FF6ピクセルリマスターを進めていると、崩壊後の世界はかなり面白い。
仲間を集める。
魔石を探す。
装備を整える。
寄り道ダンジョンを攻略する。
昔分からなかった場所に行ける。
小学生の頃に詰んだ地点を、今度はネットと知識で越えていく。
かなり楽しい。
ただ、同時に思う。
これは攻略なしの初見キッズには重すぎる。
とくに崩壊後は、知っていれば面白い。
でも知らないと存在しないのと同じ要素が多すぎる。
狂信者の塔、セーブポイントなしは普通にきつい
狂信者の塔は、かなり癖の強いダンジョンである。
基本的に「魔法」「アイテム」「ものまね」などしか使えない。
通常のコマンドで殴って進む場所ではない。
雑魚敵も魔法レベル系でだるい。
上まで登ったあと、最上階でソウルオブサマサを取る。
部屋を出るとマジックマスター戦になる。
そしてマジックマスターは、死に際にアルテマを撃つ。
問題は、ここまで長いのにセーブポイントがないことだ。
これはかなり厳しい。
ただでさえ特殊ルールの塔なのに、最上階のボスで死に際アルテマ。
リレイズを知らない、あるいは覚えていない状態で行くと、最後に全滅して登り直しになる。
これは普通にだるい。
攻略情報では、マジックマスター戦はリレイズやリフレクトリングを使う方法が定番として紹介されている。リレイズがあれば、死に際のアルテマを受けても復帰できる。リフレクトリングを全員に付けて、相手の魔法を反射させる攻略もある。
つまり、狂信者の塔は「強ければ行ける」というより、「事前に知っているか」がかなり大きい。
ここが攻略本時代っぽい。
ストラゴス解放もリルム必須で、知らないと分からない
崩壊後のストラゴスは、狂信者の塔の入口にいる。
しかし、ただ行くだけでは戻らない。
リルムをパーティに入れて行く必要がある。
物語としては良い。
狂信者に混じってしまったおじいちゃんを、孫娘が連れ戻す。
これはかなり自然だし、キャラクターイベントとしては美しい。
でもゲーム導線としては、知らないと難しい。
リルムを仲間にする。
リルムをパーティに入れる。
狂信者の塔へ行く。
入口でストラゴスが戻る。
この流れを知らないと、昔のプレイヤーは「おじいちゃん解放できない」となりやすい。
しかも狂信者の塔自体が怖い。
セーブポイントもない。
奥まで行くとマジックマスターがいる。
だから、入口だけで帰ればいいと分かっていないと、なおさら警戒する。
FF6崩壊後は、こういう「知っていれば自然、知らないと詰まる」イベントが多い。
フェニックスが強すぎる
崩壊後に重要になる魔石のひとつがフェニックスである。
フェニックスは、レイズ、アレイズ、リレイズ、ケアルガ、ファイガを覚えられる。
特に大きいのは、リレイズとアレイズとケアルガである。
狂信者の塔に行くなら、リレイズがほしい。
終盤の事故対策にはアレイズがほしい。
回復役にはケアルガがほしい。
つまり、フェニックスは終盤の安全装置みたいな魔石である。
FF6の終盤は火力も大事だが、事故防止もかなり大事になる。
ケフカよりも、コロシアムや狂信者の塔の方が理不尽に感じる場面もある。
そういう意味では、フェニックスは「強い」というより、終盤の不親切さを受け止める保険に近い。
フェニックスを取った時点で、かなり昔の自分を超えた感がある。
小学生の頃は、そもそもどの魔石で何を覚えるのかも分からなかった。
今は、必要魔法から逆算して魔石を取りに行ける。
これはもう別ゲーである。
ラグナロックとアルテマ2連発マン
アルテマを覚えるなら、ラグナロックが重要になる。
崩壊後のナルシェで、ロックを連れて武器屋に行く。
地下の老人に会う。
そこで、魔石ラグナロックか武器ラグナロクを選ぶ。
この時点でまた隠し要素感が強い。
ロックが必要。
ナルシェの武器屋地下に行く。
老人に話す。
魔石か武器の二択。
知らないと分からない。
ただ、魔石ラグナロックを取ればアルテマを覚えられる。
そして狂信者の塔でソウルオブサマサを取れば、連続魔が使える。
つまり最終的には、
アルテマ。
もう一回アルテマ。
これができる。
さらにスリースターズやクイックまで絡めると、終盤の魔法火力はかなり壊れる。
ここまで来ると、ケフカが弱いと言われる理由も分かる。
ケフカ本人が弱いというより、ケフカに行く前にプレイヤーが強くなりすぎる。
仲間を集め、魔石を集め、コロシアムで装備を作り、狂信者の塔で連続魔を取り、アルテマを覚える。
それはもう、神に挑む反乱軍ではなく、攻略情報で完成した討伐隊である。
ミラクルシューズがほぼエルメスの上位互換
終盤装備では、ミラクルシューズもかなり強い。
常時ヘイスト。
常時プロテス。
常時シェル。
常時リジェネ。
エルメスの靴がヘイストだけなら、ミラクルシューズはかなり上位互換に近い。
もちろん、アクセ枠の都合や組み合わせはある。
でも、ヘイストだけでなく防御補助と回復まで付くのはかなり強い。
狂信者の塔でも、常時シェルやリジェネはありがたい。
ただし、マジックマスターの死に際アルテマを完全に解決するわけではない。
そこはやはりリレイズが安全である。
つまり、ミラクルシューズは強力な防衛アクセ。
でも狂信者の塔の核心対策はフェニックスのリレイズ。
FF6終盤は、こちらもだんだんインチキを使い始める。
ケフカだけが神の力を使うのではない。
こちらもアクセと魔石でだいぶやっている。
クイックのライディーンもまた隠し要素
クイックを覚えるには、ライディーンが必要になる。
ライディーンは、古代城でオーディンを変化させて手に入れる。
女王の像を調べることで、オーディンがライディーンになる。
また隠し要素である。
古代城。
隠し部屋。
女王の像。
オーディンが変化。
しかも戻せない。
この手の要素が崩壊後に多すぎる。
シャドウは魔大陸で待たないと死ぬ。
カイエンは手紙、鳩、ゾゾ、サビトレール、ゾゾ山。
ストラゴスはリルム必須。
ラグナロックはロックを連れてナルシェ武器屋地下。
ライディーンは古代城の隠し要素。
ゴゴはゾーンイーターに吸われる。
ウーマロは雪男の洞窟。
コロシアムは交換ルートを知らないと分からない。
これは攻略本なし小学生にはかなり厳しい。
4・5より分かりにくい理由
FF4やFF5も、もちろん昔のゲームなので不親切な部分はある。
でも、FF4は比較的一本道である。
FF5はジョブシステムが中心で、進行自体はまだ分かりやすい。
一方、FF6崩壊後はかなり違う。
飛空艇を取る。
あとは世界中を自由に回る。
仲間も任意。
魔石も任意。
寄り道も任意。
ケフカの塔にも行ける。
この自由度は面白い。
しかし、同時に迷子になりやすい。
「次にどこへ行くか」が分からない。
「誰を仲間にできるか」が分からない。
「どの魔石がどこにあるか」が分からない。
「今ケフカの塔に行っていいのか」が分からない。
だから小学生の頃に、仲間が少ないままケフカの塔に突っ込んで詰むのはかなり自然である。
それは下手だったからではない。
情報がなかったからである。
攻略本前提のゲームは減った
今では、こういうゲームはかなり減ったと思う。
もちろん、説明しすぎないゲームは今もある。
フロム系やメトロイドヴァニア、インディーゲームなど、探索と発見を重視するゲームはある。
でも、今のゲームは多くの場合、
クエストログがある。
マーカーがある。
後から回収できる。
取り返しがつく。
見落としてもクリアはできる。
重要要素は見落としにくい。
こういう方向に寄っている。
現代では、初見で何も分からずにさまようコストが高い。
レビューにもなる。
離脱にもなる。
プレイ時間の奪い合いもある。
アクセシビリティやUXも重視される。
だから、FF6崩壊後のような「攻略本・口コミ込みで完成するゲーム」は、かなり時代性がある。
調べれば面白い。
でもゼロから見ると重い。
この感覚がかなり大きい。
恐竜がメテオを撃つのおかしくないか
そして、崩壊後の謎要素として忘れてはいけないのが恐竜である。
恐竜の森。
ティラノサウルス。
ブラキオレイドス。
経験値がうまい。
めちゃくちゃ強い。
ガウが覚えるとメテオを撃つ。
ここで思う。
なんでティラノサウルスがメテオを撃つのか。
普通、ティラノサウルスといえば噛みつきである。
踏みつけである。
しっぽである。
咆哮である。
でもFF6のティラノサウルスはメテオを撃つ。
お前が隕石を呼ぶのか。
お前がメテオ担当なのか。
恐竜なのに古代魔導竜みたいなことをしてくる。
しかも、そもそもどこから湧いたのかもよく分からない。
世界崩壊後、北の森に急に恐竜がいる。
高経験値で、強くて、メテオを撃つ。
これはもう、ケフカが世界を壊した影響で、地層から恐竜と隕石魔法がセットで湧いたと思うしかない。
ガウは敵の技をインストールする歩くMOD
ガウの「あばれる」は、知っているとかなり強い。
ストレイキャットのネコキック。
マジックポットのケアルガ。
ティラノサウルスのメテオ。
イオのフレアスター。
ロフレシュメドウのゆうわく。
ただし、これも知らないと分からない。
どの敵がどの技を持っているのか。
獣ヶ原でどう覚えるのか。
どの技が強いのか。
メテオとフレアスターのどちらがよいのか。
このあたりは、攻略情報なしだとかなり重い。
でも分かると、ガウはかなり面白い。
ガウは野生児というより、敵の壊れ技をインストールしてくる歩くMODである。
敵の強い技を獣ヶ原で拾い、味方側の戦力に変換する。
これもまた、FF6らしい濃さである。
調べると面白い。でも知らないと存在しない
FF6崩壊後の魅力は、世界にいろいろ隠れていることだ。
仲間が隠れている。
魔石が隠れている。
装備が隠れている。
強い技が隠れている。
イベントが隠れている。
調べながら遊ぶと、どんどん世界を回収していく感じがある。
昔分からなかったものが、今になってつながっていく。
それはかなり楽しい。
でも同時に、知らないと存在しないのと同じものが多い。
サビトレールを知らなければゾゾ山に行けない。
リルム必須を知らなければストラゴスが戻らない。
魔大陸で待つことを知らなければシャドウは死ぬ。
ラグナロックの場所を知らなければアルテマ習得が遠い。
ライディーンの隠し要素を知らなければクイックも分からない。
恐竜の森を知らなければガウのメテオも分からない。
これが攻略本時代のゲームである。
知っていれば面白い。
知らなければ重い。
FF6崩壊後は、その両方を持っている。
小学生の頃を超えたということ
小学生の頃、仲間が見つからず、シャドウを死なせ、ケフカの塔に突っ込んで詰んだとしても、それはかなり自然である。
情報がなかった。
導線が薄かった。
攻略本や友達の口コミがなければ、見えない要素が多すぎた。
今は違う。
ネットで調べられる。
魔石から魔法を逆算できる。
リレイズが必要だと分かる。
ラグナロックの場所も分かる。
ライディーンも分かる。
ストラゴスの戻し方も分かる。
恐竜メテオの意味不明さにも突っ込める。
これはもう、小学生の頃を超えている。
昔はケフカの塔に突っ込んで詰んだ。
今はケフカを倒す前に、攻略情報と魔石と装備で世界を回収している。
ケフカは世界を壊した。
でも現代のプレイヤーは、ネットと記憶とツッコミで、その世界を回収し直している。
FF6崩壊後は、攻略本時代の名作である。
不親切で、重くて、分かりにくい。
でも、分かるとかなり面白い。
だから今やると、昔の未クリアデータを成仏させている感じがある。
