想定検索キーワード
- パワポ 作り方
- プレゼン資料 作り方
- 伝わる資料 作り方
- スライド 文字 少ない
- 1ページ1メッセージ
- 紙芝居型 プレゼン
- PowerPoint 情報量 多すぎる
- 資料 赤字 修正 多い
- 決裁者 資料 伝わらない
- 会社説明会 資料 作り方
- 採用資料 作り方
- BtoBメーカー 職種紹介
- BtoB製造業 採用資料
はじめに:構造が正しくても、聞き手の頭に入らなければ資料は死ぬ
資料を作るとき、真面目な人ほど情報をしっかり入れようとする。
前提を書く。
定義を書く。
背景を書く。
一覧を書く。
例外を書く。
補足を書く。
グラフを入れる。
表を入れる。
図も入れる。
作る側からすると、これはかなり誠実な作業である。
論理構造も正しい。
抜け漏れも少ない。
説明としては間違っていない。
しかし、資料を見る人の頭には入らないことがある。
なぜなら、PowerPointは論文ではないからだ。
文章だけなら、読み手は上から順番に追える。
文章の流れに沿って、少しずつ理解できる。
多少長くても、読むモードに入れば処理できる。
でも、パワポは違う。
1枚のスライドに、見出し、箇条書き、表、グラフ、矢印、アイコン、色、余白、配置が同時に入ってくる。
情報が多いほど、聞き手は「どこを見ればいいのか」「何が大事なのか」「結局何が言いたいのか」を自分で処理しなければならない。
その結果、論理は正しいのに伝わらない資料になる。
そして、どれだけ正しく作っても、聞き手の頭に入らなければ、その資料は死ぬ。
ここでいう聞き手とは、発表を聞く人だけではない。
決裁者、お客さん、学生、上司、確認者、会議参加者など、その資料を見て理解し、判断し、反応する人すべてである。
資料は、作った人の頭の中で正しければよいものではない。
聞き手の頭に入って、はじめて機能する。
だから、パワポは論文ではなく紙芝居でいい。
正しい資料と、伝わる資料は違う
論理的に正しい資料と、伝わる資料は同じではない。
論理的に正しい資料は、情報のつながりが正しい。
前提から結論までの流れが整っている。
項目も漏れていない。
説明も間違っていない。
しかし、伝わる資料はそれだけでは足りない。
伝わる資料は、聞き手の理解順に合わせて情報が置かれている。
どこを見ればいいかがわかる。
そのページで何を理解すればよいかがわかる。
話し手が何を話すのかも見える。
つまり、正しい資料は「作り手の頭の中で成立している資料」である。
伝わる資料は「聞き手の頭の中で再現できる資料」である。
この差を見落とすと、資料はすぐに重くなる。
作り手は、頭の中に背景情報を持っている。
だから、少し複雑な表や図を見ても意味がわかる。
なぜその項目が必要なのか、なぜその順番なのか、どこが重要なのかをすでに知っている。
しかし、聞き手は違う。
聞き手は、その資料を初めて見る。
背景情報も少ない。
専門用語にも慣れていないかもしれない。
その場で話も聞きながら、スライドも見ている。
その状態で情報量が多いと、論理が正しくても処理できない。
だから資料作成では、「自分が説明できるか」ではなく、「相手が一瞬で意味をつかめるか」を見る必要がある。
赤ペンゴミ先生は、聞き手が理解できないと発生する
資料が聞き手の頭に入らないと、赤字ラッシュが起きる。
ここでいう赤字ラッシュとは、単に修正指示が多いという意味ではない。
本質は、聞き手や確認者が資料を理解できず、自分が理解しやすい資料へ作り替えようとする現象である。
もちろん、正しい赤ペンは必要である。
誤字を直す。
事実誤認を直す。
表現をより正確にする。
目的に合わない内容を削る。
聞き手に合わせて言葉を整える。
こういう赤ペンは有益である。
資料の質を上げるための修正だからだ。
問題は、資料の構造や意図を理解できないまま、自分が見慣れた形に改変してくる赤ペンである。
「ここは何を言いたいの?」
「もっと細かく書いて」
「やっぱりこの表も入れて」
「この説明も必要では?」
「全部載せておいた方が安心じゃない?」
「この順番の方が自分は見やすい」
こうして、聞き手の理解不足を埋めるために、資料がどんどん変えられていく。
その結果、資料は聞き手のための資料ではなく、赤ペンした人が安心するための資料になる。
これが、赤ペンゴミ先生の赤字ラッシュである。
赤ペン自体が悪いのではない。
問題は、資料の目的よりも、赤ペンする側の理解しやすさや安心感が優先されることである。
そして、この現象は作り手だけの問題ではない。
最初の資料が聞き手の頭に入りにくい形になっていると、赤ペンゴミ先生が発生しやすくなる。
聞き手が処理できない資料は、聞き手側に改変される。
改変されると、作り手の意図が崩れる。
意図が崩れると、また伝わらない資料になる。
このループを止めるには、最初から聞き手の頭に入る資料にする必要がある。
情報量が多いと、聞き手は「内容」ではなく「処理」に追われる
情報が多い資料は、一見すると丁寧に見える。
しかし、聞き手からすると、情報量が多い資料は負荷が高い。
文字が多い。
図が多い。
表が細かい。
グラフが複数ある。
矢印が多い。
色の意味が多い。
補足が多い。
こうなると、聞き手は内容を理解する前に、資料の読み方を考えなければならない。
どこから読むのか。
どこが重要なのか。
この図と表はどうつながるのか。
このグラフは何を示しているのか。
このページの結論は何なのか。
本来、資料は聞き手の理解を助けるための道具である。
しかし情報量が多すぎると、資料そのものが理解の妨げになる。
論理構造が正しくても、聞き手が処理しきれなければ伝わらない。
特にPowerPointでは、文章、図、表、グラフ、色、配置が同時に入ってくる。
文章だけなら頭に入る人でも、スライド上で情報がごちゃごちゃ入ってくると処理しきれなくなることがある。
だから、パワポでは削ることが重要になる。
1ページ1メッセージにする
資料作成で一番大事なのは、1ページ1メッセージである。
これは、1ページに情報を1つしか載せてはいけないという意味ではない。
情報は複数あってもいい。
箇条書きがあってもいい。
表があってもいい。
データがあってもいい。
図があってもいい。
ただし、そのページで言いたいことは1つに絞る。
複数の情報は、主張を支える材料として置く。
よくない資料は、情報が並んでいるだけで、ページの主張が見えない。
見る人は「いろいろ書いてあるけど、結局何が言いたいの?」となる。
よい資料は、情報が複数あっても、ページの主張が見える。
見る人は「いろいろあるけど、このページで言いたいのはこれだな」とわかる。
この差が大きい。
リストは主張ではない。
表も主張ではない。
グラフも主張ではない。
データも主張ではない。
それらは、主張を支える材料である。
資料を作るときは、最初にこのページの一言を決める。
その上で、必要な材料だけを置く。
スライドは紙芝居でいい
パワポは、論文のようにすべてを説明する必要はない。
むしろ、紙芝居でいい。
紙芝居型の資料では、ページごとに役割が決まっている。
このページでは何を言うのか。
次のページでは何を言うのか。
最後に何を持ち帰ってほしいのか。
この流れが見えていれば、聞き手は迷わない。
話し手も迷わない。
スライドが進むたびに、話も一歩進む。
これが紙芝居型資料である。
紙芝居型にすると、資料は読み物ではなく、話すためのレールになる。
スライドには、細かい説明を全部書かない。
見出しと短い箇条書きで、話の流れを示す。
詳しい説明は、話し手が口頭で補う。
これにより、聞き手はスライドを読むことに追われず、話の流れを追いやすくなる。
文字は少なく、話すきっかけだけ置く
スライドに文字を詰め込むと、聞き手は話を聞かずに文字を読む。
話し手は説明ではなく読み上げを始める。
結果として、資料全体が重くなる。
文字を少なくする目的は、手を抜くことではない。
聞き手の処理負荷を下げることである。
スライドに置くべきなのは、次のような情報である。
- ページの主張
- 話す順番がわかる見出し
- 理解を助ける短い箇条書き
- 必要最低限の図や表
- 聞き手が一瞬で意味をつかめる言葉
逆に、次のようなものはスライド上では重くなりやすい。
- 長い説明文
- 細かすぎる表
- 補足だらけの注釈
- 意味の多い色分け
- 複数のグラフ
- 目的が曖昧な図解
詳細が必要な場合は、口頭説明、別紙、補足資料、配布資料に分ければよい。
スライド本体にすべて詰め込む必要はない。
裏設定を持つと、資料はブレにくくなる
伝わる資料には、表に出ない裏設定がある。
裏設定とは、作り手側が持っておく設計意図である。
たとえば、次のような問いをページごとに持つ。
- このページで何を理解させたいか
- どんな誤解を消したいか
- どんな感情にしたいか
- 話し手に何を話させたいか
- 次のページにどうつなげるか
これを持っておくと、資料はブレにくくなる。
逆に、裏設定がない資料は、情報を足すたびに方向が崩れる。
あれも入れよう、これも入れようとなり、結局何を言いたいかわからなくなる。
スライド上には、裏設定をそのまま書かない。
「このページで学生に伝えたいこと」
「このページで決裁者に理解してほしいこと」
「ここでお客さんに安心してほしいこと」
こうした内向きの制作メモを、そのまま見出しにしない。
表に出すのは、聞き手が自然に読める言葉である。
裏で握るのは、作り手の設計意図である。
この分離ができると、資料はかなり伝わりやすくなる。
聞き手・話し手・目的を同時に設計する
資料作成は、きれいなスライドを作る作業ではない。
情報をただ並べる作業でもない。
本質は、聞き手・話し手・目的を同時に設計することである。
聞き手は、何を知っていて、何を知らないのか。
どこで誤解しそうか。
どの順番なら頭に入りやすいか。
見終わった後に、どう思ってほしいのか。
話し手は、どの順番なら話しやすいか。
どの見出しがあれば迷わないか。
どこを口頭で補えばよいか。
どのページで何を強調すればよいか。
目的は何か。
理解してほしいのか。
判断してほしいのか。
興味を持ってほしいのか。
安心してほしいのか。
行動してほしいのか。
この3つを同時に見て作ると、資料はただの情報の束ではなくなる。
話すためのレールになる。
資料作成の基本手順
伝わる資料を作るときは、次の順番で考えるとよい。
1. 聞き手の前提を読む
聞き手は何を知っているか。
何を知らないか。
どんな誤解を持っていそうか。
何に関心がありそうか。
ここを外すと、資料は作り手目線になる。
2. 見終わった後の状態を決める
聞き手に何を理解してほしいか。
どんな気持ちになってほしいか。
どんな判断をしてほしいか。
ここが決まらないと、資料は情報の羅列になる。
3. 1ページ1メッセージにする
各ページで言いたいことを1つに絞る。
そのメッセージを支える材料として、箇条書き、表、図、データを置く。
4. 話す動線を作る
ページが進むごとに、話が自然に進むようにする。
前のページから次のページへのつながりを考える。
5. 文字を減らす
スライドには、聞き手が一瞬で理解できる言葉だけを置く。
詳しい説明は口頭や補足資料に逃がす。
6. 裏設定を持つ
ページごとに、何を理解させたいか、どんな誤解を消したいか、話し手に何を話させたいかを決める。
ただし、その裏設定をそのままスライドに出さない。
赤字ラッシュを防ぐ資料チェックリスト
資料を出す前に、次の点を確認するとよい。
- このページの主張は一言で言えるか
- 情報は多くても、言いたいことは1つに絞れているか
- 聞き手が最初に見る場所は明確か
- 表やグラフは、主張を支える材料になっているか
- 文字を読まなくても、話の流れが見えるか
- 話し手がこのページで何を話すか想像できるか
- 聞き手の前提知識に対して、情報量が多すぎないか
- 内向きの制作メモを、そのまま見出しにしていないか
- 詳細を書きすぎて、かえって頭に入らない資料になっていないか
- 赤ペンゴミ先生が安心する資料ではなく、聞き手が理解できる資料になっているか
まとめ:資料は正しさだけでなく、頭に入る形まで設計する
資料は、正しければ伝わるわけではない。
論理構造が正しくても、情報量が多すぎれば聞き手の頭に入らない。
聞き手の頭に入らなければ、資料は理解されない。
理解されなければ、赤字ラッシュが起きる。
赤字ラッシュが起きると、資料は聞き手や確認者の理解しやすい形に改変され、作り手の意図が崩れる。
だから、パワポは論文ではなく紙芝居でいい。
1ページ1メッセージ。
文字は少なく。
情報は主張を支える材料にする。
話す動線を作る。
裏設定を持つ。
聞き手・話し手・目的を同時に設計する。
資料作成とは、情報を並べることではない。
聞き手の頭に入る形に変換することである。
正しい資料ではなく、伝わる資料を作る。
それが、赤字ラッシュを防ぎ、話し手も聞き手も救う資料作成である。
