この記事の結論
AIに自分のログを残すことは、かなり有効なキャリア教育になる。
仕事の違和感、得意なこと、苦手な環境、しんどかった場面、うまくいった場面を記録しておく。
そしてAIに整理させる。
すると、自分の強み、弱み、向いている仕事、避けるべき職場、頑張っていい苦労、逃げた方がいい苦労が見えやすくなる。
ただし、注意点がある。
AIにも、自分自身にも、偏りがある。
だから、AIに頼む時は、こう言った方がいい。
フラットに見てください。
自分の意見に寄りすぎず、反対側の見方も出してください。
自分の認知の偏りがありそうなら修正してください。
過激な結論ではなく、現実的な選択肢に分けてください。
AIは味方にしすぎると、ただの共感装置になる。
でも、使い方を工夫すれば、会社にも転職サービスにも寄らない第三のキャリア相談相手になる。
なぜAIログが有効なのか
多くの人は、自分の仕事の向き不向きを記録していない。
嫌だったことも、うまくいったことも、その場で流れていく。
すると、転職や進路選択の時に、
- なんとなく合わない
- なんとなくしんどい
- なんとなく辞めたい
- なんとなく向いている気がする
で止まってしまう。
でも、日々のログを残しておくと、自分のパターンが見える。
たとえば、
- どんな時に疲れるか
- どんな仕事なら集中できるか
- どんな上司だと削られるか
- どんな役割だと強みが出るか
- どんな環境だと逃げたくなるか
- どんな成果が出せたか
- どんな苦労は報われたか
- どんな苦労はただ消耗だったか
これが積み上がる。
AIは、このログを整理するのが得意である。
AIに記録したい内容
AIに残すと役立つログは、次のようなものだ。
仕事ログ
- 今日やった仕事
- うまくいったこと
- しんどかったこと
- 何に時間を取られたか
- 誰とのやり取りで疲れたか
- 何が未定義だったか
- どんな指示が分かりにくかったか
- 自分が改善したこと
- 自分の強みが出た場面
感情ログ
- 何に怒ったか
- 何に不安を感じたか
- 何が嫌だったか
- 何に安心したか
- 何が楽しかったか
- 何なら続けられそうか
キャリアログ
- 応募した求人
- 気になった求人
- 違和感があった求人
- 面接で聞かれたこと
- 自分が惹かれた仕事内容
- 自分が避けたい条件
- 給与、働き方、裁量、リモート可否などの条件
人生ログ
- どう生きたいか
- 何を背負いたくないか
- どんな人と一緒にいたいか
- どんな苦労なら引き受けられるか
- どんな苦労は避けたいか
- 自分がいなくても回したい仕組みは何か
AIに頼む時のプロンプト
AIを使う時は、ただ「慰めて」だけではなく、整理を頼むとよい。
たとえば、こう頼む。
以下のログをもとに、私の強み・苦手な環境・向いている仕事・避けた方がいい働き方を整理してください。
ただし、私の意見に寄りすぎず、フラットに見てください。
私の認知の偏りや、被害的に見すぎている可能性、逆に我慢しすぎている可能性があれば指摘してください。
過激な結論ではなく、残る・改善する・相談する・転職する・休むなど、現実的な選択肢に分けてください。
これはかなり重要である。
AIは、ユーザーに寄り添いすぎることがある。
自分が怒っている時に使うと、AIも一緒に怒ってくれることがある。
それは気持ちいい。
でも、判断には危ないこともある。
だから、最初に「フラットに見て」と頼む。
AIは、認知の修正にも使える
AIは、自分の認知の偏りを修正する相手としても使える。
たとえば、次のように聞く。
私は今、この職場をかなり悪く見ています。
ただ、自分の認知が偏っている可能性もあります。
フラットに見て、会社側にも合理的な事情がありそうな点、自分が改善できる点、それでも環境側の問題と言えそうな点を分けてください。
または、
私はこの求人にかなり惹かれています。
ただ、良い面だけ見ている可能性があります。
この求人の魅力、リスク、確認すべき質問、避けた方がいいサインを分けてください。
こう使うと、AIはただの共感相手ではなく、思考の補正装置になる。
AIログは、会社にも転職サービスにも寄らない
会社は、会社に都合のいい教育をしやすい。
転職サービスは、転職に向かう教育をしやすい。
どちらも悪ではない。
でも、どちらも中立ではない。
AIログは、その間にある第三の視点になりうる。
自分のログをもとに、
- 今の職場に残るべきか
- 何を改善すべきか
- 転職するならどの条件か
- どの業界や職種が向いているか
- どんな求人は避けるべきか
- 自分が何に削られるか
- どんな苦労なら報われるか
を整理できる。
もちろん、AIも万能ではない。
事実確認は必要だ。
労働法や制度、求人情報、健康に関する情報は、公式情報や専門家にも確認した方がいい。
でも、日々の自己理解ログとしてはかなり強い。
AIに任せるべきではないこと
AIは便利だが、全部を任せるべきではない。
次のようなことは注意した方がいい。
- 労働法の最終判断
- 医療・メンタル不調の診断
- 退職や転職の最終決定
- 契約書の法的判断
- 会社への強い交渉文の作成
- 感情が強い時の即断
AIは、考える材料を整理する道具である。
最終判断は、自分の状況、専門家、信頼できる人、公式情報を合わせて行うべきだ。
AIログのおすすめ運用
おすすめは、次のような運用である。
1. 日々の違和感を短く残す
長文でなくていい。
- 今日しんどかったこと
- 違和感があったこと
- うまくいったこと
- 自分の強みが出たこと
- 消耗した相手や状況
これだけでも十分。
2. 週に1回、AIにまとめさせる
今週のログをもとに、私が消耗した原因、強みが出た場面、改善できること、環境側の問題を分けてください。
3. 月に1回、キャリア軸に落とす
この1か月のログをもとに、私に向いている仕事条件、避けるべき職場条件、次に試すべき行動を整理してください。
4. 重要判断の前に、反対意見も出させる
私はこの判断をしようとしています。
賛成理由、反対理由、確認不足の点、感情で判断していそうな点を分けてください。
まとめ
AIに自分のログを残すことは、現代のキャリア教育としてかなり使える。
特に、学校でも会社でも教えてくれない「自分の強み」「嫌な環境」「報われる苦労」「逃げるべき苦労」を整理するのに役立つ。
ただし、AIにも自分にも偏りがある。
だから、AIにはこう頼むのがよい。
フラットに見てください。
自分に寄りすぎず、反対側の見方も出してください。
認知の偏りがあれば修正してください。
過激な結論ではなく、現実的な選択肢に分けてください。
AIは、ただ慰めてもらうだけの道具ではない。
自分の人生を観測し、整理し、修正し、選び直すための道具にもなる。
会社に飲まれない。
転職ビジネスにも流されない。
自分のログをもとに、自分の人生を選ぶ。
そのためにAIを使うのは、かなり現代的な自己防衛だと思う。
