つばあり帽さん、その営業ではココは落ちない

『とんがり帽子のアトリエ』を5巻あたりまで読むと、つばあり帽の目的が少し見えてきます。

読書機能の使い方

聴く:本文を読み上げます。速読:語句を順に表示し、速さを調整できます。語学練習:別の言語版と対訳を読み比べます。保存:このブラウザーにブックマークし、プレイヤーの保存済み一覧から開けます。

この記事をシェア
広告
広告

つばあり帽の目的は、悪堕ち勧誘ではなさそう

『とんがり帽子のアトリエ』を5巻あたりまで読むと、つばあり帽の目的が少し見えてきます。

最初は、つばあり帽は単純に危険な存在に見えました。

  • 禁止魔法を使う
  • 魔法社会の規則を破る
  • 子どもに近づく
  • 魔墨に仕込む
  • 人の身体や存在を変える
  • デコイや絡め手を使う

かなり危ない。

ただ、読み進めると、彼らがやりたいことは単なる「悪の魔法使いを増やす」ではないようにも見えます。

むしろ、

ココに、正しい目的で禁止魔法を使ってほしい

という方向に見える。

つまり、つばあり帽はココに、

悪意で禁止魔法を使え

と言いたいのではなく、

人を助けるために禁止魔法を使え
現行ルールでは救えない人を救え
正しい目的なら禁忌を踏んでもいい

と言いたいのではないか。

この方向性自体は、物語としてかなり面白いです。

でも、ここで大問題があります。

その営業方法では、ココは落ちない。


5巻時点で「これ無理じゃね?」センサーが鳴る

5巻時点で読んでいると、かなり早い段階でセンサーが鳴ります。

つばあり帽さん、目的は分かってきた。
でも、それココ相手に成立する?

というセンサーです。

なぜなら、ココはもうかなり健全な方向に育っているからです。

ココは魔法が好きです。
人を助けたい子です。
お母さんを助けたい気持ちもある。
でも、誰かを傷つけてまで何かをしたい子ではない。

しかも、キーフリーのアトリエで教育を受けています。
仲間もいます。
魔警団に疑われた経験もある。
つばあり帽の手口の危なさも見え始めている。

この状態で、つばあり帽が、

正しい目的なら禁止魔法を使ってもいいよ

と営業しても、かなり厳しい。

読者としては、

もうココのOS、そっち向きじゃないよね?

と思ってしまいます。


ココのOSはもうキーフリー教育で健全化している

ココの中には、すでにこういう価値観が入っています。

  • 魔法は人を助けるもの
  • 人を傷つける魔法は怖い
  • 禁止魔法は軽く扱ってはいけない
  • 困ったらキーフリー先生に相談する
  • アトリエの仲間と一緒に考える
  • 魔警団に疑われる怖さを知っている
  • つばあり帽は信用できない
  • お母さんは助けたいが、誰かを犠牲にしたくない

これはかなり強い。

つまり、つばあり帽がココに、

正しい目的で禁止魔法を使いなさい

と言っても、ココはたぶんこう考えます。

それは本当に正しいの?
誰かを傷つけない?
先生に相談した方がよくない?
他の方法はないの?
あなたたちは信用できるの?

この時点で、つばあり帽の営業はかなり難しい。

ココは悪に染まるタイプではありません。
それどころか、善意が強いからこそ、禁止魔法の危険性にも敏感になる。

ここが面白い。


キーフリー先生とハッカー集団なら、ココはどちらを信じるのか

ココから見た比較対象は、かなり分かりやすいです。

キーフリー先生

  • 怪しいところはある
  • 復讐者モードもある
  • つばあり帽絡みで優先順位がバグる時がある
  • でも、ココを守った
  • 魔法を教えてくれる
  • アトリエという居場所をくれた
  • 仲間との関係もある
  • 少なくとも相談できる先生ではある

つまり、キーフリーは危ういけれど、人間の先生です。

つばあり帽

  • 禁止魔法にも救済用途があると言う
  • 現行規則への批判もある
  • でも、魔墨を汚染する
  • デコイを置く
  • 善意を利用する
  • 人体や存在を改変する
  • 子どもを巻き込む
  • 本人の同意を迂回する

つまり、つばあり帽は思想家というより、ハッカー集団です。

この比較になった時点で、ココが選ぶのはほぼ決まっています。

あなたたちみたいなハッカー集団より、キーフリー先生を選びます。

これです。

キーフリー先生にも問題はあります。
でも、つばあり帽の手段が終わっています。


つばあり帽の主張は一理ある。でも手段が終わっている

つばあり帽の主張には、少し分かる部分があります。

たとえば、

現行の規則では助けられない人がいる
禁止魔法にも救済用途がある
魔法社会は知識を隠しすぎている
魔警団の記憶抹消は怖い
尖り帽子側の制度も完全ではない

このあたりは、かなり議論の余地があります。

実際、禁止魔法を完全に封じることで、助けられない人が出る可能性はあります。
魔法社会の知識独占や強権も怖い。

だから、つばあり帽側の問題意識自体は、完全に意味不明ではありません。

しかし、手段が悪い。

規則を変えたい
だから魔墨を汚染します
だから子どもの善意を利用します
だから人の身体を変えます
だからデコイで騙します
だから魔警団を反応させます

これはもう、制度改革ではありません。

マルウェア配布です。

主張は議論の余地あり。
手段はアウト。

ここがつばあり帽の致命的なところです。


正しい目的で使わせたいなら、正しい手段が必要

つばあり帽が本当に、

ココに正しい目的で禁止魔法を使ってほしい

と思っているなら、本来やるべきことは違います。

必要なのは、

  • ココ本人への誠実な説明
  • 禁止魔法のリスク説明
  • 他の選択肢の提示
  • 本人の同意
  • 第三者の検証
  • 安全な実験環境
  • 失敗時の救済手段
  • 魔警団やキーフリーを含めた制度的対話

です。

しかし、つばあり帽がやっているように見えるのは、

  • 仕込み
  • 誘導
  • 汚染
  • デコイ
  • 混乱
  • 事故生成
  • 冤罪誘導

です。

この時点で、

正しい目的で禁止魔法を使ってほしい

という目的と、

本人の意思を迂回して使わせる

という手段が矛盾しています。

正しい選択をしてほしいなら、選択肢を汚染してはいけない。

ここがつばあり帽の弱点です。


善意ハッキングは「正しい目的」を汚染する

つばあり帽の一番嫌らしい手口は、善意ハッキングです。

ココは人を助けたい。
誰かを救いたい。
お母さんを戻したい。

その善意で魔法を使う。

しかし、そこに魔墨汚染や魔法陣への干渉が入ると、本人の善意とは違う結果が出る。

つまり、つばあり帽はココの善意を使って、禁止魔法の必要性を実演しようとしているように見えます。

ほら、禁止魔法が必要だったでしょ?
ほら、現行規則では救えなかったでしょ?
ほら、ココも使ったでしょ?

でも、それは違います。

それは、ココが正しく選んだ結果ではありません。

善意を入力として使い、出力を汚染しただけです。

つまり、

正しい目的で使った

のではなく、

正しい目的をハックして使わせた

です。

この差は大きい。


つばあり帽さん、頑張ってください

ここまで来ると、つばあり帽の営業はかなり難しいです。

彼らがココに求めているのが、

悪意で禁忌を使え

なら、もちろん無理です。

でも、

正しい目的で禁忌を使え

でも、かなり難しい。

なぜなら、ココは正しい目的であるほど慎重になるからです。

本当に人を助けたいなら、ココは雑に禁止魔法を使わない。
本当に誰かを救いたいなら、キーフリーや仲間に相談する。
本当に正しい選択をしたいなら、つばあり帽のような信用できない相手の言葉だけでは動かない。

つまり、つばあり帽はココの善意を利用したいのに、ココの善意が強いからこそ簡単には動かせない。

ここが面白い。

つばあり帽さん、頑張ってください。

ただし相手は、キーフリー先生とアトリエ仲間に育てられた健全OS搭載ココです。

営業難易度は高いです。


5巻時点で見えてしまう「引っ張り方」の問題

ここで、読者として少しメタな感覚も出てきます。

5巻時点で、

ココをつばあり帽側にそのまま落とすのは難しそう
ココの健全OSが強い
つばあり帽の正攻法営業は無理そう
だから絡め手で引っ張るしかなさそう

という傾向がかなり見えてきます。

もしこの先も巻数が続くなら、物語はおそらく、

ココが単純に悪堕ちするかどうか

ではなく、

どういう状況ならココが「正しい目的」で禁忌に近づいてしまうのか

を長く描くことになるのではないか。

つまり、引っ張り方はこうです。

  • お母さんを助けたい気持ち
  • 目の前の人を救いたい気持ち
  • 魔法社会の制度への疑問
  • キーフリーへの信頼と不信
  • 魔警団の強権
  • つばあり帽の絡め手
  • 仲間の危機
  • 禁止魔法の救済可能性

これらを少しずつ積む。

そして、ココに、

これは本当に使ってはいけない魔法なのか?
それとも、使わないことの方が誰かを見殺しにするのか?

という問いを突きつける。

5巻時点で、その先の構造が少し見えてしまいます。

ここで読者のセンサーが鳴る。

なるほど、これは「禁忌を使うかどうか」をかなり長く引っ張る作品なんだな。

という感じです。


でも、それでもココは簡単には落ちない

それでも、ココは簡単には落ちないと思います。

理由は、つばあり帽よりキーフリー先生側の方が、信頼の積み上げがあるからです。

キーフリーには危うさがある。
復讐者としての顔もある。
ココを手がかりとして見ている部分もあるかもしれない。

でも、少なくともココにとっては、

魔法を教えてくれた人
守ってくれた人
相談できる人
アトリエという居場所につないでくれた人

です。

一方、つばあり帽は、

正しい目的で使え

と言いながら、やっていることがハッカー集団です。

この差は大きい。

だから、ココが禁忌の必要性に悩むことはあっても、

つばあり帽をそのまま信じる

のはかなり難しい。


結論:つばあり帽の最大の敵は、ココの健全さである

結論として、5巻時点のつばあり帽はかなり面白い存在です。

彼らは単なる悪の魔法使いではなく、

現行規則を変えたい
禁止魔法にも救済用途がある
ココに正しい目的で禁忌を使わせたい

という方向性を持っているように見えます。

でも、手段が悪い。

魔墨汚染。
デコイ。
善意ハッキング。
人体OS改ざん。
子ども利用。
制度ハック。

これでは、ココの信頼は取れません。

ココはもう、キーフリー先生とアトリエ仲間によってかなり健全に育っています。

だから、つばあり帽の最大の敵は魔警団でもキーフリーでもなく、

ココ本人の健全OS

なのかもしれません。

最後に一言でまとめるなら、

つばあり帽さん、その営業ではココは落ちない。
キーフリー先生にも問題はある。
でも、あなたたちはハッカー集団すぎる。

ココが悩むとしても、選ぶ相手はかなり慎重になるはずです。

この記事が役に立ったら、応援できます。 応援する

広告

もう1個、なんか面白いのない?

読み終わったついでに。近い話と、ぜんぜん違うけど面白い話を少しずつ。

  1. なぜガソリンスタンドの価格表示は赤く点滅するのか?赤い数字・広告ルール・看板費用まで調べた
  2. 全員ほぼ0歳なのにデカくてペラペラキメラアントの完成品出産、女王の食いすぎ、ポンズと銃の悲劇
  3. 8.6秒バズーカーとボチリストは同一人物なのか?「10年後」説と現在の仕事を調べた
  4. DeNAのスマホゲームに15億円支援?税金を使うなら“国民向けのレシート”を出してほしい

今日これ読んで

この記事を読んだ人の次の疑問に、それぞれ答える記事です。

すべての記事から探す

他の記事を探す

すべての記事

めんどいちゃん

このサイトの運営者

めんどいちゃん

仕事や日常の「めんどい」を構造化して、次に動きやすくする記事を書いています。