有給を申請したときに、
「なんで取るの?」
「何に使うの?」
「忙しいの分かってる?」
「俺も忙しいんだけど」
「権利ばっかり主張するな」
「成果も出してないのに休むの?」
みたいなことを言ってくる上司がいる。
こういう言葉を浴びると、休む側は一瞬止まる。
「やっぱり休まない方がいいのかな」
「理由を説明しないといけないのかな」
「嫌われるかな」
「評価下がるかな」
「自分が悪いのかな」
でも、ここで一回、冷静に分けた方がいい。
休む理由を責めるだけなら、法律や仕事の具体的な説明より、気持ちに圧をかける言い方になっている。上司の内心まで、この言葉だけで決めつける必要はない。
たとえば、上司本人も忙しく、仕事や人員の調整に余裕がない場合はある。
でも、その事情と、休暇の取得を「わがまま」「迷惑」「成果不足」と責めることは別である。
具体的な調整をせず、休む人だけに責任を負わせるなら、責任転嫁になってしまう。
本来、部下が有給を取ることで現場が回らないなら、考えるべきことは、
- 人員配置
- 業務量
- 引き継ぎ
- 優先順位
- 管理職側の調整
- 一人だけに仕事を集中させないこと
であって、
休む人の人格攻撃ではない。
「俺も忙しいんだよ」と言われても、
それは上司の状態説明であって、有給を無効にする魔法の呪文ではない。
「成果を出してから権利を主張しろ」と言われても、
労働者の権利は、上司の評価ポイント交換券ではない。
日本の年次有給休暇は、一定の条件を満たした働く人に発生する権利である。成果へのご褒美ではない。原則は働く人が指定した日の取得だが、事業の正常な運営を妨げる場合には、会社が休む日を変更できる。
必要な手続きや引き継ぎは確かめ、変更が必要と言われたら、具体的にどの仕事に支障があるのか確認する。
だから、そういう上司の言葉は、まともに全弾受けなくていい。
嫌味で休む人を思いとどまらせる言い方を、ここでは
猿の口車
と呼ぶ。
相手の口車に乗って、自分の体調や自由を差し出す必要はない。
