『Clair Obscur: Expedition 33』大陸の怪物はペイントレス軍なのか?

※この記事はプロローグからStone Wave Cliffs/ランプマスター戦までの内容に触れる。そこから先の正体、関係、真相、エンディングは扱わない。

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ゴルグラ、観覧車、農場、ランプマスターから読む「誰がここに住んでいたのか」

※この記事はプロローグからStone Wave Cliffs/ランプマスター戦までの内容に触れる。そこから先の正体、関係、真相、エンディングは扱わない。

『Clair Obscur: Expedition 33』を序盤から見ていると、だんだん一つの疑問が大きくなる。

「この大陸、本当に“ペイントレスとその怪物軍団の土地”なのか?」

最初はそう見える。

人間はルミエールに閉じ込められている。 大陸にはネヴロンらしき異形がうじゃうじゃいる。 遠征隊は毎年送り込まれては帰ってこない。 そして最終目標はペイントレス。

RPGの文法なら、

人間陣営 VS 魔王ペイントレス+怪物軍

で終わりそうだ。

ところが進めるほど、どうも違う。

ジェストラルには村がある。 ゴルグラという首長がいる。 大会がある。 商人がいる。 独自のルールがある。 ペイントレスに対して忠誠を誓っている感じがない。

さらに大陸には観覧車、農場、祭壇、ランプ、道、建物が残っている。

そして極めつけに、ランプを大量にまとったランプマスターまで出てくる。

コメント欄ならこうなる。

視聴者「怪物は全部ペイントレス軍なんやろな」

ゴルグラ「大会に勝て」

視聴者「世界の終末より大会?」

ジェストラル商人「勝負する?」

視聴者「普通に経済回ってるやん」

観覧車「🎡」

農場「🌾」

ランプマスター「💡💡💡💡」

視聴者「お前ら何文明なんだよ」

序盤の面白さは、この「敵味方の図」がどんどん崩れていくところにある。

0. 先に結論――大陸を「一枚岩の敵陣営」と見る必要はない

少なくともStone Wave Cliffsまでの情報では、大陸の住民や怪物を全部「ペイントレス直属の軍」と考える根拠はない。

公式はジェストラルについて、戦いを好む友好的な存在であり、しかも「ペイントレスの影響を受けない」と明言している。[1]

つまりジェストラルは、人間と違う生き物でありながら、

「ペイントレスの兵士」

ではない。

しかもジェストラル村は完全に社会である。

首長。 闘技大会。 商人。 技術者。 復活をめぐるルール。 村の秩序。

ゴルグラの仕事は「ペイントレス様の命令を遂行すること」ではなく、ジェストラル社会を回すことだ。[2]

この時点で、

人間 vs 怪物

という二色塗りはかなり怪しくなる。

1. ゴルグラがいるだけで「怪物=敵軍」が崩れる

ゴルグラはジェストラル村の首長で、Act Iで普通に政治的・社会的な役割を持っている。[2]

彼女が気にしているのは、

「人間を何人殺すか」

ではなく、

「弱いやつをエスキエのところへ送って大丈夫か」 「村のルールを守っているか」 「闘技大会を勝ち抜けるか」

みたいな話だ。

この時点でだいぶおかしい。

もしゴルグラが典型的な魔王軍幹部なら、

ゴルグラ「人間ども! ペイントレス様の敵!」

になりそうだ。

実際は、

ゴルグラ「強いなら通してやる」

遠征隊「世界を救いに来ました」

ゴルグラ「まず大会な」

である。

目的のスケールが違いすぎる。

でも、だからこそ世界が生きて見える。

ゴルグラたちにはゴルグラたちの社会があり、人間側の「ペイントレスを倒さないと人類が終わる」という事情は、世界全体の唯一の政治課題ではない。

これはかなり重要だ。

主人公側にとって世界の中心問題でも、他種族にとっては「人間たちの大問題」にすぎない可能性がある。

2. 「人語を話す怪物」がいると、野生動物ではなく社会になる

序盤から、大陸には単に襲ってくる敵だけでなく、会話が成立する人外がいる。

公式はモノコを「人間の言語を話す数少ないジェストラルの一人」と紹介しており、ジェストラルが独自文化を持つ知的存在であることを前提にしている。[1]

つまり大陸は、

人間がいなくなった → 動物と怪物だけになった

という単純な廃墟ではない。

人外側にも、

会話 取引 競技 ルール 役割分担 共同体

がある。

ここでプレイヤー側の分類が困る。

「顔が人間じゃない」

「敵」

ではない。

むしろE33は、見た目が怪物でも文明の中で暮らしている存在を早い段階で見せてくる。

3. 上陸で全滅したと思ったら、シエルまで普通に生きていた

一方、人間側も「浜辺でほぼ全滅した」という印象から少しずつ修正されていく。

上陸直後の襲撃は、演出としては完全に、

「第33遠征隊、開始直後に終了」

である。

名前も顔もある遠征隊員がどんどん倒れる。

ところが、その後ルネやマエルと合流し、さらにジェストラル村ではシエルまで再登場する。

初見だと、

視聴者「みんな死んだ……」

ルネ「生きてます」

マエル「生きてます」

シエル「生きてます」

視聴者「思ったより生きとるやん」

となる。

もちろん「全員無事」ではない。

襲撃で遠征隊は壊滅的被害を受けた。

ただ、全滅ではなく、生存者が大陸各地へ散らばったと分かってくる。

シエルが年上っぽく見えることも、ここではゴマージュを超越した謎の老人を意味しない。

彼女は第33遠征隊の一員として普通に同行していた人間だ。

4. 白髪の男とギュスターヴ、似すぎでは?――今は「そう見せている」まで

序盤最大級の違和感の一つが、浜辺の白髪の男とギュスターヴの顔だ。

髪色は違う。

でも、

顔の輪郭 目元 鼻筋 髪型のシルエット 年齢を足したような雰囲気

が妙に重なる。

そしてマエルの悪夢では、白黒映像の中で白髪の男や謎の人物たちが繰り返し出てくる。[3]

さらに「100」のモノリスを思わせる映像まで出てくる。

本編現在は33。

フラクチャーから67年後であることは公式に明言されている。[4]

だから初見の頭では、

「67年前からいた?」 「同一人物?」 「親子?」 「記憶が移植された?」 「2周目の人?」 「悪夢だから時系列自体が怪しい?」

という仮説が一気に出る。

ここで大事なのは、答えを先に知ることではない。

ゲームが“似ている”“昔からいるように見える”という違和感を、プレイヤーにわざと持たせている

ところまで読むことだ。

現時点では、それ以上を確定しない方が面白い。

5. 「100→33」なら、世界が放棄されて見えるのも当然

公式Lore Trailerでは、本編がフラクチャーから67年後だと説明されている。[4]

モノリスのカウントも「100」から「33」まで67段階下がっている。

67年。

これは短くない。

子どもが生まれて、成人して、老いるだけの時間だ。

だから大陸側が、

「昨日まで人間が住んでいました」

みたいに見えなくても不思議ではない。

ルミエールは隔離され、大陸に渡った遠征隊は誰も帰還していない。[4]

毎年人間は来る。

でも都市を再建して定住するほどの人間社会は見えない。

その空白を、人外の住民や怪物が普通に生活圏として使っている。

だから大陸を歩いていると、

「人間文明が怪物に占領された」

のか、

「人間がいなくなったあとも、別の住民の世界はずっと続いている」

のか、分からなくなってくる。

この曖昧さが強い。

6. 観覧車、農場、祭壇、ランプ――ここは単なるダンジョンではない

Stone Wave Cliffsは、その違和感が特に濃い。

コミュニティ資料では、このエリアに、

巨大な観覧車 Old Farm Paintress Shrine Flooded Buildings 多数のランプ

が確認できる。[5]

観覧車は第50遠征隊が大陸へ到達するために使ったものとされる。[5]

ここが面白い。

観覧車は普通、軍事設備ではない。

農場も、単なる戦場には作られない。

祭壇は信仰や儀礼があったことを示す。

ランプは夜間に人や道を照らすための生活インフラに見える。

つまり画面の情報をまとめると、

「ここには戦闘以外の時間が存在した」

と感じる。

誰かが食べた。 誰かが働いた。 誰かが祈った。 誰かが夜に灯りを使った。 誰かが移動した。

RPGの背景オブジェクトなのに、生活史が見えてくる。

7. ペイントレスの祭壇がある=全員が配下、ではない

Paintress Shrineがあると、

「やっぱり大陸の住民はペイントレスを崇拝してるんじゃ?」

と思う。

でも、祭壇があることと軍事的な忠誠関係は別だ。

現実でも、

信仰する 恐れる 災害として鎮める 祈願する 象徴として扱う

は全部違う。

序盤情報だけでは、その祭壇を誰が、どんな意図で作ったのかまでは確定しない。

だから安全な読み方は、

「ペイントレスが大陸の文化や信仰に影響を与えている形跡はある。しかし、それだけで全住民が同じ陣営とは言えない」

になる。

このゲーム、こういう「関係はありそう。でも所属は別」をかなり多用する。

8. じゃあランプマスターは何なんだ

Stone Wave Cliffsの最後に出てくるのがランプマスター。

大量の腕。 巨大な剣。 複数のランプ。 光を使う特殊な戦闘ギミック。

攻略上も、ランプを狙うことが戦闘の中心になるボスだ。[6]

ここまで歩いてきた側からすると、

「道にランプあるな」 「建物にも光の意匠あるな」 「……ランプの親玉まで出てきた」

となる。

だが、Stone Wave Cliffs時点では、

「このボスがこの地域の照明係だった」 「農場や観覧車を管理していた」 「ペイントレス直属の幹部だった」

などと断定できる材料はない。

言えるのは、

この地域の“光/ランプ”という視覚モチーフを、そのまま怪物として巨大化したような存在

だということ。

E33は背景美術と敵デザインが無関係ではない。

だから「ランプマスターって何なん?」という疑問自体が正しい。

答えを急ぐより、「この場所の生活痕跡と敵デザインがなぜ似ているのか」を覚えておく方が楽しい。

9. 序盤時点で立てられる仮説は4つくらいある

ここまでの情報だけなら、大陸について次の仮説が立つ。

仮説A:昔は人間社会があり、その後に怪物が占拠した

観覧車、農場、建物、祭壇を見ると一番分かりやすい。

ただし、ジェストラルの独自社会を見ると「全部が人間文明の廃墟」とも言い切れない。

仮説B:人間と人外が昔から混在していた

ジェストラル村のように、人外側にも文明がある。

なら、建物や設備の一部は最初から人外住民のものだった可能性もある。

仮説C:ペイントレス勢力の中にも複数派閥がある

怪物の行動が統一されていないように見えるため、「一人の魔王が全員を指揮」というより、複数の目的を持つ存在が同じ大陸にいる可能性。

仮説D:そもそも「人間 vs 怪物」という分類が間違っている

一番E33らしい仮説。

人型だから人間側。 異形だからペイントレス側。

その分類を、ゲームが意図的に壊しに来ている可能性がある。

今はどれが正解か決めなくていい。

むしろ全部持ったまま進む方が面白い。

10. この大陸が怖いのは「怪物が多い」からだけではない

大陸の不気味さは、敵が強いことだけではない。

生活の痕跡がありすぎるのに、その生活者が今そこにいないことだ。

観覧車がある。 農場がある。 祭壇がある。 ランプがある。 道がある。 商人がいる。 村がある。 大会まである。

つまり「文明が消えた」のではなく、

文明の主役だけが入れ替わったように見える。

人間がいない場所で、人外の社会が普通に続いている。

だからプレイヤーは、

「怪物の世界へ侵入しているのは俺たちの方では?」

という感覚まで持ち始める。

ここが普通の「魔王討伐RPG」とかなり違う。

結論――大陸は“敵の巣”ではなく、複数の生活史が重なった場所に見える

Stone Wave Cliffs/ランプマスターまでで確実に言えるのは、

  • フラクチャーから67年が経過している
  • 過去の遠征隊は帰還していない
  • ジェストラルは独自社会を作り、ペイントレスの影響を受けない
  • ゴルグラはジェストラル社会の首長として動いている
  • 上陸で遠征隊は壊滅したが、生存者もいる
  • マエルの悪夢は白髪の男や「100」を含む過去めいたイメージを見せる
  • Stone Wave Cliffsには観覧車、農場、祭壇、建物、ランプがある
  • ランプマスターはその地域の「光」のモチーフを極端に怪物化したように見える

ということ。

だから、

人間「ペイントレス倒すぞ」

怪物「人間を殺すぞ」

視聴者「じゃあ同じ敵軍?」

ジェストラル「大会やるぞ」

ゴルグラ「村の秩序守れ」

商人「買う?」

ランプマスター「💡」

視聴者「勢力図どうなってんだよ」

になる。

そして、その「分からなさ」がたぶん正しい。

序盤のE33は、設定を説明してから世界を見せるのではなく、

世界を先に見せて、プレイヤーに分類ミスをさせる。

「怪物だから敵」 「大陸だからペイントレス領」 「古い設備だから人間文明」 「白髪だから老人」

そういう雑な分類が、少しずつ崩れていく。

だから今は答えを取りに行くより、

“Something doesn’t add up.”――なんか辻褄が合わない

を残したまま進むのが一番おいしい。

Sources / 参考資料

https://www.expedition33.com/post/release-date-announce

https://clairobscur.wiki.gg/wiki/Golgra https://clairobscur.wiki.gg/wiki/Gestrals

https://www.expedition33.com/post/lore-trailer

https://clair-obscur.fandom.com/wiki/Stone_Wave_Cliffs

https://clair-obscur.fandom.com/wiki/Lampmaster

https://www.expedition33.com/post/your-first-look-at-gameplay-from-clair-obscur-expedition-33

参考資料(7件)

  1. Sandfall Interactive公式 Release Date Trailer記事 — ジェストラル、モノコ、ペイントレスの影響を受けないこと、Gestral Village
  2. Clair Obscur Wiki (wiki.gg) — Golgra / Gestrals(Act I部分のみ参照)
  3. ゲーム本編 — Maelle’s Nightmare(Act I、Stone Wave Cliffs到達前までの映像のみ)
  4. Sandfall Interactive公式 Lore Trailer — フラクチャーから67年、過去遠征隊は帰還せず痕跡を残した
  5. Clair Obscur Wiki / Fandom — Stone Wave Cliffs(観覧車、Old Farm、Paintress Shrine、Flooded Buildings等のエリア情報)
  6. Clair Obscur Wiki / Fandom — Lampmaster(Stone Wave Cliffsのボス、ランプを用いる戦闘ギミック)
  7. Sandfall Interactive公式 Gameplay First Look — 大陸の環境ストーリーテリング、過去遠征隊の残骸

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