家庭用血圧計4,000円超え問題
医師から「家で血圧を測って、記録してください」と言われた。
そこで血圧計を買いに行く。
価格を見る。
4,000円を超えている。
高い。
数百円の健康グッズではないことは分かる。
しかし、こちらの感覚としては、病院で「測ってください」と言われたものなので、もう少し医療保険側へ寄っていてほしい。
ところが、家庭用血圧計は通常、自分で家電量販店や薬局、通販で購入する。
病院の売店で三割負担になるわけではない。
完全に自腹である。
ただの家電ではなく、管理医療機器
家庭用の自動電子血圧計は、法的には単なる健康雑貨ではない。
PMDAの情報では、自動電子血圧計はクラスIIの管理医療機器に分類される。
実際の上腕式血圧計の添付文書にも、
管理医療機器
自動電子血圧計
健康管理のために収縮期血圧及び拡張期血圧を非観血的に測定する
と記載されている。
つまり、商品棚では家電量販店に置かれているが、制度上はちゃんと医療機器である。
この中間ポジションが面白い。
使用目的:医療・健康管理
分類:管理医療機器
購入場所:ヤマダ電機
支払い:全額自腹
「医療行為です」と言いたくなる。
医療機器だから、安い雑貨より高くなる
管理医療機器として販売するには、一定の性能と安全性が求められる。
代表的な上腕式血圧計の添付文書では、臨床性能試験による誤差、圧力表示誤差、測定再現性などが示されている。
単に腕を締めて数字を表示するだけの機械ではない。
医療機器として認証を取り、測定精度を確保し、カフ、圧力センサー、制御、表示、耐久性などを作る。
そのため、4,000円前後は機器として異常に高価というわけではない。
むしろ医療計測機器としては安い部類とも言える。
しかし、急に買う側の28歳からすれば高い。
これまで必要だと思ったことがない道具へ、その日に4,000円以上払う。
体感としては十分に高い。
「じじい負担料金」が欲しくなる
血圧計のイメージは、どうしても高齢者寄りである。
朝起きて測る。
夜寝る前に測る。
血圧手帳へ書く。
脈拍も残す。
症状や食事も記録する。
28歳が始めると、一気に生活へ老人ホームの健康管理感が出る。
そこで思う。
せめて、じじいばばあ向けの負担率を全年齢へ適用してほしい。
もちろん、実際には年齢を理由に血圧計が安くなる全国共通制度があるわけではない。
医師に家庭測定を勧められたからといって、一般的な家庭用血圧計がそのまま保険給付されるわけでもない。
一部の自治体に独自補助がある可能性はあるが、全国共通ではない。
だから、普通は自分で買う。
本体価格より、使い方が重要
高いと思って買った以上、適当に使うと一番もったいない。
家庭血圧の記録用途では、一般に手首式より上腕式が推奨されることが多い。
測定条件も揃える。
- 朝は起床後1時間以内
- 排尿後
- 朝食やカフェインの前
- 夜は就寝前
- 座って少し安静にする
- カフの位置を毎回揃える
- 測った値をすべて記録する
- 脈拍と症状も残す
気になって何度も測り続けるのではなく、医師から言われた回数と期間を基本にする。
記録例はこれで十分だ。
7/14 朝
1回目 128/78 脈拍72
2回目 126/77 脈拍70
症状:なし
前日:外食、睡眠6時間
7/14 夜
1回目 ___/___ 脈拍___
2回目 ___/___ 脈拍___
症状:
これなら、4,000円の機械が単なる不安増幅装置ではなく、医師が判断するためのデータ収集機になる。
家電量販店で買う医療機器
家庭用血圧計は、制度上は医療機器である。
しかし、購入体験は完全に家電である。
オムロン、シチズン、テルモなどが並び、価格、記録人数、スマートフォン連携、カフの巻きやすさを比較する。
店員へ、
家庭血圧の記録に使う上腕式で、安めのものをください
と言えばよい。
医師の診察室とヤマダ電機の健康家電コーナーが、一本の運用フローでつながっている。
これは少し面白い。
4,000円の期間限定ログ監査装置
血圧計を買った瞬間は、「こんなじじいばばあみたいな計測をするとは」と思う。
しかし、現時点で一生測り続けると決まったわけではない。
まずは一定期間、条件を揃えて測る。
それによって、
- 本当に高血圧が続いているのか
- 一時的な上昇だったのか
- 職場で上がるのか
- 休日は下がるのか
- 食事や睡眠と関係があるのか
を確認する。
4,000円を超える血圧計は、老人認定証ではない。
身体の状態を、本人の「たぶん平気」ではなく数値で監査する装置である。
それでも、管理医療機器なら少しは安くしてほしい。
