FF6ピクセルリマスターを大人になって遊ぶと、ケフカより強い敵が見えてくる

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FF6を大人になってピクセルリマスターで遊び直すと、昔とは違うものが見えてくる。

子どもの頃は、魔大陸がラスダンに見えた。
そのあと世界が崩壊して、飛空艇を取って、でかい塔が見えたら「これがラスボスの場所だ」と思って突っ込んだ。
そして、ケフカの塔で3パーティに分けられて、仲間も魔法も装備も足りなくて詰んだ。

今ならわかる。

あれはプレイヤーが下手だったのではない。
情報がなかった。
ネットがなかった。
攻略本がなければ、仲間の回収場所も、コロシアムの存在も、マッシュのコマンドも、シャドウ生存条件も、ケフカの塔の3パーティ制も、かなり見落としやすい。

つまり、子どもの頃に強かったのはケフカではない。

最大の敵は、情報不足だった。

そしてピクセルリマスター版を遊ぶと、さらに別の敵も見えてくる。

オペラの花束QTE。
暗転してムービーだと思ったら、まだ操作が必要な罠。
セッツァーのスロットで味方全滅。
後衛からインチキ技を撃つゲームバランス。
魔石を装備して父親や幻獣の力を育成素材にする、地味にえぐいシステム。

FF6は名作である。
でも、大人になって遊び直すと、名作の中にある「草」と「罠」と「えぐさ」も、かなり見える。

この記事では、FF6ピクセルリマスターを遊び直して見えてきた、ケフカより強い敵たちを整理する。


1. FF6は前衛で殴るゲームに見えて、実際は後衛インチキゲーム

FF6は、見た目だけならかなり王道RPGに見える。

ロックは盗賊。
カイエンは侍。
マッシュは格闘家。
エドガーは王様で機械使い。
セリスは魔導戦士。
シャドウは忍者。
ガウは野生児。

いかにも、前衛で武器を持って殴り合うゲームに見える。

でも、実際に強い動きを整理すると、かなり違う。

  • エドガーは後衛から機械
  • マッシュは後衛から必殺技
  • シャドウは後衛から「なげる」
  • セリスとティナは後衛から魔法
  • ストラゴスとリルムも後衛魔法役
  • ガウは「あばれる」で勝手に敵を壊す
  • セッツァーも後衛から魔法・アイテム・後半はダイス系

つまり、FF6はかなりの後衛ゲームである。

前衛に置く意味が強いのは、カイエン、ロック、ガウの物理型、ウーマロあたり。
それ以外は、だいたい後ろに下げても仕事をする。

特にマッシュがひどい。

見た目は完全に筋肉格闘家なのに、オーラキャノン、鳳凰の舞、真空波、夢幻闘舞は魔力寄りの運用が強い。
アクセサリーも、巨人の小手ではなくイヤリング。
魔石も、力が上がるビスマルクではなく魔力が上がるマディン。

つまり、実態はこうである。

見た目:筋肉格闘家
育成:魔力
アクセ:イヤリング
隊列:後衛
行動:鳳凰の舞、真空波

もう、拳で魔法を唱える男である。


2. ガウのネコキックと、セッツァーのスロットの温度差

ガウは、最初はよくわからない。

「あばれる」?
「とびこむ」?
獣ヶ原?
敵の技を覚える?

子どもの頃に説明なしで使いこなすのは、わりと難しい。

でも、ストレイキャットを覚えた瞬間に評価が変わる。

ネコキックがえぐい。

序盤から単体高火力を出せる。
アクセサリーを物理寄せにして、前衛でストレイキャットを暴れさせると、敵が普通に壊れる。

一方で、セッツァーは逆である。

加入直後はギャンブラーとしてスロットを回したくなる。
でもスロットには、味方を全滅させる悪い結果がある。

セッツァーのガチャで全滅すると、思う。

最大の敵は味方なんやね。

そこから学ぶべき結論はシンプルである。

セッツァーはギャンブラー。
でもプレイヤーはギャンブルしない。

スロットは封印。
後衛に置く。
エルメスの靴+イヤリングなどで魔法・アイテム係にする。
後半でダイス系が来たら、そちらを使う。

ギャンブラーなのに、安定運用が正解。
これもまたFF6である。


3. 魔列車は怖いのに、冷静に見ると安全設計が終わっている

魔列車は、子どもの頃に見ると普通に怖い。

死者を運ぶ列車。
幽霊の森。
逃げられない車内。
そして、ドマで死んだカイエンの妻子が本当に乗っていく。

ここは名シーンである。

ただし、大人になって見ると、ツッコミどころも多い。

まず、ドマから魔列車まで近すぎる。

ドマで毒殺。
カイエンが家族を失う。
逃げる。
幽霊の森。
魔列車。

死後物流が強すぎる。

まるで、ドマで発生した死者をそのまま魔列車が回収しているように見える。
産地直送あの世便である。

さらに、魔列車の中では飯が食える。

普通、黄泉の国の食べ物を食べたら帰れなくなる。
ホラー文法なら完全にアウトである。

でもFF6では、食堂車で食べると回復する。

死者を運ぶ列車なのに、無料回復ビュッフェ完備。
福利厚生が良すぎる。

しかも、切り離しスイッチがちょうどいいところにある。

死者をあの世へ運ぶ霊的インフラなのに、物理的な連結器を切れば対処できる。
除霊でも祈りでも結界でもなく、保全課の仕事である。

最後は、なぜか列車に追いかけられる。

さっきまで列車の中や上にいたはずなのに、ボス戦では線路の上を走っている。
そして魔列車が後ろから追いかけてくる。

怖い。
泣ける。
でも、だいぶ草である。

魔列車は、ホラー、悲劇、ギャグ、鉄道、プロレスが一車両に詰まった存在だった。


4. ドマ毒殺とケフカ逃走は、イベント補正が強すぎる

ドマ毒殺も、子どもの頃はただ悲しかった。

でも大人になって見ると、少し引っかかる。

毒の回りが早すぎる。
カイエンだけやけに元気。
ケフカは逃げる。
マッシュもシャドウもカイエンもいるのに、なぜかケフカを仕留められない。

もちろん、物語上はケフカをここで倒すわけにはいかない。
でもプレイヤー目線では、こう思ってしまう。

マッシュ、今そこでスープレックスしろ。
シャドウ、今そこで仕事しろ。
カイエン、今の怒りなら斬れるだろ。

この頃のケフカは、本人の戦闘力だけで見ればまだ弱い。
強いのは、悪意、権限、逃げ足、部下、毒、そして脚本バリアである。

ケフカは正々堂々戦う強敵ではない。
弱いのに最悪のカードだけ持っている敵である。

だからこそ嫌な敵として成立している。

腕力で強いのではない。
責任を取らず、逃げ、毒を使い、部下を使い、被害だけ最大化していく。

現実にいたら一番嫌なタイプである。


5. オペラは神演出。でも花束QTEはだるい

ピクセルリマスター版のオペラはすごい。

SFC版では、歌っているようなメロディをプレイヤーが脳内で補完していた。
ピクセルリマスターでは、それが本当に歌になった。

しかも、脳内補完していた歌がだいたい正しかった。
これはかなり感動する。

一方で、セリスがうますぎる。

本来は、元帝国将軍が急にオペラ女優の代役をやっている状況である。
しかも囮作戦である。
それなのに、ピクセルリマスター版では普通にプロ歌唱である。

セリス、お前どこで声楽やってたんだよ。

そして問題は、花束パートである。

歌詞選択だけだと思ったら、途中で花束を拾って階段を上がる必要がある。
暗転して「もうムービーかな」と思ったら、まだ操作が残っている。
しかも見えない制限時間がある。

セリスは完璧に歌っている。
失敗しているのは、プレイヤーの花束配送である。

これはだるい。

名シーンなのに、プレイヤーだけ舞台AD試験を受けさせられている。

特に、SFC版でこの後の飛空艇イベントやオルトロス戦を何度もやり直した記憶があると、かなりつらい。
オペラは名シーンであり、同時にトラウマ地点にもなりうる。

ピクセルリマスターのオペラ強化は良い。
でも、花束QTEはなくてもよかった。


6. 魔導工場は、攻略上うれしいが物語的にはえぐい

魔導工場では、一気に魔石が増える。

シヴァ。
イフリート。
マディン。
ビスマルク。
ユニコーン。
カーバンクル。
ファントム。
カトブレパス。

攻略上はうれしい。

セリスやティナはマディン。
マッシュも魔力系必殺技が強いからマディン。
ロック、エドガー、カイエン、シャドウ、ガウはビスマルク。
便利魔法はユニコーンやカーバンクル。

一気に育成が楽しくなる。

でも、物語として見るとかなりえぐい。

ここは、帝国が幻獣を捕まえ、閉じ込め、魔力を吸い、兵器や人体改造に使っていた施設である。

イフリートやシヴァは、ただのボス報酬ではない。
捕まって、弱って、最後の力で協力してくれた存在である。

そしてマディンは、ティナの父親である。

それを装備して、セリスやマッシュの魔力を上げる。

冷静に考えると、かなり業が深い。

ティナの父親を装備して、筋肉男の魔力を育てる。

システムとしては便利。
物語としてはえぐい。

FF6は、この温度差がすごい。


7. 帝国の急な降参は、ケフカへの責任押し付けに見える

帝国が急に和平ムードになる場面も、かなり怪しい。

戦争をやめたい。
幻獣と話し合いたい。
ケフカは暴走した。
ドマ毒殺はやりすぎだった。

そう言われても、プレイヤーとしては思う。

いや、魔導工場は誰の命令だよ。
幻獣を捕まえたのは帝国全体だろ。
セリスやティナを兵器扱いしたのは誰だよ。
ケフカだけのせいにするな。

ケフカは確かに最悪である。
でも、帝国そのものも十分に最悪である。

ドマ毒殺だけを「現場の暴走」として処理するのは、現実の組織不祥事っぽい。

トップは反省した顔をする。
現場の異常者に罪を押し付ける。
組織全体の責任はぼかす。

FF6の帝国は、ファンタジーの悪の帝国であると同時に、かなり現実的な組織の嫌さも持っている。


8. ケフカが弱いのではなく、プレイヤーが回り道で強くなりすぎる

よく「ケフカはラスボスとして弱い」と言われる。

たしかに、寄り道をきっちりやった後だと、ケフカはかなり溶ける。

でも、それはケフカ本人が極端に弱いというより、ケフカに到達するまでにプレイヤーが完成しすぎるからだと思う。

崩壊後のFF6は、やることが多い。

  • 仲間を集め直す
  • 各キャラのイベントを見る
  • 魔石を集める
  • 魔法を覚えさせる
  • 8竜を倒す
  • 古代城へ行く
  • フェニックスの洞窟へ行く
  • 狂信者の塔へ行く
  • コロシアムで装備を変換する
  • 3パーティ分の装備を整える

これを全部やってからケフカの塔へ行くと、そりゃ強い。

ケフカから見れば、プレイヤーはこうである。

世界を壊したぞ。
もう希望はないぞ。
……え、仲間全回収?
え、魔石育成?
え、コロシアム装備?
え、攻略サイトで3パーティ編成確認?

ケフカは世界を壊せた。
でも、ネットと集合知には勝てなかった。

子どもの頃は、コロシアムの存在すら知らなかった。
仲間も全部集めなかった。
マッシュのコマンドもわからなかった。
セッツァーのスロットが危険なことも知らなかった。
それでケフカの塔に突っ込んだ。

今は違う。

ネットで調べれば、仲間の場所も、魔石育成も、コロシアムも、ケフカの塔の3パーティ制もわかる。

つまり、ケフカの敗因はこうである。

ケフカは、インターネットに負けた。


9. 小学生の自分は下手だったのではなく、時代に負けていた

小学生の頃、FF6で詰んだ記憶がある。

魔大陸をラスダンだと思った。
世界崩壊後、飛空艇を手に入れた。
でかい塔が見えた。
そのままケフカの塔へ行った。
3パーティ制で詰んだ。
勝てなくて飽きた。

今ならわかる。

それは自然な流れだった。

ゲーム側は「行けるけど、勝てるとは言ってない」をやっていた。
しかも、当時はネットがない。
攻略本がなければ、寄り道も仲間回収も装備作りもわからない。

だから、昔の自分は下手だったのではない。

導線の薄さと情報不足に負けていた。

ピクセルリマスターで遊び直すことは、ただの懐古ではない。

昔の詰みポイントを、今の知識で超えること。
昔のフリーズやオペラやケフカの塔のトラウマを、今のセーブ機能と攻略情報で成仏させること。
子どもの頃に見えなかった構造を、大人になって笑いながら理解すること。

それが今のFF6リベンジである。

ケフカは弱いのかもしれない。
でも本当に強かったのは、ケフカではなかった。

強かったのは、ネットのない時代。
説明不足の導線。
マッシュの非表示コマンド。
セッツァーの味方全滅スロット。
そして、子どもの頃の「なんかよくわからんけどラスダンっぽいから行く」という純粋さだった。

大人になった今なら、勝てる。

ケフカにではない。
昔の自分の詰みセーブに、である。


まとめ

FF6ピクセルリマスターを大人になって遊ぶと、名作の違う顔が見える。

魔列車は怖いけど、安全設計がガバガバ。
オペラは感動するけど、花束QTEはだるい。
マッシュは筋肉なのに魔力育成。
ガウのネコキックは壊れ。
セッツァーのスロットは味方を殺す。
魔導工場は育成解禁イベントであり、幻獣搾取施設でもある。
帝国の和平は、かなりケフカへの責任押し付けに見える。
ケフカは弱いというより、プレイヤーが寄り道とネットで強くなりすぎる。

FF6は、今遊んでもおもしろい。
むしろ、大人になってからの方が、構造もツッコミどころもよく見える。

子どもの頃に詰んだゲームを、大人の知識で攻略する。
それはただのリプレイではなく、昔の自分へのリベンジでもある。

ケフカくん、世界は壊せた。
でも、攻略Wikiと大人になったプレイヤーには勝てなかった。


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