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人手不足のなかで、外国人採用を進める会社は増えている。それ自体は自然な流れだ。働き手を確保し、多様な人材を受け入れ、社内に新しい視点を入れる。うまく設計されれば大きな意味がある。
ただし、外国人採用には「採用したあと」のコストがある。住居の確認、生活ルールの説明、行政手続き、銀行口座、携帯電話、交通手段、通院、通訳、職場の安全教育、業務上の言葉の壁。場合によっては、免許や学校、引っ越し、地域生活の立ち上げまで関係する。
これらは単なる親切ではない。受け入れに必要な業務である。問題は、このコストが会社の制度として設計されず、現場社員の善意や休日対応に流れてしまうことだ。
「知り合いに聞いておいて」「日曜日に少し手伝って」「多言語対応していないから代わりに説明して」という形で、受け入れ支援が個人に降ってくる。すると現場は「なぜ会社の採用活動のために、自分が無償で生活支援をするのか」と感じる。
これは外国人本人への不満ではない。むしろ本人も困っている側である。本当の問題は、会社が採用の入口だけを見て、受け入れ後の運用を設計していないことだ。
外国人採用を進めるなら、支援範囲を明確にする必要がある。生活支援をどこまで会社が行うのか。外部サービスを使うのか。通訳は誰が担うのか。緊急時の窓口はどこか。現場社員が手伝う場合、それは業務時間なのか。
ここを曖昧にすると、外国人採用は「多様性」ではなく「現場の追加負担」として届く。そして不満が、本来向かうべき会社の設計不足ではなく、外国人社員本人に向かう危険がある。
採用とは、入社させることだけではない。入社後に働ける状態を作ることまで含まれる。外国人採用を成功させるには、善意ではなく仕組みが必要だ。
