「Dotsって普通に賢くない? これ、Codexより賢くない?」
そう感じる場面はある。仕事を頼んだのに、AIが延々と注意点を調べ、質問を増やし、最後に成果物を残さない。人間は再説明と進捗管理で忙しくなる。作業を任せたはずが、AIの上司に就任していた。 給料は出ない。
ただし、使っていて賢く感じることと、基礎的な推論能力が高いことは分けて考えたい。
DotsはProだけ?
2026年10月11日時点の公式案内では、個人向けの対象はChatGPT Pro。Free・Go・Plusは今回の提供対象ではない。Proは月100米ドルからだ。
ただし完全なPro限定ではない。Business Premiumでも使え、Enterpriseなどは管理者が有効にすればベータ版を利用できる。開始時のPro提供地域から欧州経済領域・スイス・英国は除外。順次提供なので資格があってもすぐ表示されるとは限らない。
最初のDotは対象プランに含まれるが、深い作業には利用枠がある。作成はPCアプリかPCのWeb版からで、作成後は対応するスマホアプリでも話せる。
「賢い」の正体は、話の続きが分かること
DotsはGPT-6 Astraを使い、独自のクラウドPC、記憶、連携アプリ、定期タスクを使って会話の間も仕事を続けられる。
例えば「調べる→原稿を仕上げる→次回の修正を反映する」。毎回ゼロから経緯を話す必要が少なければ、それだけで話が早い。「昨日の件、どうなった?」が通じる担当者は、かなり頼もしい。
もちろん読心術ではない。権限、承認、作業ごとの文脈、完成品の確認は必要。それでも、一問一答ではなく仕事の完了を目指す設計が、賢さの体感につながる。
Codexが嫌われるとき、何が起きている?
ある利用体験では、文書の修正と保存を頼んだのに、確認事項や問題の洗い出しばかり増え、結局ファイルが完成しなかった。何度も説明し直せば、時間も利用枠も減る。
品質検査は必要。でも、検査会議は納品物じゃない。
これは特定の使い方での不満で、Codex全体の性能を測った統計ではない。モデル、設定、権限、仕事内容によって結果は変わる。
意外な結末:DotsはCodexに仕事を頼める
OpenAIのCodex紹介によれば、今のCodexはコードを書くだけでなく、アプリの操作、記憶、継続的な自動化にも対応する。コードの修正・テスト・レビューには専用の強みがある。
さらに公式Dotsガイドには、事前に設定したCodexクラウド環境へDotsから作業を出せると書かれている。つまり、両者は必ずしも対戦相手ではない。Dotsが全体の目的を見て、Codexが技術的な実作業を担う使い方もある。
AI同士で役割分担。人間はようやく「進捗どうですか係」を卒業できる……かもしれない。
IQの賞状より完成したファイル
公平に試すなら、同じ種類の仕事で①保存後に読み直せた成果物の数、②人間が指示を繰り返した回数、③完了までの時間と利用枠を比べればいい。
ものすごい回答を一回出しても、ファイルが残らなければ納品ゼロ。逆に、地味でも目的を理解して終わらせるAIは便利だ。
Dotsのほうが賢く感じられるのは不思議ではない。ただ、それだけでCodexより推論能力が高いと証明されたわけでもない。
AIに聞きたいのは「すごいでしょ?」ではなく、「できました。これが完成品です」なのだ。
