description: 推しに悶える「クネクネ」と、ネットでだらだら馴れ合う「クネクネ」は同じ意味?「クネつく」「メロつく」との違い、2006年からの用例を整理。
「オタクがクネるって何?」「クネつく?」「いや、クネクネ?」
単語を確認するだけで質問者の日本語がくねくねしてくる。答えは一個だと思いたい。でもインターネットはそんなに素直じゃなかった。
まず何をしているのか
普段の「くねくね」は、体や道が曲がったり、身をよじったりする様子。そこからオタクの話では、推しの言動に照れてもじもじする、好きすぎて身もだえする、といった感情を体の動きにたとえる読み方ができる。
2026年2月の個人投稿にも、オタクが「くねくねしてる」と言うことへの言及がある。ただし投稿者自身が「みんな使うのに意味がつかみきれない」と書いている。つまりこれは、辞書に載った唯一の新語定義というより、状況で意味を補って読む表現だ。[1]
ところがネットに別のクネクネがいた
2022年の投稿では、SNSに長く居座って、何となく書き込み、仲間と話し、時間を溶かすような行動が「クネクネ」と呼ばれている。[2]
さらに2006年のブログでは、「クネクネ」をネット上の「馴れ合い」に近い言葉として紹介している。[3] こちらの主役は推しでも腰の動きでもない。人間関係である。
「推しが尊すぎてクネクネ」と「今日もSNSでクネクネ」は、似た音なのに違う方向へ曲がっている。片方は感情のもじもじ、もう片方は交流やネット上の暇つぶし。言葉の使用域が重なっても、全例が同じ語源・一本の歴史だと証明されたわけではない。
「クネつく」と「メロつく」は同じ?
「クネつく」は実際に見かけることがある書き方だが、今回確認できた資料だけでは、広く共有された固定の辞書的意味までは確定できない。前後に「かわいい」「推し」「動き」などがあれば、身をよじる・照れて落ち着かない感じとして読むのが自然な場合がある。
「メロつく」は相手にメロメロになる感情を前に出す言い方。「クネクネ」は、身もだえの動作にも、SNSでぐだぐだ過ごす行動にも寄れる。名前が似ているからといって自動的に同義語にはならない。
例で見ると早い
以下は意味の違いを示すための作例で、実在の投稿を引用したものではない。
- 「推しが目を合わせて笑った。もうクネクネしてる」――照れと高揚で落ち着かない。
- 「休日、SNSでずっとクネクネして終わった」――ネットで時間を溶かした。
- 「いつもの仲間とコメント欄でクネクネ」――内輪のやり取りに浸る。
どれも体が実際に曲がったという報告ではない。ネットでは比喩まで腰を使う。
結局、何と訳せばいい?
「推し」と一緒なら、照れる・悶える。「SNS」「一日中」なら、だらだらネットにいる。「いつものメンバー」なら、馴れ合う。まず隣の単語を見るのがいちばん早い。
初見では「クネクネ? え、クネつく? メロつく?」となるのも無理はない。言葉が曲がるたび意味も曲がるのだから。オタクの感情だけでなく、インターネットの日本語そのものが柔軟体操を始めている。
参考資料(1件)
[1] 「クネクネ」個人投稿、2026-02-01: https://note.com/o_oeggplant/n/n8cfdad4c3a40 [2] 「くねくね-インターネットの妖怪は感染する」、2022-01-21: https://note.com/kuroishimi/n/nc3f3d094e077 [3] 「クネクネくねくね。」、2006-10-08: https://makaronisan.hatenablog.com/entry/20061008/1160242450




