不動産投資に向いている人は?数字だけでなく、人・建物・融資を扱える人

不動産投資について調べていると、よくこういう話を聞きます。

読書機能の使い方

聴く:本文を読み上げます。速読:語句を順に表示し、速さを調整できます。語学練習:別の言語版と対訳を読み比べます。保存:このブラウザーにブックマークし、プレイヤーの保存済み一覧から開けます。

この記事をシェア
広告
広告

はじめに

不動産投資について調べていると、よくこういう話を聞きます。

「株や投資信託は価格が動くから怖い」
「不動産は家賃が入るから安定している」
「うまくいっている人の手順を真似すれば成功しやすい」

この考え方は、全部間違いというわけではありません。

不動産投資には、銀行融資を使える、家賃収入がある、現物資産が残る、インフレに強い場合がある、という強みがあります。

ただし、現物不動産は単なる「投資商品」ではありません。

実態はかなり、借金を使った賃貸経営です。

だから、不動産投資に向いている人は、単に「利回りが好きな人」ではありません。
数字だけでなく、人・建物・融資・修繕・入居者・出口まで含めて扱える人です。

不動産投資は「投資」ではなく「賃貸経営」に近い

不動産投資の広告では、次のような数字が目立ちます。

  • 表面利回り
  • 満室想定利回り
  • 積算評価
  • 融資可能額
  • 月々のキャッシュフロー
  • 節税効果

もちろん、これらは大事です。

しかし、現物不動産で本当に見るべきものは、数字の後ろにある運営です。

たとえば、金融庁の投資用不動産向け融資に関する調査でも、賃貸事業のリスクとして、空室、家賃下落、修繕費、災害、金利上昇、サブリース契約の留意点などが挙げられています。
つまり、行政側の資料でも、不動産投資は「賃貸事業」としてのリスク理解が必要なものとして扱われています。

出典:金融庁「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」
https://www.fsa.go.jp/news/30/20190328.PDF

要するに、不動産投資は、

物件を買えば終わり

ではありません。

買った後に、

  • 入居者を維持する
  • 空室を埋める
  • 建物を修繕する
  • 管理会社を管理する
  • 融資返済を続ける
  • 税金や保険を払う
  • 最後に売却出口を考える

という運営が続きます。

ここを面白いと思える人は、不動産投資に向いています。
ここを重いと感じる人は、不動産投資に向いていない可能性があります。

不動産投資に向いている人

1. 現物不動産を「事業」として見られる人

不動産投資に向いている人は、物件を「放置でお金を生む箱」とは見ません。

むしろ、

この物件は、小さな賃貸事業である

と見ます。

家賃は売上です。
管理費、修繕費、広告料、原状回復費、固定資産税、保険料、ローン返済はコストです。
空室は売上減少です。
修繕は設備投資です。
管理会社は外注先です。
入居者は顧客です。

こう見られる人は強いです。

逆に、「不動産は安定しているらしい」「家賃でローンが返せるらしい」という感覚だけで入ると危険です。

2. 人間が絡むリスクを処理できる人

不動産投資では、かなり多くの人が絡みます。

  • 仲介業者
  • 売主
  • 金融機関
  • 管理会社
  • 修繕業者
  • 入居者
  • 保険会社
  • 税理士
  • 近隣住民

金融商品と違って、現物不動産では「相手の仕事の質」が収益に直撃します。

修繕業者の見積もりが甘い。
管理会社の動きが遅い。
仲介業者の説明が薄い。
売主が不利な情報を出したがらない。
入居者トラブルが起きる。

こういうことが起きたときに、

じゃあ確認しよう
見積もりを取り直そう
契約条件を確認しよう
管理会社を変えよう
専門家に相談しよう

と動ける人は、不動産投資に向いています。

逆に、対人調整や相手の品質確認が大きなストレスになる人は、現物不動産はかなり重いです。

3. 修繕・建物・現地確認を避けない人

不動産投資では、建物の状態が重要です。

屋根、外壁、給排水、雨漏り、シロアリ、共用部、駐車場、境界、法令、ハザード、修繕履歴。
こうした部分を確認する必要があります。

国土交通省も、既存住宅の取引において建物状況調査(インスペクション)の活用を案内しており、2024年には制度見直しも行われています。
ただし、建物状況調査は万能ではなく、トラブル回避の観点から「瑕疵の有無を判定するものではない」などの限界も明記されています。

出典:国土交通省「既存住宅流通について(建物状況調査の活用に向けて)」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk3_000001_00063.html

つまり、調査すれば全部安全、ではありません。
調査しても限界があります。

それでも、調査しないよりはリスクを減らせます。
この「完全には消えないが、確認で減らす」という世界に耐えられる人は、不動産投資に向いています。

4. 借金を使う意味を冷静に見られる人

不動産投資の大きな強みは、銀行融資を使えることです。

自己資金だけでは買えない規模の物件を、借入によって取得できます。
これがうまくいけば、自己資金に対するリターンは大きくなります。

ただし、融資は魔法ではありません。

空室でも返済日は来ます。
修繕が発生しても返済日は来ます。
家賃が下がっても返済日は来ます。
金利が上がっても返済日は来ます。

だから、不動産投資に向いている人は、

借りられるから買う

ではなく、

借りても耐えられるから買う

と考えます。

金利上昇、空室、家賃下落、修繕費を入れても、まだ返済できるか。
ここを冷静に見る人は強いです。

5. 「うまい人の手順」の中身を理解できる人

不動産投資では、成功している人の手順を真似ることに価値があります。

物件の見方、融資の組み方、管理会社の選び方、修繕費の見方、買付の出し方、出口の考え方。
これらは、学ぶ価値があります。

ただし、その手順の中には、かなり人間対応が含まれています。

料理でたとえるなら、

レシピはある。
でも、食材・店員・客・天気・設備故障・家賃・金利・業者の誠実さはランダム。
それでも店を回せる人なら勝てる。

という話です。

不動産投資に向いている人は、このランダム性を理解したうえで、

だから確認する
だから交渉する
だから現地を見る
だから業者を比較する
だから最悪ケースで計算する

と考えます。

手順を「安心材料」としてではなく、「リスクを減らす道具」として使える人が向いています。

6. 心理コストも経費として見られる人

不動産投資では、お金以外のコストもあります。

  • 物件探しの時間
  • 資料精査の時間
  • 現地確認の移動
  • 業者とのやり取り
  • 修繕見積の確認
  • 入居者トラブルへの不安
  • 融資面談
  • 税務処理
  • 売却時の交渉

これらは、数字には出にくいですが、立派なコストです。

さらに、高額な不動産投資コミュニティ、講座、相談料、会費などを払う場合、それも投資コストです。

会費を払って知識を得ること自体は悪くありません。
ただし、物件で利益が出る前に、会費・交通費・相談料・時間で赤字になることもあります。

不動産投資に向いている人は、

勉強代も含めた総コストで、まだ割に合うか

を見ます。

不動産投資に向いていない人

1. 数字だけ見ていたい人

数字を見るのが好きな人は、不動産投資にも向いているように見えます。

しかし、現物不動産は数字だけでは終わりません。

利回り、家賃、返済額、修繕費、税金。
これらの数字は大事です。

ただ、その数字の裏には、

  • 人
  • 建物
  • 契約
  • 現地
  • 地域
  • 災害
  • 修繕
  • 管理

があります。

数字だけ見ていたい人にとって、不動産投資はかなりストレスが大きい可能性があります。

2. 対人調整が苦手な人

不動産投資は、対人調整をゼロにはできません。

管理会社に丸投げしても、管理会社を選ぶのは自分です。
修繕業者に任せても、見積もりを判断するのは自分です。
仲介業者に任せても、契約条件を確認するのは自分です。

対人調整が苦手な人、相手の仕事品質に左右されるのが嫌な人、後出しや説明不足が大きなストレスになる人は、現物不動産には慎重でいいです。

3. 「誰かに教えてもらえば安全」と思っている人

うまい人に教えてもらうことは有効です。
しかし、それでリスクが消えるわけではありません。

教えてもらえるのは、主に判断のポイントです。

  • ここを見る
  • これは危ない
  • この数字は盛られている
  • この修繕は重い
  • この融資条件は厳しい

こうした助言は価値があります。

でも、最終的に買うのは自分です。
借金を背負うのも自分です。
空室や修繕に対応するのも自分です。

国民生活センターも、投資用マンションなどの不動産投資にはリスクがあり、必ず儲かるわけではないと注意喚起しています。強引な勧誘や、収入に合わない高額なローン、虚偽申告を指示されるケースにも注意が必要です。

出典:国民生活センター「20歳代に増える投資用マンションの強引な勧誘に注意!」
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190328_1.html

「詳しい人がいるから大丈夫」ではなく、
「詳しい人の助言を聞いても、最終判断は自分で背負えるか」が重要です。

4. 満室想定利回りだけでワクワクしてしまう人

不動産広告では、満室想定利回りが強調されがちです。

しかし、満室想定はあくまで想定です。

現況で何戸入っているか。
空室は何ヶ月続いているか。
想定賃料は地域相場と合っているか。
退去後にどれくらいで埋まるか。
広告料はいくら必要か。
原状回復費はいくらかかるか。

ここを見ないと、満室想定利回りは絵に描いた餅になります。

向いている人は、満室想定よりも現況と下振れを見ます。
向いていない人は、満室想定利回りをそのまま信じてしまいます。

不動産投資に向いている人チェックリスト

以下に多く当てはまる人は、不動産投資に向いている可能性があります。

  • 不動産を「投資商品」ではなく「賃貸経営」として見られる
  • 業者や管理会社に違和感があれば確認・指摘できる
  • 修繕や建物の確認を面倒だと思いすぎない
  • 金利上昇、空室、家賃下落、修繕を入れて計算できる
  • 現地確認やヒアリングを投資の一部として受け入れられる
  • 対人調整を完全には避けられないと理解している
  • 「うまい人の手順」を、安心材料ではなくリスク低減策として使える
  • 会費、講座代、相談料、移動時間もコストとして見られる
  • 売却出口まで考えられる
  • 最悪ケースでも返済できる範囲で買える

不動産投資に向いていない人チェックリスト

以下に多く当てはまる人は、現物不動産には慎重でいいです。

  • 数字だけ見ていたい
  • 人間が絡む損失が苦手
  • 業者や修繕会社の品質確認をしたくない
  • 後出し、説明不足、責任範囲あいまいが強いストレスになる
  • 借金を背負うと長期的に不安が残りそう
  • 空室や修繕が起きたときに自分が調整役になるのが嫌
  • 満室想定利回りを見るとつい期待してしまう
  • 物件を買った後に「話が違う」と怒る未来が想像できる
  • 高額な会費や講座代を払うと、それだけで心理的に回収を焦りそう
  • 流動性が低く、すぐ売れない資産が苦手

成功している人は、リスクを軽く見ているわけではない

不動産投資でうまくいっている人は、リスクを軽く見ているとは限りません。

むしろ、リスクを知ったうえで、それを処理できる人です。

修理会社の仕事が甘ければ指摘する。
管理会社の対応が悪ければ変える。
物件資料に違和感があれば確認する。
融資条件が悪ければ買わない。
現地に問題があれば撤退する。

こういう動きができる人にとっては、不動産投資は「差がつくゲーム」になります。

しかし、それを苦痛に感じる人にとっては、同じ手順が「心理コストの塊」になります。

つまり、不動産投資は、

成功者の手順を真似ればよい

だけでは足りません。

その手順の中にある対人・現地・修繕・確認・交渉を、自分が本当にやれるかが重要です。

まとめ

不動産投資に向いている人は、利回りが好きな人ではありません。

借金を使い、現物を持ち、人を動かし、建物を維持し、空室や修繕や金利に対応できる人です。

不動産投資に向いていない人は、怖がりな人ではありません。

数字に落ちない対人・現物・後出しリスクを、自分の投資スタイルに合わないと判断できる人です。

現物不動産は、うまくやれば強い投資です。
ただし、誰にでも向いているわけではありません。

高利回り、フルローン、積算評価、節税、家賃収入。
そういう言葉を見る前に、まず考えたいことがあります。

自分は、この「賃貸経営ゲーム」をやりたいのか?

やりたい人には、現物不動産は面白い選択肢になります。
やりたくない人には、無理にやる必要はありません。

不動産投資で一番大事なのは、良い物件を探す前に、
自分がこのゲームに向いているかを見極めることです。

PRこのテーマの本を探す

この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。 広告について Amazonのアソシエイトとして、mendoi-appsは適格販売により収入を得ています。

広告

今日これ読んで

この記事を読んだ人の次の疑問に、それぞれ答える記事です。

すべての記事から探す「お金」の記事をもっと見る

他の記事を探す

すべての記事

めんどいちゃん

このサイトの運営者

めんどいちゃん

仕事や日常の「めんどい」を構造化して、次に動きやすくする記事を書いています。