「汁物・野菜・肉・寿司を回す」に根拠はあるのか
食べ放題で、
最初から肉・寿司を飛ばしすぎず、汁物・野菜・肉・寿司を回しながら楽しむ
という食べ方があります。
これはかなり実践的です。
でも、ここで大事なのは、研究の根拠と実践の知恵を分けることです。
研究で直接、
食べ放題では汁物・野菜・肉・寿司を順番に回すと良い
と示されているわけではありません。
これは、厳密な研究結果というより、複数の知見を組み合わせた実践ルールです。
野菜から食べる効果は、主に血糖寄り
野菜から食べるとよい、という話はよくあります。
これは主に、食後血糖やインスリン反応の話です。
野菜を先に食べ、炭水化物を最後にする食べ順は、食後血糖やインスリンを抑える方向の研究があります。
ただし、これは主に血糖コントロールの話です。
食べ放題でたくさん食べられるかどうかとは別問題です。
食べ放題の序盤に野菜を大量に入れれば、単純に胃の容量を使います。
つまり、
- 血糖対策として野菜先行は意味がある可能性
- 食べ放題で量を食べたいなら、野菜大量先行は不利になり得る
ということです。
汁物を最初に大量に入れると、総量は減りやすい
スープを食前に摂ると、その後の食事量が減る研究があります。
食前スープは満腹感を高め、食事全体の摂取量を減らす方向に働きます。
これはダイエットにはよいかもしれません。
しかし、食べ放題でたくさん食べたい人にとっては、逆効果になる可能性があります。
つまり、
汁物を最初に大量に飲むのは、食べ放題では罠です。
ただし、少量なら悪くありません。
温かい汁物を少し入れると、食事開始のリズムを作りやすい。
胃腸を起こす感じもあります。
だから、汁物は「大量に先に飲む」ではなく、「少量で胃を立ち上げる」くらいがよいです。
ゆっくり食べると摂取量は減りやすい
食べるスピードについても研究があります。
遅い食事速度は、速い食事速度より摂取エネルギーが低い傾向があるとするレビューがあります。
つまり、ゆっくり食べると、食事量は減りやすい可能性があります。
これはダイエットにはよいです。
でも、食べ放題で最大量を食べたいなら、ゆっくりすぎるのは不利かもしれません。
ただし、早食いしすぎると、後から一気に苦しくなります。
満腹信号が遅れて来るからです。
だから現実的には、
早食いしすぎず、でもダラダラしすぎない
がよいです。
「回しながら食べる」根拠に近いのは感覚特異的満腹感
食べ放題で「回す」根拠に一番近いのは、感覚特異的満腹感です。
同じ食品を食べ続けると、その食品への好ましさが下がります。
一方で、まだ食べていない味や食感のものには魅力が残ります。
これが、感覚特異的満腹感です。
たとえば、
肉だけ食べ続ける。
寿司だけ食べ続ける。
揚げ物だけ食べ続ける。
甘いものだけ食べ続ける。
こうすると、早めに飽きます。
一方で、
肉。
野菜。
寿司。
温かい汁物少し。
別の味の肉。
別の寿司。
さっぱりしたもの。
また肉。
と回すと、味覚が切り替わります。
これが、最後まで楽しむために有効です。
食べ物のバリエーションは摂取量に影響する
食べ物の種類が多いと、摂取量が増えやすいことも知られています。
味、色、食感、温度、香りが変わると、飽きにくい。
これは食べ放題そのものが強い理由でもあります。
食べ放題は、同じ量でも、種類が多いから食べられてしまう。
寿司、肉、野菜、揚げ物、デザート、汁物、麺。
これらが並ぶと、感覚が切り替わるので、食べ続けやすい。
つまり、食べ放題で回す食べ方は、研究で直接証明された必勝法ではないものの、感覚特異的満腹感や食事バリエーションの考え方とは相性がよいです。
実践ルール
序盤
汁物を少し。
野菜も少し。
目的は胃を起こすことです。
ここで大量に入れない。
前半
主役を食べる。
寿司。
肉。
しゃぶしゃぶ。
その店で食べたいもの。
ここで遠慮しすぎない。
中盤
同じ味に飽きる前に、味を切り替える。
肉だけ連打しない。
寿司だけ連打しない。
汁物を少し。
野菜を少し。
違うタレにする。
別の部位にする。
これは味覚リセットです。
終盤
まだ食べたいものだけ選ぶ。
惰性で米や汁物を入れない。
「元を取る」より、「最後まで美味しい」を優先する。
食べ放題は最大摂取量より満足度
食べ放題でありがちな失敗は、最大摂取量を狙いすぎることです。
早食いする。
重いものを詰め込む。
同じ味を連打する。
後半で苦しくなる。
最後は気持ち悪い。
これでは、食べ放題の満足度が下がります。
本当に狙うべきは、限界突破ではありません。
最後まで美味しく食べることです。
そのためには、
- 直前に追い込まない
- 汁物・野菜を大量に先行しない
- 主役を早めに食べる
- 味を回す
- 早食いしすぎない
- 飽きる前に切り替える
- 終盤は惰性で入れない
ことが大事です。
まとめ
「汁物・野菜・肉・寿司を回す」に直接の必勝研究があるわけではありません。
ただし、根拠に近いものはあります。
- 野菜先行は血糖・インスリン反応寄り
- スープ先行は摂取量を減らしやすい
- ゆっくり食べると摂取量が減りやすい
- 同じ味を食べ続けると感覚特異的満腹感で飽きる
- 食べ物のバリエーションは摂取量や満足感に影響する
だから、食べ放題では、
最初に少量で胃を起こす。
主役を食べる。
同じ味に飽きる前に回す。
終盤は美味しいものだけ選ぶ。
これが現実的です。
食べ放題は、胃袋の限界試験ではありません。
最後まで美味しく食べるゲームです。
