「Dime Dime Baby」は、パーティーで踊る男性がカメラの前で菓子パンをひとかじりし、真顔で見つめてから踊り去る短い動画を、楽曲「BbY WOW」に合わせて再利用するミームだ。2026年10月には男性をカウボーイなど別の人物に置き換えたAI動画も広まった。曲のダンスチャレンジとは、元映像が違う。
何を見せられているのか
舞台はメキシコの15歳の誕生日祝い「キンセアニェーラ」の会場と紹介されている。男性が人々の間から踊りながら近づき、貝殻模様の甘いパン「コンチャ」をかじる。そして頬をふくらませたまま、妙に堂々とカメラを凝視して帰っていく。事件は起きない。パンを食べただけなのに、なぜか登場シーンが大物スターのように完成している。
2025年7月24日に投稿されたと紹介される映像は、TikTokの @eve.el.cholo に「El video original」という題でリンクされている。さらに古い2025年6月の投稿例も第三者の記録にあるため、「7月の投稿が最初の撮影」とまでは言い切れない。
曲は何?「Dime Dime Baby」は何語?
音源はコロンビアのKAROL GとスペインのJudeline、rusowskyによる2026年の楽曲「BbY WOW」。スペイン語の「dime」は「教えて、言って」という呼びかけで、「dime, dime, baby」は曲の一節だ。Apple Musicには楽曲の公式配信ページがあり、Billboardは9月9日に世界チャート首位を報じている。ただし楽曲の世界的ヒット数値は、このパン動画の再生数ではない。
2026年10月、何が変わった?
古いパーティー映像に曲が重なり、さらに人物だけを入れ替える動画が登場した。10月17日付のTikTok投稿として紹介されている @elmariobrox の版は、カウボーイ風の男性が同じ動きをするAIリメイク。ほかの作例では、別の人物やペットを主役にする。見慣れた「近づく→ひとかじり→凝視→退場」という流れを残し、誰がやるかだけで笑わせる形式だ。
一方、同じ曲に合わせた別のダンスはベネズエラのグループLOS MENOR3Sが広めた。メンバー本人たちは9月29日のRemezclaのインタビューで、舞台裏で何気なく踊ったこと、KAROL Gと共演したことを語っている。こちらはパンを食べる動画の起源ではない。同じ曲から二つの流行が育ったと考えると混乱しにくい。
どう使う?どこで流行った?
動画を探すなら「Dime Dime Baby」「BbY WOW guy」「concha meme」「el de la mirada preñadora」などの呼び方が手掛かりになる。メキシコのパーティー映像を出発点に、スペイン語圏の投稿やTikTokの編集例へ広がったことは追える。ただし国別の利用者数や全世界の投稿総数は確認できていない。AI版は実写の記録ではなく、元の動きを模した創作映像として見るのが適切だ。
結論
このミームの主役は派手なダンス技術ではなく、パンをひとかじりした直後の、理由の分からない自信だ。AIは主役を何人でも交代させられる。でも、あのパンを食べるタイミングまで堂々としているのが一番おかしい。
参考資料(6件)
- 2025年の元映像として紹介されるTikTok投稿(TikTok本文は直接取得できず、リンクと投稿日は下記の第三者記録で照合)
- 2026年10月17日のAI版として紹介されるTikTok投稿(直接取得制限あり)
- MakeViral:投稿リンクと2025〜2026年の記録(AI動画販売サイトの記録。数値は独立監査されていない)
- Apple Music:BbY WOW
- Billboard Colombia、2026年9月9日:世界チャート
- Remezcla、2026年9月29日:LOS MENOR3Sへのインタビュー



