中国からアクセスを増やしたい。「中国版Bingみたいなやつ」は百度だった――Sitemap登録からAPI送信まで、Baidu SEOの入口を全部やる

中国からのアクセスが少しずつ増えてくると、だいたい次の疑問が出てくる。

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中国からのアクセスが少しずつ増えてくると、だいたい次の疑問が出てくる。

「中国って、Googleじゃなくて何使ってるんだっけ。中国版Bingみたいなやつ、登録するところなかった?」

ある。

百度(Baidu)である。

正確には「中国版Bing」ではなく、中国で大きな検索サービスを展開する百度の検索エンジンだ。そしてサイト運営者向けには「百度搜索资源平台(Baidu Search Resource Platform)」という公式のウェブマスター向け管理画面がある。

ここでさらに、もう一段ややこしい。

「でもGoogle Search ConsoleにSitemapを出したし、世界向けSitemapはもう作った。じゃあ中国も勝手に見てくれるのでは?」

半分正解で、半分違う。

Sitemapという“URL一覧ファイル”は使い回せることが多い。しかし、そのSitemapを「うちのサイトです。読みに来てください」と検索エンジンへ提出する作業は、Google、Bing、Naver、Baiduで別々だ。

全世界Sitemapを作った。 地球征服、完了。

……ではない。

地図は作った。 各国の入口にまだ渡していない。

今回は、百度にサイトを追加し、所有権を確認し、Sitemapを登録し、さらに新着URLをAPIで送るところまで、2026年10月時点で百度公式資料を確認しながら整理する。

1. まず結論:百度には「検索資源プラットフォーム」がある

百度検索資源プラットフォームは、Google Search Consoleに近い立ち位置の公式ツールだ。

公式ガイドでは、利用前に、

  1. 百度アカウントでログイン
  2. サイトを追加
  3. サイト所有権を確認
  4. リンク送信機能を使う

という流れが案内されている。

所有権確認後に使える「普通收录」では、主に次の3方式が用意されている。

  • API提交:APIでURLを送る
  • Sitemap:Sitemapファイルを登録する
  • 手动提交:URLを手作業で送る

つまり、Google Search Consoleでやったことを、中国向けには百度でもやる。

検索エンジンは国連ではない。 Googleに提出した書類が自動で百度庁舎まで回覧されるわけではない。

2. 「全世界向けSitemap」は作り直す必要があるのか

基本は、作り直さなくていい。

すでにサイト全体の公開URLを列挙するSitemapがあるなら、それを百度でも使える可能性がある。

ただし百度には重要な罠がある。

百度の公式マニュアルは、検索資源プラットフォームのSitemap送信について「索引型Sitemapを現在は処理しない」と案内している。

ここでいう索引型は、こういう構造だ。

<sitemapindex>
  <sitemap>...</sitemap>
  <sitemap>...</sitemap>
</sitemapindex>

これは「Sitemapの中にURLを書く」のではなく、「別のSitemapファイルの一覧を書く」方式である。

Googleでは巨大サイトで普通に使われる。

ところが百度の普通收录のSitemap送信では、URLを直接並べるファイルが要求される。

<urlset>
  <url><loc>https://example.com/page-1</loc></url>
  <url><loc>https://example.com/page-2</loc></url>
</urlset>

または、1行1URLのtxt形式だ。

なので判断は簡単。

  • 今のSitemapが urlset 型 → そのまま候補
  • 今のSitemapが sitemapindex 型 → Google用は壊さず、百度用に直接URL列挙Sitemapを追加する

ここで絶対にやってはいけないのが、「百度がindex型を嫌うなら、Google用のSitemapまで作り替えよう」である。

検索エンジンごとの都合で、すでに動いている別エンジン向け資産を壊す必要はない。

百度専用品を1枚足せばいい。

3. 百度へのサイト登録手順

入口は百度搜索资源平台。

ログイン後、公式の案内では「用户中心 → 站点管理 → 添加网站」からサイトを追加する。

HTTPSサイトなら、https:// を含めた実際にアクセスできるURLを登録する。

例:

https://example.com/

その後、サイト属性など必要項目を入力して所有権確認へ進む。

画面名称は改修で多少変わる可能性があるが、「サイト追加」「所有権確認」「資源提交」という大枠は同じだ。

なお、百度は2023年に、未实名认证アカウントや低品質サイトなどについてSitemap送信機能を停止したり、APIの送信枠を調整する場合があると案内した。

もし現在の画面で本人確認や主体情報を求められたら、「なんで検索登録に本人確認が出てくるんだ」と思っても、バグとは限らない。

中国SEO、入口から急に役所感がある。

4. 所有権確認は「ファイル確認」がわかりやすい

現在の百度公式マニュアルでは、サイト所有権確認として主に、

  • 文件验证:確認ファイルをサイトへ置く
  • HTML标签验证:首页のhead内へ確認タグを置く

が案内されている。

以前はCNAME確認もあったが、百度は2023年1月13日に新規のCNAME验证を一時停止すると告知した。

なので新規登録なら、まずファイル確認がわかりやすい。

流れはこうだ。

  1. 百度の画面で「文件验证」を選ぶ
  2. 指定された確認ファイルをダウンロード
  3. ファイル名と内容を変更せずサイト直下へ配置
  4. ブラウザから確認ファイルURLへ直接アクセス
  5. 200で正しい内容が返ることを確認
  6. 百度画面へ戻って「完成验证」を押す

例:

https://example.com/baidu_verify_xxxxx.html

重要なのは、「置いたつもり」ではなく外から取得できること。

Cloudflare、Worker、リダイレクト、静的ファイル配信の都合で、ルートに置いたはずのファイルが404になっていたら百度には見えない。

また百度は、確認後も確認ファイルやHTMLタグを残すよう案内している。

合格通知をもらった瞬間に受験票を燃やすタイプの運用はやめよう。

5. Sitemap登録で一番ハマるのは「index型」

サイト確認が終わったら「资源提交 → 普通收录」付近からSitemapを登録する。

公式マニュアルでは、

  1. Sitemapファイルをサイト上へ配置
  2. 所有権確認済みサイトでSitemapツールを開く
  3. 「添加新数据」
  4. ファイル種別で「URL列表」
  5. Sitemap URLを入力
  6. 送信

という流れになっている。

そして仕様上の重要点がこれ。

百度の公式FAQでは、Sitemapファイルはxmlまたはtxtで、ファイル内にURLを直接入れ、1ファイル最大5万URL、10MB未満と案内している。

大規模サイトではここが重要になる。

たとえば、

2,000記事 × 12言語 = 24,000 URL

なら、記事URLだけなら5万未満なので1ファイルへ収められる可能性が高い。

一方、カテゴリ、タグ、ページ送り、派生ページなどまで全部入れて5万を超えるなら、複数の直接URL型Sitemapへ分割する。

ただし「分割したからSitemap indexで束ねよう」は、また百度の罠へ戻る。

百度へは必要な直接URL型ファイルを個別に登録する設計の方が安全だ。

6. SitemapだけでなくAPI送信も入れると、新着サイトと相性がいい

百度の公式ガイドでは、普通收录の3方式のうちAPI送信が最も速い方法として案内されている。

Sitemapは全体在庫を定期的に知らせるのが得意。 APIは「今、新しいURLが生まれました」を知らせるのが得意。

記事を頻繁に公開するサイトなら、両方使うのが自然だ。

考え方はこうなる。

全体在庫 → Sitemap
新着差分 → API

百度のAPI画面では、サイトごとの送信URLとtokenが表示される。

公式例はおおむね次の形だ。

http://data.zz.baidu.com/urls?site=example.com&token=YOUR_TOKEN

そして本文には1行1URLで送る。

ただしtokenは秘密情報である。

GitHubの公開Markdown、ソースコード、記事本文、スクリーンショットへ貼らない。 環境変数やSecretとして保持する。

記事公開フローへ組み込むなら、

記事生成
→ 品質確認
→ 本番公開
→ 本番URLが200で返ることを確認
→ 百度APIへそのURLだけ送信
→ 送信結果を記録

の順番がいい。

公開前URLを先に百度へ投げて404を食わせる必要はない。

検索エンジンに「新店オープンしました!」とチラシを配って、現地へ行ったらまだ更地。 これは普通に感じが悪い。

7. CloudflareやBot対策でBaiduspiderを自分から殴っていないか

Sitemapを登録しても、Baiduspiderがページを取得できなければ終わる。

百度の公式「抓取异常」マニュアルでは、代表的な異常として、

  • DNS異常
  • 接続タイムアウト
  • ダウンロードタイムアウト
  • 接続拒否
  • 403
  • 404
  • 5xx

などを挙げている。

CloudflareやWAF、Bot対策を強くしているサイトでは特に403に注意したい。

「Botを防いだぞ!」 「検索Botも全部防いだぞ!」 「検索流入が来ないぞ!」

完璧な防御である。 敵も客も入れない城。

もちろん、User-AgentがBaiduspiderだから無条件に全アクセスを信用する、という雑なホワイトリストもよくない。

やるべきなのは、百度の抓取诊断・抓取异常を見ながら、本当に検索クローラが200で必要ページを取得できているか確認することだ。

8. 海外サーバーだから即アウト、ではない。ただし「中国から届くか」は重要

百度のSEO公式ガイドは、「海外サーバーのサイトだからという理由だけで差別しない」と説明している。

一方で、Baiduspiderは中国国内側からアクセスするため、中国の一般ユーザーから到達しにくいサイトはクローラも取得しにくい、とも説明している。

つまり、

海外ホスティング = 即アウト

ではない。

しかし、

海外では爆速、中国からはタイムアウト祭り

なら問題になる。

中国流入を本気で増やすなら、Sitemap提出だけでなく、中国側からの表示速度、HTML本体が取れるか、重要なCSS/JSが失敗していないかも確認対象になる。

「百度に登録したのに来ない」は、登録画面ではなくネットワーク側が犯人のこともある。

9. そして一番大事:送信成功と検索掲載は別物

百度のリンク送信ページは明確に、「リンク送信はクローラがURLを発見する時間を短縮するためのもので、送信したURLの収録を保証しない」と説明している。

ここは大事だ。

API成功 ≠ クロール成功 ≠ インデックス成功 ≠ 上位表示 ≠ 中国アクセス爆増

である。

SitemapとAPIは「存在を知らせる入口」。

その先は、

  • 簡体字中国語で読める本文
  • タイトルと本文が一致している
  • 薄い量産ページになっていない
  • 内部リンクで孤立していない
  • ページが安定して速く開く
  • モバイルで読みやすい
  • 中国から取得可能
  • 同じ内容の大量重複を作らない

といった普通の検索品質が効いてくる。

百度は低品質ページの例として、文字化け、不自然な文章、重複・拼接、無関係な内容、粗いレイアウトなども挙げている。

12言語化しているサイトなら特に、「12個URLを作った」だけで終わらず、中国向けページが本当に中国語として読めるかを見る必要がある。

翻訳ボタンを12回押しただけの国際化は、だいたい読者にバレる。

10. 実運用の完成形は「Sitemapを土台、APIを差分通知」

最終的にはこうするのがわかりやすい。

公開済み全URL
    ↓
直接URL列挙型のBaidu Sitemap
    ↓
百度搜索资源平台へ登録

それとは別に、

新記事公開
    ↓
本番200確認
    ↓
Baidu APIへ新URL送信
    ↓
成功/失敗を記録

Sitemapは保険。 APIは速報。

片方だけより、役割を分けた方が運用しやすい。

そして、既存のGoogle/Bing/Naver向けSitemapが正常なら、それを壊してまで百度に合わせない。

百度だけ仕様が違うなら、百度用アダプターを追加する。

全員に同じ靴を履かせるのではなく、玄関ごとに靴を置く。

11. 初回だけ人間がやるチェックリスト

最初の一回はこれでいい。

  1. 百度搜索资源平台へログイン
  2. サイトを追加
  3. ファイルまたはHTMLタグで所有権確認
  4. 確認ファイルを消さない
  5. 現在のSitemapが urlset か sitemapindex か確認
  6. urlsetなら既存Sitemapを候補にする
  7. sitemapindexなら百度専用の直接URL型Sitemapを作る
  8. Sitemapを普通收录へ登録
  9. API提交のtokenをSecretとして保存
  10. 公開後200確認済みURLだけAPI送信
  11. 抓取异常・抓取诊断で403/404/5xxを確認
  12. 「送信済み」と「収録済み」を混同しない

これでようやく、「中国向け検索流入の入口を作った」と言える。

12. 結局、何をやればいいのか

中国からアクセスが増え始めたなら、百度を無視する理由はあまりない。

やること自体は意外と地味だ。

サイトを登録する。 所有権を確認する。 Sitemapを渡す。 新着URLをAPIで送る。 Baiduspiderが取れているか見る。

以上。

ただし最大の罠は、「世界向けSitemapをすでに作った=世界中の検索エンジンへの提出も終わった」と考えることだ。

Sitemapは地図。 登録は配達。

地図を作って机の上に置いただけでは、百度は取りに来てくれるとは限らない。

中国流入を狙うなら、地図を百度の受付まで持っていこう。

そして受付まで行ったら、ついでにAPIという速達も契約しておく。

参考資料

  1. 百度搜索资源平台「搜索资源平台使用指南」 https://ziyuan.baidu.com/college/articleinfo/?id=3329
  2. 百度搜索资源平台「平台工具使用手册:网站验证」 https://ziyuan.baidu.com/college/articleinfo?id=267&page=1
  3. 百度搜索资源平台「公告:站点验证暂停CNAME验证的通知」 https://ziyuan.baidu.com/wiki/3462
  4. 百度搜索资源平台「平台工具使用手册:Sitemap」 https://ziyuan.baidu.com/college/articleinfo?id=267&page=2
  5. 百度搜索资源平台「资源提交工具常见问题解析」 https://ziyuan.baidu.com/college/articleinfo?id=3217
  6. 百度搜索资源平台「链接提交」 https://ziyuan.baidu.com/linksubmit/url/
  7. 百度搜索资源平台「抓取异常」 https://ziyuan.baidu.com/college/articleinfo?id=277
  8. 百度搜索资源平台「百度搜索引擎优化指南2.0」 https://ziyuan.baidu.com/college/articleinfo?id=1349
  9. 百度搜索资源平台「关于回收网站提交配额的通知」 https://ziyuan.baidu.com/college/articleinfo?id=3531
  10. 百度搜索资源平台「百度搜索违规低质页面问题说明」 https://ziyuan.baidu.com/college/articleinfo?id=3528
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