ビスケ、「なんてもったいない」で完全にオカン化する

ビスケの最初の入り方は、教育者らしくない。

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最初は二人の友情を壊そうとしていた

ビスケの最初の入り方は、教育者らしくない。

ゴンとキルアの距離の近さを見て、少し意地悪な興味を持つ。

二人の間へ入って、関係を引っかき回そうとする。

この時点では、

「有望な少年二人を正しく導こう」

という聖人の師匠ではない。

むしろ、

暇を持て余した妙に強い少女

くらいに見える。

ところが、二人がG.I.のモンスターへ苦戦する姿を観察すると評価が変わる。

2011年版第62話の公式あらすじでも、ビスケがゴンとキルアの戦いを興味深そうに観察する流れが示されている。

そして、その後は二人の師匠を買って出る。

第63話の公式あらすじでは、すでにビスケが「師匠」として、最初の実戦課題にビノールトを設定している。

変化が早い。

「弱い」ではなく「もったいない」

ビスケが二人へ向ける感情のおもしろさは、

「こいつら弱いから鍛えなければ」

ではないところにある。

むしろ逆。

才能はすでに見えている。

身体能力もある。

オーラもある。

吸収も速い。

だからこそ、

基礎が雑なままなのが耐えられない。

これはストーンハンターであるビスケの性格ともきれいにつながる。

石を見る。

原石の価値を見抜く。

磨けばどこまで光るかを考える。

ゴンとキルアも同じで、

「もう価値が見えているのに、研磨されていない原石」

として映る。

すると放置できない。

原石を見つけた職人が、勝手に育成プロジェクトを始める

この構造で見ると、ビスケのオカン化は突然の母性ではない。

最初に発動したのは、

職人としての育成欲

である。

「この素材をこのままにしておくのは許せない」

という感覚。

そこから、

ちゃんと凝を使いなさい 基礎を忘れない 相手をよく見なさい 今のままでは危ない

と指導が増える。

すると結果として、

教育ママみたいになる。

最初から母親役をやろうとしていたのではない。

原石を磨き始めたら、世話する範囲がどんどん広がった。

第64話では完全に「ビスケの指導のもと」

2011年版第64話の公式あらすじでは、もう明確に、

「ビスケの指導のもと、着実に念能力を向上していくゴンとキルア」

という状態になっている。

わずかな期間で、

第三者 から 教育責任者

へ移っている。

この速さが妙におもしろい。

ゴンとキルアも普通に言うことを聞く

オカン化が成立するもう一つの理由は、二人がビスケを受け入れることだ。

最初は警戒しても、教えている内容が正しい。

実際に強くなる。

二人とも成長そのものが好き。

そのため、

ビスケ
「これをやりなさい」

ゴン
「うん!」

キルア
「面倒だけど、まあ正しいな」

という関係が成立する。

反抗期の子どもと母親というより、

超優秀な家庭教師が、そのまま生活指導まで始めた

ような構図になる。

最終的に「師匠」より「保護者」に近くなる

ビスケは戦闘技術だけを教えるわけではない。

ゴンとキルアの癖を見る。

危険性を見る。

精神面を見る。

疲労を見る。

修行効率まで考える。

特に後のキルアへの指導では、戦闘技術だけでなく、危険な相手に対する判断の癖まで踏み込む。

つまり、

技を教える人

から、

この子たちが死なないよう成長の仕方そのものを見る人

へ変わっていく。

完全にオカンである。

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