結論――5000体の繭と、宮殿前に集められた数百万人は別の段階にある
宮殿周辺にある白い木のような構造物には、人間を改造兵士へ変える繭が多数つるされている。作中では約5000体がすでに作られており、当初計画の一部にすぎない。後にハンター協会側が回収し、パリストンが管理する戦力として再登場する。
一方、最終日の大規模選別では、東ゴルドーの約500万人が宮殿前へ強制移動させられる。軍が列を作らせ、プフの鱗粉が群衆を催眠状態へ導く。催眠の目的は、疲労した民衆をその場へ固定し、目の前で選別が始まっても逃走や暴動を起こさせないことにある。
宮殿突入は、全国規模の選別本番が始まる直前に実行された。そのため、数百万人を一人ずつ殴って念を目覚めさせる場面はない。実際の終盤でも民間人は列に残り、未催眠だった後方の人々へプフが追加で鱗粉を撒いている。
整理すると次の通りである。
- 先行する地域的な選別・実験で、適格者を繭に入れ、約5000体の兵士を準備した。
- 全国から約500万人を宮殿へ集め、鱗粉と軍事命令で整列・催眠状態にした。
- 本番の大量選別と兵士化を始める直前、討伐隊が宮殿へ突入した。
- したがって群衆の大半は、選別済みの繭ではなく、選別待ちの民間人である。
パームはこの二群のどちらかへ単純に含めるべきではない。彼女は潜入中に捕らえられ、ピトーとプフによる改造兵士の実験対象となった。繭による変態・身体改造と精神支配を受ける点では5000体と近いが、すでに念能力を持つ強い個体を使った高度な試作例である。人格と記憶を保ち、最終的には支配を破った。
白い木は神秘的な生命の樹ではない。人間を素材として、念能力兵士を規格生産する工場である。そして宮殿前の静かな大群衆は、まだ加工前の原料として並べられていた。この無音の大量処理こそ、派手な戦闘より制度的に怖い。
