導入
食べ放題店は、ただ「食べ放題です」と言えば客が来るわけではない。
客は意外とシビアに見ている。
「3500円払う価値があるか」
「美味しそうか」
「肉が強そうか」
「デザートまで楽しめそうか」
「提供が遅くなさそうか」
「家族や友人と行っても成立しそうか」
このチェックに通らない店は、原価計算以前に来店されない。
つまり食べ放題店にとって一番大事なのは、店内に入った後の原価率だけではない。
客が入店前に“ここなら3500円払っていい”と思えるかである。
この記事では、客側の視点から「行きたい食べ放題店」のチェックリストを作る。
1. 美味しそうか
飲食店では、まず「美味しい」が絶対条件である。
これは食べ放題でも変わらない。
安くても、量があっても、種類が多くても、美味しそうに見えなければ行きたいとは思わない。
客は、店に行く前に写真で判断する。
- 肉の写真が美味しそうか
- 寿司が乾いて見えないか
- デザートが安っぽく見えないか
- 料理の色が良いか
- 盛り付けが雑すぎないか
- メニュー写真に「食べたい」と思える力があるか
食べ放題は原価率のゲームだが、客側の入口は写真である。
「美味しそう」は、来店前の最初の関門である。
2. 3500円払う理由があるか
客は原価を正確に計算しているわけではない。
それでも、心の中でこう判断している。
「3500円払って、今日は満たされそうか?」
この判断には、次の要素が関係する。
- 肉がある
- 寿司がある
- デザートがある
- 鍋やサイドがある
- 家で用意するより楽
- 子どもや家族で行ける
- 今日は少し贅沢していい
- 料理と片付けを外注できる
食べ放題で強い店は、客に「3500円の理由」を見せるのがうまい。
逆に、3500円なのに、
- メインが弱い
- 種類が少ない
- 写真が弱い
- 提供が遅そう
- 店内が安っぽい
- デザートがしょぼい
と思われると、客は来ない。
価格が高いこと自体が問題なのではない。
価格に対して、満たされそうな理由が見えないことが問題である。
3. 看板メニューがあるか
「なんでもあります」は、意外と弱い。
食べ放題で客を引くには、看板が必要である。
たとえば、
- 牛タン
- 熟成牛
- 国産牛
- 寿司
- 天ぷら
- 季節限定メニュー
- デザートビュッフェ
- チーズフェア
- しゃぶしゃぶのだし
- すき焼き
- 韓国フェア
- 子どもが喜ぶメニュー
など。
客は、無数のメニューを全部見て判断しているわけではない。
最初は「これ食べたい」で決める。
看板メニューは、客の意思決定を楽にする。
4. 種類で飽きなさそうか
食べ放題は、量だけではない。
種類の多さが重要である。
人間は同じ味を食べ続けると飽きる。
しかし、味や食感やジャンルが変わると、また食べられることがある。
だから食べ放題では、種類が価値になる。
チェックポイントは次の通り。
- 肉の種類があるか
- サイドがあるか
- 野菜があるか
- 米・麺があるか
- デザートがあるか
- タレが複数あるか
- 薬味があるか
- 甘いもの・しょっぱいものを切り替えられるか
種類がある店は、食べる量だけでなく、食べる楽しさを作れる。
食べ放題は、胃袋だけでなく口飽きとの戦いでもある。
5. 注文と提供がストレスなさそうか
食べ放題でかなり大事なのが、提供速度である。
時間制限がある以上、注文してから料理が来るまでが遅いと、客は損した気分になる。
「時間制限があるのに、料理が来ない」
これはかなり不満につながる。
客側が見ているポイントは、
- タブレット注文が分かりやすいか
- 注文してから届くまでが遅すぎないか
- 一度に頼める量が少なすぎないか
- ラストオーダーが分かりやすいか
- 店員を呼ばなくても注文できるか
- 空いた皿が片付くか
- テーブルが狭くならないか
食べ放題で提供が遅いと、客は「店が時間で削っている」と感じやすい。
実際には厨房や人手の問題でも、客の体験としては「損した」になる。
6. 店内が快適そうか
食べ放題は滞在時間が長い。
だから店内の快適さも重要である。
- 席が狭すぎないか
- テーブルが料理で溢れないか
- 店内が清潔か
- トイレが汚くないか
- 騒がしすぎないか
- 子ども連れでも行きやすいか
- 一人でも行きやすいか
- においや煙がきつすぎないか
- 服に匂いがつきすぎないか
美味しくても、空間がしんどいと再訪しにくい。
食べ放題は「長く座る外食」なので、快適さはかなり大事である。
7. 誰と行っても成立するか
食べ放題は複数人で行くことが多い。
だから、「同行者ガチャ」に強い店は行きやすい。
たとえば、
- 肉好きが満足できる
- 子どもが食べられる
- 野菜や軽めのメニューもある
- デザート好きも満足できる
- 辛いものが苦手でも大丈夫
- 食べる量が違う人同士でも行きやすい
- 高齢者でも食べやすいメニューがある
- 家族の好みが分かれても成立する
食べ放題は、同行者の好みの違いを吸収する力がある。
これも外食価値である。
8. 食後に「満足した」と思えそうか
食べ放題で一番大事なのは、食後の感想である。
食べ終わった時に、
「苦しいだけだった」
「思ったより食べられなかった」
「肉が微妙だった」
「提供が遅かった」
「デザートが弱かった」
「高かったな」
となると、再訪しにくい。
逆に、
「お腹いっぱいだけど満足した」
「いろいろ食べられた」
「デザートまで行けた」
「家で作るより楽だった」
「また来てもいい」
となると、客は勝った感覚になる。
食べ放題の本当の勝利条件は、原価ではない。
食後の満足感である。
客側チェックリスト
□ メイン料理が美味しそうか
□ 3500円払う理由があるか
□ 看板メニューがあるか
□ 肉・寿司・デザートなど種類に魅力があるか
□ 味変できるか
□ 注文がストレスなさそうか
□ 提供が遅くなさそうか
□ 店内が清潔で快適そうか
□ 子ども・家族・友人と行きやすいか
□ 食後に「満足した」と思えそうか
□ 写真・口コミから期待値が立つか
□ 「元を取る」ではなく「楽しめる」と思えるか
まとめ
食べ放題で客が行きたい店は、単に「安い店」ではない。
客が行きたいのは、
美味しそうで、種類があり、3500円払う理由があり、注文がストレスなく、食後に満足できそうな店
である。
飲食店では美味しいが絶対条件。
その上で、食べ放題では種類、体験、提供速度、空間、同行者対応、定額安心感が重要になる。
食べ放題は、客に「ここなら払っていい」と思わせるところから始まる。
