主人公になって冒険するゲームをやっていると、ふと思うことがある。
街のすぐ近くで戦闘が起きる。
敵が出る。
こちらは終盤装備。
レベルも高い。
魔法も強い。
そして普通に撃つ。
メテオ。
アルテマ。
ジゴスパーク。
イオナズン。
ギガデイン。
バハムート召喚。
広い範囲で起きる爆発。
落雷。
隕石。
究極魔法。
敵は倒れる。
でも、街は無事。
畑も無事。
橋も無事。
道も無事。
水路も無事。
村人も無反応。
宿屋も通常営業。
いや、待て。
あなたが災害ですよね?
魔物より、勇者パーティーの方がよほど危ない。
街のそばでメテオ撃つな。
もはや、
お前魔王やんけ
である。
ゲームでは周りの建物や地形まで壊れる仕組みがない
ゲームの戦闘では、たいてい魔法は敵にだけ当たる。
敵にダメージ。
味方に回復。
毒や眠りなどで、いつものように動けなくすること。
火や氷などの力を使う攻撃。
全体攻撃。
でも、環境にはほぼ当たらない。
草原は焦げない。
森は燃えない。
街道はえぐれない。
橋は落ちない。
街の壁は壊れない。
村人は巻き込まれない。
近くの宿屋も、何事もなかったように一泊させてくれる。
これはゲームとしては当然である。
毎回メテオで地形が変わったら、ゲームが成立しない。
街が壊れたらストーリーが進まない。
橋が落ちたら移動できない。
村人など、ゲームの中の人物が巻き込まれたら別ゲーになる。
だからゲームは、暗黙にこういうルールを持っている。
戦闘魔法は、基本的に戦闘対象にだけ効く。
周りの建物や地形まで壊れる仕組みはありません。
かなり優しい世界である。
現実なら完全に災害
でも、現実の物理で考えると話が変わる。
メテオは隕石である。
普通に都市災害である。
アルテマ級の究極魔法は、広い範囲を破壊する兵器に見える。
ジゴスパークは、雷や電気が襲い、周りの機械まで壊す災害である。
イオナズンは、危険な爆発を起こしたとして取り締まられそうな話である。
ギガデインは、天候操作またはものすごく強い雷が落ちる事故である。
バハムート召喚は、呼び出した巨大な生き物の被害に対応する人を集める必要がある。
街のそばで撃っていいものではない。
敵がスライムでも、終盤勇者が全体魔法を撃ったら、周辺の被害の方が大きい。
畑が終わる。
牛小屋が終わる。
村道がえぐれる。
水脈が変わる。
橋が落ちる。
近隣住民が避難する。
自治体が災害対応する。
勇者パーティーは救世主ではなく、
歩く災害として扱われる生き物
である。
守るための力が、守る場所を壊す問題
この違和感は、かなり大事である。
敵を倒すための力が、守るべき場所を壊してしまう。
これを、
住処破壊問題
と呼びたい。
勇者は街を守るために戦っている。
でも、その火力が強すぎると、街のそばで撃つだけで街が危ない。
敵を倒す。
でも畑も壊す。
魔物を消す。
でも橋も落とす。
世界を救う。
でも生活圏を壊す。
これでは本末転倒である。
守るための力が、守る対象を壊す。
この問題は、ゲームだけではない。
現実にもある。
強すぎる力は、対象だけを壊してくれない
強い力は、対象だけをきれいに壊してくれない。
これはかなり現実的な話である。
たとえるなら、敵を倒すために巨大怪獣を呼ぶようなものである。
目の前の敵は倒せるかもしれない。
でも、街も踏まれる。
道路も壊れる。
橋も落ちる。
住民も逃げる。
そして最終的に、こう言われる。
いや、敵より呼んだ怪獣の方が災害じゃん。
これはメテオも同じである。
敵だけを倒すつもりだった。
問題だけを解決するつもりだった。
不具合だけを直すつもりだった。
相手に分かってもらうつもりだった。
でも、使った力が強すぎると、対象だけでは済まない。
たとえば、
- お願いを受けて文章やプログラムを直す道具による大量修正
- 正論
- 怒りの長文
- 鋭くはっきり言葉にすること
- 一括置換
- 自動化
- 人が使っている場所や、現実の暮らしや人間関係への直接反映
- 恋愛の衝動
- 退職判断
- 上司への強い反論
- 交流サイトでの強い発信
これらは全部、現実のメテオになりうる。
狙いは一つかもしれない。
不具合を直したい。
相手に分からせたい。
状況を変えたい。
不満を終わらせたい。
関係を動かしたい。
今すぐ解決したい。
でも、火力が強すぎると、周囲まで壊す。
不具合だけではなくサイト全体が壊れる。
相手だけではなく関係性が壊れる。
正論だけではなく逃げ道まで塞ぐ。
怒りだけではなく信用が消える。
恋愛の違和感だけではなく関係全体が戻らなくなる。
一括修正だけではなく代金を払うまでの案内や、検索で見つけてもらう仕組みまで崩れる。
強い力は、影響範囲が広い。
だから、撃つ場所を選ぶ必要がある。
街でメテオを撃つな
一番大事なのはこれである。
街でメテオを撃つな。
街とは、人が使っている場所や、現実の暮らしや人間関係である。
実際に人がいる。
生活がある。
お金が動く。
信用がある。
関係がある。
戻せないものがある。
そこに強い力を直接撃つと、敵だけではなく街も壊れる。
開発なら、公開サイトに直接一括修正を入れること。
仕事なら、怒りのまま全員が同じ内容を読める宛先で、正論のメールを撃つこと。
恋愛なら、寂しさや不安のまま相手に長文を送ること。
お金なら、衝動で高額を動かすこと。
人生なら、疲れや不安で余裕がなくなったまま退職や結婚や復縁を決めること。
これは全部、街メテオである。
やりたい気持ちは分かる。
強い魔法を撃ちたい気持ちも分かる。
状況を一気に変えたい気持ちも分かる。
でも街では撃たない。
まず周りに影響を出さずに試せる場所で撃て
メテオを撃ちたいなら、まず周りに影響を出さずに試せる場所で撃つ。
下書きや手元の試し書きなら、人が使っているサイトや暮らし、人間関係に影響を出さずに確かめられる。
言い換えるなら、
メテオを試す場所
である。
たとえば、
- 下書き
- メモ
- 手元のパソコンだけで試す場所
- 公開前に動きや見た目を確かめる場所
- 試すための情報
- ChatGPTと話しながら考えること
- 自分だけが見る文章ファイル
- 送らないLINE
- 一晩置くための文章
- ゲーム
- 夢
ここなら撃てる。
怒りを全部書いてもいい。
正論を全部出してもいい。
お願いを受けて直す道具に全部直させてもいい。
メテオを撃ってもいい。
アルテマを撃ってもいい。
世界が水没しても、現実の街は沈まない。
まず砂場で撃つ。
その後、実際に人が使う場所で試す時は調整する。
火力を下げる。
範囲を狭める。
言い方を変える。
確認する。
元に戻せるように写しを取る。
相手が望む距離や、踏み込んでほしくないことを確かめる。
一晩置く。
これが現実で強い力を使う方法である。
勇者が魔王にならないために必要なもの
勇者と魔王の違いは、力の強さではない。
どちらも強い。
違いは、
その力をどこに撃つか
である。
魔王は、街ごと壊す。
勇者は、守るべきものを残す。
でも勇者が街のそばでメテオを連発したら、もう魔王と変わらない。
目的が正義でも、結果として街が壊れたら災害である。
これは現実でも同じ。
正しいことを言っている。
改善したいと思っている。
相手を守りたいと思っている。
自分の自由を守りたいと思っている。
それでも、撃ち方を間違えると、関係や環境を壊す。
だから、強い力を持つ人ほど、使い方を考える必要がある。
強い言葉を持つ人。
お願いを受けて文章やプログラムを直す道具を使える人。
出来事のつながりを整理できる人。
怒りを文章にできる人。
行動が早い人。
試行錯誤が得意な人。
こういう人ほど、メテオを持っている。
そして、メテオを持っている人ほど、周りに影響を出さずに試せる場所が必要である。
ゲームはメテオを許してくれる優しい世界
主人公になって冒険するゲームでは、街のそばでメテオを撃っても許される。
周りの建物や地形まで壊れる仕組みがないからである。
これはゲームとして優しい。
プレイヤーは気持ちよく強い魔法を使える。
敵を倒せる。
成長を感じられる。
地形を壊さずに済む。
ストーリーも進む。
ゲームは、魔法を安全に撃てる場所である。
つまり、ゲームは周りに影響を出さずに試せる場所である。
現実で撃ったら危ない魔法を、ゲームの中で撃てる。
だから気持ちいい。
ドラクエで強い呪文を撃つ。
ファイナルファンタジーで大魔法を撃つ。
エルデンリングで遠距離魔術を撃つ。
ホグワーツで呪文を撃つ。
それは全部、現実では危ない欲求を安全に試す行為でもある。
現実のメテオは、周りにも被害を出す
ゲームの魔法には、周りの建物や地形まで壊れる仕組みがないことが多い。
でも現実にはある。
怒りのメールを送ったら、相手との関係が変わる。
お願いを受けて直す道具に実際に人が使っているサイトを触らせたら、サイトが壊れる。
恋愛で相手が踏み込んでほしくないところに入ったら、信用が減る。
お金を動かしたら、資産状況が変わる。
強い正論を撃ったら、場の空気が壊れる。
退職判断を疲れや不安で余裕がない時に出したら、生活が変わる。
現実では、魔法は対象だけに当たらない。
環境に当たる。
人間関係に当たる。
信用に当たる。
未来に当たる。
だから、現実の魔法使いは慎重である必要がある。
慎重とは、何もしないことではない。
撃つ場所を選ぶこと
である。
アルテマもジゴスパークも、街では撃たない
現実の比喩として考えると、それぞれの魔法には対応する行動がある。
メテオ
怒り・お願いを受けて直す道具で、まとめて修正すること・強すぎる判断・人生を一気に動かす行動。
アルテマ
全方位に効く強い正論。
範囲が広すぎて、敵だけでなく味方も削る。
ジゴスパーク
その場の空気を一気に壊す電撃的な発言。
相手を止めるが、場も焦げる。
イオナズン
爆発的な感情表現。
言いたいことは伝わるが、周囲も吹き飛ぶ。
ワープ
距離を取る。
離脱する。
一人になる。
布団に逃げる。
夜散歩に行く。
ホイミ
シャワー。
睡眠。
飯。
夜風。
カエル。
甘いもの。
布団。
問題は、攻撃魔法が悪いわけではない。
必要な時もある。
でも街では撃たない。
撃つなら、敵との距離、地形、味方、住民、生活圏、影響範囲を見る。
現実なら、下書き、メモ、試すための場所、一晩置く、質問に答える道具に話しながら考えることを使う。
「お前魔王やんけ」は、かなり大事なツッコミ
街のそばでメテオを撃つ勇者に、
お前魔王やんけ
とツッコむのは、かなり大事である。
なぜなら、自分にも刺さるからだ。
自分は正しい。
自分は改善したい。
自分は守りたい。
自分は変えたい。
自分は本質を見ている。
そう思っていても、撃ち方を間違えると魔王になる。
守るための力が、守る場所を壊す。
相手に分からせるための言葉が、関係を壊す。
自分の自由を守る行動が、周囲の信頼を壊す。
改善のためのお願いを受けて直す道具による修正が、人が使っている場所や、現実の暮らしや人間関係を壊す。
目的が勇者でも、やり方が魔王なら、結果は災害である。
だから、自分の中にこのツッコミを持っておくといい。
「これ、街メテオじゃない?」
「今撃ったら魔王じゃない?」
「まず周りに影響を出さずに試せる場所じゃない?」
「味方と街、巻き込まない?」
この自分へのツッコミが、かなり効く。
まとめ:勇者ほど、街でメテオを撃ってはいけない
主人公になって冒険するゲームでは、街の近くでメテオやアルテマやジゴスパークを撃っても、街は壊れない。
ゲームだからである。
ゲームには、周りの建物や地形まで壊れる仕組みがない。
魔法は敵だけに当たる。
街も畑も橋も宿屋も無事。
でも現実は違う。
現実のメテオは、狙った相手だけでなく、周りにも被害を出す。
お願いを受けて直す道具。
正論。
怒りの長文。
一括修正。
恋愛衝動。
お金の判断。
退職判断。
鋭くはっきり言葉にすること。
これらは全部、撃つ場所を間違えると街を壊す。
だから、街でメテオを撃つな。
まず周りに影響を出さずに試せる場所で撃つ。
下書きで撃つ。
メモで撃つ。
ゲームで撃つ。
夢で撃つ。
手元のパソコンだけで試す場所で撃つ。
質問に答える道具に話しながら考えることで撃つ。
そして実際に人が使う場所で試す時は、火力を調整する。
勇者に必要なのは、強い魔法だけではない。
守る場所を壊さずに戦う方法を選ぶ力
である。
街のそばでメテオを撃つ勇者は、もう勇者ではない。
お前魔王やんけ。
