「2026年11月を忘れるな」。シロクマが真剣な顔で歌っている。10月に見かけたら、もう来月だ。え、未来から警告に来た? 11月に事件が起こる? こっちは何も聞いていないのに、頭の中では緊急特番が始まる。しかもキャスターがシロクマ。人選が強すぎる。
元ネタをたどると、2023年には「これは2026年11月のミーム。今はまだ理解できない」と書かれた奇妙なシロクマ画像が現れ、2026年にはAIのシロクマが11月を知らせる歌を披露した。ところが、肝心の「何が起きるか」は教えてくれない。重要機密を握っていそうなのに、知っているのは月だけである。
「シロクマの歌」なら通り過ぎるかもしれない。「11月を忘れるな」になると、突然、事件の予告っぽくなる。災害? 予言? 時間旅行? 見る側が勝手に脚本を書き始める。情報は不足しているのに、想像力だけが残業中。心理学には、知っていることと知りたいことの「隙間」が好奇心を生む、という考え方もある。
ネットミームの「何これ?」が強いのは、説明されない部分を見た人自身が埋めてしまうから。ただし、気になることと実際に記事をクリックすることは別だし、謎を煽るだけで何も回収しない記事はただの釣り。このミームは「結局、11月が来ることしか予告していない」というオチまである。カレンダーはずっと同じことを言っていたのに、シロクマだけ国家機密みたいに発表している。
