機会である。
悪い意味なら、何でも屋である。
「裁量が大きい」は、良い意味なら自由である。
悪い意味なら、放置である。
「カオスを楽しめる」は、良い意味なら未整備な環境で作れることである。
悪い意味なら、混乱の責任を個人に押し付けることである。
言葉そのものが悪いのではない。
その言葉の裏にある構造を見る必要がある。
物語でも同じことが起きる
面白いのは、この構造読みは現実だけではなく、アニメや漫画でも働くことである。
物語を見ている時にも、「あ、これ後で来るな」と感じることがある。
急に昔の話をする。
急に関係が修復される。
急に幸せな時間が来る。
急にギャグ回になる。
急にキャラが許す側に回る。
急に未回収の感情が表に出る。
こういう時、構造読みが強い人は危険を感じる。
この幸せは回収される。
この関係修復は物語上危ない。
このキャラは主人公を人間に戻せるから危ない。
このギャグ回は次の落差のためかもしれない。
このフラグは後で刺さる。
現実の職場で「未定義の圧」を読むのと、物語で「未回収の圧」を読むのは似ている。
職場では、未定義が炎上を生む。
物語では、未回収が展開を生む。
どちらも、まだ処理されていないものが未来を動かす。
コードギアスに見る「未回収の圧」
たとえば、コードギアスを見ていると、ギャグ回や学園回が単なる休憩に見えないことがある。
咲世子がルルーシュの代行をして、勝手に女性関係のスケジュールを詰め込む。
ルルーシュが物理的に死にかける。
シャーリーがラブコメ空間に戻ってくる。
スザクの人間離れした身体能力が出る。
一見すると、完全にギャグである。
しかし、その直後に物語は一気に落としてくる。
シャーリーが記憶を取り戻す。
ルルーシュを責めるのではなく、受け入れようとする。
ルルーシュを人間側に戻せる存在になりかける。
だから危ない。
物語上、主人公を救える存在は、時に一番危険な場所に置かれる。
シャーリーは、ルルーシュを許せる可能性を持っていた。
ルルーシュが自分を悪として固定する流れに対して、人間として戻れる道を示していた。
そこを撃つな、という話である。
ロロの行動は、ルルーシュにとって許せない。
しかし、ロロもまた、普通の愛情を知らない存在だった。
弟という役割を与えられ、それにすがった。
だから地獄である。
ルルーシュ視点では許せない。
ロロ視点では初めての居場所。
視聴者視点ではシャーリーを返してほしい。
物語視点では、ロロもまた使われた存在。
この多重構造が、コードギアスの重さである。
構造読みは強みだが、疲れる
構造読みができる人は、現実でも物語でも予測精度が高い。
仕事では、炎上を先に防げる。
転職では、求人票の地雷を見抜ける。
人間関係では、後出しや責任転嫁の兆候を拾える。
物語では、展開のフラグを読める。
これは強い。
しかし、疲れる。
なぜなら、常に今だけではなく、次に起こることまで見ているからである。
普通の人が「今の会話」だけを見ている時に、構造読みが強い人は、未来の揉め方、責任の流れ、評価のされ方、次に来る感情の爆発まで見ている。
アニメを見ていても、ただ楽しむだけではなく、構造を読んでしまう。
幸せなシーンでも、「この後落とすのでは」と感じてしまう。
ギャグ回でも、「これはフラグでは」と見てしまう。
初見の驚きは少し減る。
しかし、別の楽しみが増える。
それは、物語の設計を見る楽しみである。
まとめ
「あ、これ後で問題になるな」が当たる人は、単に心配性なのではない。
見ているのは、未回収の圧である。
職場では、未定義の仕事。
求人では、曖昧な役割。
人間関係では、言語化されない不満。
物語では、回収されていない感情や伏線。
これらは、放っておくと未来を動かす。
構造読みが強い人は、その圧を早めに感知する。
だから、現実の炎上も、物語の展開も、少し先まで見える。
これは疲れる能力でもある。
しかし、きちんと使えば、かなり強い。
未来の炎上を読む力は、仕事では要件定義になる。
転職では企業選びになる。
物語では深い鑑賞になる。
人生では、自分を守るセンサーになる。
問題は、見えすぎることではない。
見えたものを、どう扱うかである。
