フェアリーテイルを速読すると、かなり構造が見える。
敵が出る。
強すぎる。
味方がボコボコにされる。
「もう無理だ」となる。
仲間、ギルド、過去、絆、思い出の回想が入る。
感情ゲージが上がる。
急に火力が跳ねる。
ワンパン気味に逆転する。
完全勝利。
宴。
仲間最高。
かなり乱暴に言うと、最初から最後までこれを回している。
敵が強い
↓
味方ボコボコ
↓
ピンチ
↓
思い出・仲間・絆
↓
感情ゲージMAX
↓
急に強くなる
↓
勝ち!笑
もちろん、キャラクターも舞台も敵も違う。
細かく読めば、それぞれの戦いに感情や関係性の差はある。
でも、速読して骨組みだけ見ると、
あ、またこの流れだ。
となる。
「ピンチになりました。やばいです。思い出を振り返ります。ボコボコにされます。でも最後はワンパンで勝ちます。完全勝利です」
これをずっと回しているように見える。
では、なぜこの構造は漫画・アニメ・RPG・ゲームで何度も繰り返されるのか。
答えはシンプルで、人間は『前は勝てなかったものに、準備や強化で勝てるようになる』ことがめちゃくちゃ気持ちいいからである。
フェアリーテイルは「感情インフレ型」の作品
フェアリーテイルの戦いは、緻密な勝敗ゲームというより、感情プロレスに近い。
仲間がいる
ギルドがある
絶対に折れない
想いがある
だから勝つ
このロジックで押し切る。
ドラゴンボールのように戦闘力や変身段階を積み上げるというより、フェアリーテイルは「仲間」「怒り」「ギルド」「絆」「過去回想」で一気に火力が上がる。
つまり、数値インフレというより情緒インフレである。
物理的に強くなった
というより、
仲間への想いで魔力が上がった
に近い。
だから、構造化して読む人ほどこう見える。
敵が強い
↓
ボコられる
↓
仲間回想
↓
魔力が急に増える
↓
勝ち
このパターンが何度も来る。
悪く言えばワンパターン。
よく言えば、分かりやすい祝祭バトル漫画である。
「どうせ勝つ」のに、なぜ気持ちいいのか
フェアリーテイルは、読んでいる途中からだいたい分かる。
ナツは勝つ。
エルザも勝つ。
グレイも勝つ。
ルーシィもなんだかんだ勝つ。
ギルドは最後に立つ。
宴をする。
それでも読めるのは、読者が必ずしも「勝つか負けるか」だけを見ているわけではないからだ。
読者が見ているのは、むしろこっちである。
どの仲間回想で燃やすか
どの感情で立ち上がるか
どの決め台詞で殴るか
どれだけ気持ちよく勝つか
これは、水戸黄門やアンパンマンに近い。
悪いやつが出る。
一度ピンチになる。
でも最後は決まった勝利パターンで勝つ。
スカッとする。
つまり、フェアリーテイルは「勝敗の不確実性」よりも、「勝利の祝祭感」を楽しむ作品である。
今回勝つのか?
ではなく、
今回はどう気持ちよく勝つのか?
を見に行く漫画なのだ。
これはRPGやモンハンにもある
この成長ループは、フェアリーテイルだけではない。
RPGも同じである。
今のレベルでは勝てない
↓
レベル上げ
↓
装備更新
↓
スキル習得
↓
再戦
↓
勝てる
モンハンも同じである。
強いやつにボコられる
↓
素材を集める
↓
防具を強化する
↓
被ダメが減る
↓
倒せるようになる
↓
素材が出る
↓
もっと強い武器・防具を作る
↓
さらに強いやつに行ける
要するに、ゲームのかなりの部分は、
前は無理だった敵を、準備と強化で無理じゃなくする。
という快感でできている。
モンハンで言えば、昔は一撃でHPを5割、7割持っていかれていた攻撃が、防具強化後には2割くらいで済むようになる。
これは気持ちいい。
昔:一撃で死にかける
今:普通に耐える
この差が、そのまま成長実感になる。
1年越しのラギアクルスは、ゲーム内と現実側の二重の成長ループだった
Monster Hunter Wildsで、1年越しにラギアクルスを突破した。
しかも、ただラギアクルスを倒しただけではない。
問題は、ラギアクルス本体だけではなかった。
ラギアクルス本体
+
水中から上がってくる雷演出
+
水しぶき
+
反射
+
パーティクル
+
FPS120に戻る設定
+
config読み取り専用
+
NVIDIA設定
+
黒画面ハング
もはや敵はモンスターだけではなかった。
ラギアクルスが水中から上がってきた瞬間、画面が落ちる。
BGMだけ残る。
操作不能。
電源長押し。
これはハンターが負けているというより、PCが負けている。
だから、この戦いは普通のモンハンではなかった。
ハンター vs ラギアクルス
ではなく、
ユーザー+PC vs ラギアクルス+設定保存係の猿+NVIDIA猿
だった。
ラギアクルスに勝ったより、PCに勝った方が嬉しい
最終的に見つかった大きな原因候補は、configファイルが読み取り専用になっていたことだった。
ゲーム内では低グラ・FPS60にしたつもり。
でもconfigが読み取り専用だったため、設定が保存されていなかった可能性がある。
その結果、再起動するとFPS120に戻る。
低設定にしたつもり
↓
でもconfigが保存されていない
↓
FPS120に戻る
↓
ラギア水中上がり雷演出
↓
PC黒画面
この流れだった可能性が高い。
そこで、読み取り専用を外した。
configが更新された。
設定が保存された。
高グラから低グラへ。
FPS120からFPS60へ。
Frame Generation OFF。
Overlay OFF。
Modなし。
その状態で、今まで落ちていたラギアクルスの水中上がりを突破した。
これはでかい。
もちろんラギアクルスに勝ったのも嬉しい。
でも、それ以上に嬉しかったのは、PCに勝ったことだった。
1年前:落ちる、進めない、意味不明
今:原因を見つけた、設定を直した、突破した
これは完全に再戦イベントである。
フェアリーテイル式に言うと、これは「現実込みの章ボス撃破」
フェアリーテイル式に言うなら、今回の流れはこうである。
1年前:ラギア強すぎる、PC落ちる
↓
何度やっても水中上がりで落ちる
↓
NVIDIA、Fresco、電源、GPU、設定を疑う
↓
config読み取り専用という闇ギルド発見
↓
低グラFPS60という新装備
↓
防具強化でハンターも硬くなる
↓
再戦
↓
水中上がり突破
↓
勝ち!!!
完全にフェアリーテイルの章ボス撃破である。
違うのは、フェアリーテイルなら仲間回想で勝つが、今回はconfig解除で勝ったこと。
フェアリーテイル:
仲間の想いで魔力上昇
モンハン:
防具強化で被ダメ減少
PC:
読み取り専用解除で設定保存成功
やっていることは違う。
でも、構造は同じである。
無理だったものが、準備で無理じゃなくなる。
これが気持ちいい。
なぜインフレは色んなジャンルで繰り返されるのか
漫画、アニメ、RPG、ソシャゲ、モンハン。
いろんなジャンルで、インフレや成長ループは繰り返される。
理由は、作る側にも見る側にも都合がいいからである。
まず、成長が見せやすい。
昔:勝てない
今:勝てる
これだけで伝わる。
数字でも見せやすい。
被ダメ7割 → 2割
攻撃力100 → 500
レベル10 → 50
懸賞金3000万 → 30億
戦闘力8000 → 53万
読者やプレイヤーが一瞬で理解できる。
作る側にも便利である。
もっと強い敵
もっと強い武器
もっと強いフォーム
もっと高いランク
を出せば、続きが作れる。
ソシャゲなら新キャラが売れる。
RPGなら新装備が必要になる。
漫画なら新章が作れる。
つまり、インフレは「物語」「ゲーム」「商売」「快感」の全部に都合がいい。
ただし、やりすぎると「全部同じ」に見える
問題は、繰り返しすぎるとパターンが見えることだ。
フェアリーテイルを速読すると、
敵が強い
↓
味方ボコボコ
↓
仲間回想
↓
魔力上昇
↓
ワンパン
↓
勝ち
が見えすぎる。
すると、
全部この流れやんけ。
となる。
これは弱点でもある。
どうせ勝つ感が強い
敵の格が落ちやすい
敗北の重みが薄い
戦術より感情で勝ちがち
パワーバランスがふわっとする
こういう問題が出る。
ただし、フェアリーテイルはそこを気にしすぎる作品ではない。
あれは、緻密な勝敗ゲームというより、
仲間!根性!宴!勝ち!
の祝祭バトル漫画である。
だから、同じ展開でも読める人には読める。
むしろ、その安心感を求める人もいる。
良いインフレは「数値」だけでなく「条件」を変える
インフレが壊れない作品は、単純に数値だけを上げない。
敵の攻撃力が高い
敵のHPが高い
敵のスピードが速い
だけではなく、
相性
地形
時間制限
守る対象
情報戦
制約
心理戦
ルール変更
で難易度を作る。
モンハンも本来はこっちが強い。
飛ぶ
潜る
毒
麻痺
雷
水
炎
爆発
地形
拘束
スピード
範囲攻撃
単純な数値だけでなく、「戦い方を変えさせる」ことで面白さを作る。
今回のラギアクルスも、ただ強いだけではなかった。
水中上がり
雷
反射
パーティクル
PC負荷
FPS120
設定保存失敗
まで含めて、強敵だった。
もはやゲーム内の敵というより、環境ごと敵だった。
モンハンとフェアリーテイルの違い
フェアリーテイルとモンハンは、表面上はかなり違う。
フェアリーテイルは感情で勝つ。
モンハンは準備と装備で勝つ。
しかし、根っこは似ている。
フェアリーテイル:
仲間の想い
過去回想
怒り
ギルド
感情ブースト
↓
勝つ
モンハン:
素材集め
防具強化
武器更新
立ち回り改善
設定最適化
↓
勝つ
違うのは強化リソースである。
フェアリーテイルは「感情」がリソース。
モンハンは「素材・装備・設定」がリソース。
でも、どちらも最終的には、
前は勝てなかった
↓
強化した
↓
勝てた
に着地する。
結論:人は「勝てなかったものに勝てるようになる」話が好き
フェアリーテイルが同じような展開を何度も回す理由。
RPGがレベル上げと装備更新を繰り返す理由。
モンハンが防具を強化して強いやつに挑むループを続ける理由。
全部、根っこは同じである。
今の自分では勝てない
↓
足りないものが分かる
↓
準備する
↓
強化する
↓
再戦する
↓
勝てる
この構造が、人間にとって分かりやすく、気持ちいい。
今回の1年越しラギアクルスもそうだった。
1年前:
ラギアで落ちる
PCも落ちる
進めない
今:
config読み取り専用を外す
設定を保存する
低グラFPS60にする
防具を強化する
再戦する
突破する
これはラギアクルスを倒した話ではない。
1年越しに、進めなかったゲームと、落ち続けたPCに勝った話である。
フェアリーテイルなら、ここでギルド全員が宴をしている。
現実では、configを見つけた人間が一人でこう言う。
ラギアに勝ったことより、PCに勝ったことの方が嬉しい。
それでいい。
これはちゃんと、章ボス撃破である。
