ポケモンチャンピオンズの「だいもんじ」が外れるとき

作品:『ポケットモンスター』

昼の対戦相手は本当に人間なのかという疑問、外れる技や麻痺・凍りへの悔しさ、晴れたときのリザードンYの強さを、対戦の記録から考える。

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ポケモンチャンピオンズを昼に触っていると、たまに思う。

これ、人間ではなくコンピューターが動かしている相手、多くない?

さすがに行動が弱い。
交代しない。
相性の悪い相手と向き合っている場面でもそのまま居座る。
明らかに勝つための手順を見ていない。
こちらが負けた後に、急に「これは勝てるでしょ」という相手が出てくる。

もちろん、公式が、ランクバトルにコンピューターが動かす相手を入れていると明言しているわけではない。公式サイト上では、ランクバトルは「世界中のポケモントレーナーと腕を競い合うことができるモード」と説明されている。対戦結果に応じてランクが変動し、実力の近い相手と戦うモード、という建付けだ。

ただ、プレイヤー側の観測としては、負けた後に、コンピューターが動かす相手との対戦らしき試合が挟まるという声はかなりある。攻略サイトでも、低いランクや敗北後の相手は人間なのか、という疑問が整理されている。

つまり体感としてはこうだ。

負ける
→ 救済っぽい相手が来る
→ 勝つ
→ 実力の目安になる点数は戻る
→ 感情だけ削られる

これが地味にだるい。

昼のチャンピオンズ、弱すぎる相手がいる問題

昼のランクバトルは、夜より参加している人が少ないのか、相手がどれだけ対戦に慣れているかの差が激しく見えることがある。

もちろん、人間でも弱い行動はする。
初心者なら、交代の価値がまだ分からないこともある。
相性を覚えきれていないこともある。
「今ここで引くべき」という判断ができないこともある。

でも、人間が操作していなさそうな相手はそれとは少し違う。

弱いというより、勝つための手順を見ていない感じがする。

たとえば、明らかに相性の悪い相手なのに交代しない。
まったく効かない技や、効き目が半分になる技を押し続ける。
こちらが技で攻撃や守りの能力を上げても、止めに来ない。
勝つまでの手順があるのに、ランダムに技を押しているように見える。

人間の弱さには迷いがある。
コンピューターが選んでいるように見える行動には、迷いすらない。

そこが気持ち悪い。

ただし、こうした行動だけで、人間かコンピューターかを判定できるわけではない。ここで書いているのは、対戦中に自分が感じた違和感である。

負けた後に勝ちやすい相手を出すなら、初心者を守るためとは考えられる

負けた後に勝ちやすくしてもらえる試合が入るとしたら、設計意図はかなり分かる。

新規プレイヤーが、いきなり経験者や、ポケモンを預けるサービス「Pokémon HOME」から手持ちのポケモンを連れてくる人にボコボコにされたら、すぐに離脱する。
ポケモン対戦は覚えることが多い。

  • 自分と相手のタイプで、技が効くかどうか
  • どちらが先に動くか
  • 相手がポケモンを交代するか予想すること
  • 攻撃や守りなどの能力を上げる技
  • 麻痺したり凍ったりしたときに起きること
  • 天候
  • そのポケモンが持つ特別な働き
  • 技を当てると、どれくらい相手の体力が減るか
  • 相手を倒すのに何回攻撃する必要があるか
  • 勝つまでの手順と、負けにつながる行動

このへんを何も知らない状態で実力を競う対戦へ入ると、負け続けるだけになる。

もしそういう仕組みがあるなら、負けた後に、人間が操作していなさそうな相手を挟んで「勝てる体験」を与えるのは、ゲーム運営としては合理的だ。

でも、対人戦をやりたい側からすると話が違う。

負けてもいいから、人間とやりたい。 勝たせるために用意された、コンピューターの相手はいらない。
その勝ちでは、自分の実力も、用意したポケモンの組み合わせが通用するかも確かめられない。

これが本音になる。

勝てば嬉しいわけではない。
強い相手に勝てた時が嬉しい。
あるいは、負けても「今の試合に出すポケモンの選び方が悪かった」「あのターンの行動が甘かった」と学べるなら価値がある。

でも人間が操作していなさそうな相手に勝っても、残るのは虚無だ。

運に振り回された試合は、反省会ではなく分類する

そのうえで、ポケモンにはもうひとつの地獄がある。

運による当たり外れ。

ストーンエッジを外す。
エアスラッシュを外す。
麻痺で動けない。
相手もこごえるかぜを外す。
その後、れいとうビームで凍る。

こうなると、もはや対戦ではなく、運の神が両プレイヤーを順番にビンタしているだけになる。

この手の試合で真面目に反省しすぎると、精神が削れる。

だから分類した方がいい。

試合の記録の3分類

1. 技や交代を選び間違えて負けた試合

これは反省する。

試合に出すポケモンの選び方が悪かった。
交代タイミングが悪かった。
勝つための手順を見落とした。
相手がどの失敗しにくい行動を選ぶか、予想できていなかった。
技を押す順番が違った。

これは次に直せる。

2. 育てて用意した組み合わせや、試合に出すポケモンが合わなかった試合

これも反省する。

そもそも相手の組み合わせに対して戦えるポケモンが少なかった。
最初に出したポケモンの相性が悪すぎた。
特定のポケモンの攻撃に、こちらの誰も対応できなかった。
相手の攻撃を耐えられる、交代先のポケモンがいなかった。

これは育てて用意する組み合わせや、試合に出すポケモンの選び方を変える材料になる。

3. 運に振り回された試合

これは笑う。

当たる確率85パーセントの技を外した。
麻痺で止まった。
追加効果で凍った。
相手も外した。
お互いに「いや俺悪くなくね?」となった。

この種類の試合は、反省しすぎない。

もちろん、普段は外れにくい技で戦う方法があったなら、次に生かす。
麻痺を避ける方法があったなら、次に生かす。
でも、外したこと自体は反省しない。

外したのは自分ではない。
外したのは技だ。

だいもんじは技ではなく祈祷

そして、リザードンYを使うと避けて通れないのがこれだ。

だいもんじ、当てろよ。

だいもんじは、技そのものの強さが110、当たる確率が85パーセントのほのお技。殴る・ぶつかる強さとは別の能力で、相手の体力を減らせる量が決まる。
数字だけ見れば優秀だが、実戦ではこの15%が重すぎる。

押すたびに祈る。

当てろよ。
ここ外したら終わりだぞ。
お前は太陽だろ。
太陽が外すな。

もう対戦ではない。
祈祷である。

リザードンYのだいもんじは、当たれば終わり

リザードンYのだいもんじが怖いのは、外すからではない。

当たった時に減らせる体力が大きすぎるから怖い。

メガリザードンYは、こうした技の強さを決める、種類ごとの基礎の数値が159と高い。
さらに、そのポケモンが持つ特別な働き「ひでり」で天候を晴れにできる。
自分と同じほのおタイプの技を使うことで威力が上がり、晴れた天候によってさらに強くなる。

つまり、ざっくり言えばこうだ。

こうした技を強くする高い能力
× 自分と同じほのおタイプの技
× 晴れによる強化
× だいもんじ自体の強さ110

これで撃つ。

半減されない相手に当たると、画面の減り方がおかしい。
相手の残りの体力を示す棒が、削れるというより溶ける。

カバルドンのように、殴る・ぶつかる攻撃には強そうなポケモンも、別の守りの能力で耐える必要がある炎の技で焼かれる。
ブリジュラスも、受け方を間違えるとそのまま崩れる。
ライチュウのような攻撃を耐える力が高くない相手は、晴れだいもんじの前では消し飛ぶ。

実際、こういう試合がある。

龍鱗反発。
当てよろ。
だいもんじ。
ブリジュラス、カバルドン、ライチュウと、相手のポケモンを続けて3匹倒す。

当たれば終わり。

これがリザードンYの快感であり、危険なところでもある。

3回当てる確率は、思ったより低い

だいもんじの当たる確率は85%。

1回なら、まあ当たる気がする。
2回でも、まだ当たる気がする。
3回になると、少し話が変わる。

毎回の当たる確率が同じで、互いに影響せずに当たり外れが決まると考えて計算すると、

0.85 × 0.85 × 0.85 = 約0.614

つまり、3回連続でだいもんじを当てる確率は約61.4%。

裏を返せば、3回撃つと約38.6%の確率でどこか1回は外す。

これを高いと見るか、低いと見るか。

リザードンY側の感覚としてはこうだ。

当たれば相手のポケモンを続けて3匹倒せる。
外せば試合が壊れる。

だから毎回「当てろよ」になる。

かえんほうしゃは偉い。でも、だいもんじは世界を焼く

安定を取るなら、かえんほうしゃの方が精神にいい。
普段は外れにくい技は、試合を壊さない。
勝てる試合を勝ちやすくする。

でも、相手の体力を減らせる量が足りない時がある。

かえんほうしゃなら耐えられる。
だいもんじなら落ちる。

この場面があるから、だいもんじは外せない。

かえんほうしゃは、健全な技。
だいもんじは、狂った技。
リザードンYのだいもんじは、狂った技に太陽を持たせたもの。

だから心が荒れる。

当てたら神。
外したら死刑。
でも押す。

それがリザードンY。

実力の目安になる点数がプラマイゼロでも、感情は削れる

問題は、こういう試合をやったあとだ。

人間が操作していなさそうな相手に勝つ。
運による当たり外れで負ける。
運による当たり外れで勝つ。
だいもんじを当てる。
だいもんじを外す。
実力の目安になる点数は結局プラマイゼロ。

でも、感情だけは削れている。

これが一番だるい。

実力の目安になる点数が増えないなら、せめて学びがほしい。
でも運に振り回された試合は、学びが少ない。
相手が人間なのか疑わしい試合も、人と戦っている感じが薄い。
技が外れたことを反省しすぎると、気持ちが参ってしまう。

だから、こういう日は勝率ではなく観察したことの記録として処理するのがよい。

今日は昼の対戦相手によって、慣れ具合に差があると感じた。
負けた後の相手は人間なのか、疑問が残った。
だいもんじで、どの相手を一撃で倒せるか確かめた。
リザードンYで、相手のポケモンを続けて3匹倒せる強さを感じた。
運に振り回された試合は、自分の実力を判断する材料から外した。

これでいい。

相手が人間なのか疑わしい試合で、試せること

人間が操作していなさそうな相手に当たった時は、勝率評価に入れない。

ただし、使い道はある。

  • 最初に出すポケモンと技の確認
  • 技でどれだけ相手の体力を減らせるか
  • こちらの交代を予想して動かない相手に、勝つまでの手順を試す練習
  • リザードンYが攻撃し続けられる場面の作り方
  • 当たらないことがある技を押す場面の確認
  • 勝つための手順を作ってから押し切る練習

コンピューターが動かしているように見える相手との試合は、自分の中では、人との対戦の評価より、技や手順を試す練習として扱う。

「勝った」と思わない。
「試した」と思う。

そうすると、少しだけ虚無感が減る。

リザードンYは、祈祷込みで強い

結論として、リザードンYは強い。

ただし、安定して強いというより、
当たると相手の体力がごっそり減り、理性が吹き飛ぶような強さだ。

晴れだいもんじが通る場面を作れたら、相手が攻撃に耐えるための手順が崩れる。
ブリジュラス、カバルドン、ライチュウのような組み合わせも、当てればまとめて焼ける。
「当たれば終わり」の圧がある。

でも、その代わりに毎回祈ることになる。

だいもんじ、当てろよ。

この一言に、リザードンY使いの全部が詰まっている。

まとめ

ポケモンチャンピオンズのランクバトルは、対人ゲームでありながら、体感としてはかなり複雑だ。

昼は弱い相手や人間が操作していなさそうな相手が混ざる。
負け後に勝ちやすくしてもらえる試合のような挙動を感じる。
運に振り回されて、試合の流れが崩れる。
麻痺、凍り、当たらないことがある技で感情が荒れる。
実力の目安になる点数はプラマイゼロなのに、心だけ削れる。

その一方で、リザードンYのだいもんじが全部当たって相手のポケモンを続けて3匹倒すと、全部どうでもよくなる。

これがポケモン対戦の怖さだ。

理不尽。
祈祷。
相手の体力を減らす量。
運による当たり外れ。
勝つための手順。
怒り。
快感。

全部混ざっている。

だから、今日の結論はこれでいい。

だいもんじは技ではない。
リザードンYが太陽に向かって撃つ、当たる確率85パーセントの祈りである。

当てろよ。ほんまに。


参考資料(5件)


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