身体・対人はリアルタイム処理である

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体の動きや対人の振る舞いはぎこちない。 でも、Excel、AI、VBA、RPA、動画編集、Markdown、GitHub、Codexみたいな道具を使うと、急に動ける。

これは矛盾ではない。

むしろ、かなり自然な組み合わせだと思う。

なぜなら、身体や対人の動きと、道具を使って構造化する力は、そもそも別のスキルだからだ。

身体・対人はリアルタイム処理である

人前で話す。 相手の表情を読む。 タイミングよく返す。 歩き方、姿勢、距離感、目線、声の出し方を調整する。

こういうものは、かなりリアルタイム性が高い。

しかも、失敗したときにその場で見られる。 やり直しがききにくい。 相手の反応も毎回変わる。

社会不安がある場合、人から注目されたり、評価されたり、判断されたりする場面で強い不安が出やすいとされている。つまり、人前では身体や声が固くなることがあっても不思議ではない。

さらに、運動協調の苦手さがある人もいる。成人の発達性協調運動症、いわゆるDCD/dyspraxiaでは、動作、バランス、空間認識が苦手になることがあると説明されている。

もちろん、この記事は診断ではない。 ただ、「人前や身体動作がぎこちない」ことには、気合い不足以外の説明があり得る。

道具は外部化できる

一方で、道具を使う作業は違う。

Excelは表にできる。 AIは壁打ちできる。 VBAやRPAは手順化できる。 動画は何度も編集できる。 Markdownは整理できる。 GitHubは履歴が残る。 Codexは実装や修正の相棒になる。

つまり、道具は「やり直せる」「記録できる」「分解できる」「自動化できる」。

頭の中だけで全部保持しなくていい。 身体で一発勝負しなくていい。 人前で即興処理しなくていい。

研究では、メモや端末など外部の道具を使って認知負荷を下げることを、cognitive offloading と呼ぶ。これは、物理的な行動や外部ツールによって、脳内で処理しなければならない情報量を減らす考え方である。

要するに、道具を使うのがうまい人は、頭がいいというより、頭の外に処理を逃がすのがうまい。

ぎこちない人ほど、道具で化けることがある

身体や対人のリアルタイム処理が苦手でも、道具を挟めば強くなる人がいる。

理由は単純で、道具は世界を操作しやすい形に変えてくれるからだ。

たとえば、会議でその場で全部うまく話すのは苦手でも、事前に論点表を作れば話せる。 新人教育を口頭で毎回うまくやるのは苦手でも、台本・動画・チェックリストにすれば安定する。 頭の中で複数タスクを保持するのは苦手でも、MarkdownやGitHubに出せば管理できる。 手作業で毎回やるのはだるくても、RPAやVBAにすれば回る。

これは弱点をごまかしているのではない。

むしろ、自分の弱い処理を道具で補い、強い処理に変換している。

「素手の格闘家」ではなく「魔導書使い」

世の中には、素手でその場をさばくのがうまい人がいる。 空気を読み、即興で話し、身体も滑らかに動くタイプだ。

でも、全員がそうである必要はない。

別のタイプもいる。

身体で直接うまくやるより、道具を挟んで、世界を編集しやすい形に変えるタイプ。 メモ、表、AI、動画、テンプレート、標準書、コード、記事、チェックリストを使って、現実を扱いやすくするタイプ。

Mendoiちゃん風に言えば、素手の格闘家ではなく、魔導書と外部装備で領域展開するダークエルフである。

このタイプの強みは、次のようなところに出る。

  • 曖昧な依頼を要件に分解する
  • 属人化した作業を標準書にする
  • 教育を台本・動画・チェックリストにする
  • 繰り返し作業をRPAやVBAに逃がす
  • 気づきをMarkdownや記事にして資産化する
  • AIやCodexを使って試作と改善を速く回す

これは、現代の仕事ではかなり強い。

注意点:速い人は搾取されやすい

ただし、道具を使って速く動ける人には注意点もある。

速い人は、便利屋にされやすい。 未定義の仕事を投げられやすい。 上位者の判断待ちで詰まりやすい。 早く出した成果物ほど、赤ペン対象になりやすい。

だから大事なのは、速さをただ消費される場所に置かないことだ。

「速いから雑務を振られる」場所ではなく、 「速いから仮説検証が進む」場所に行く。

「道具を使うな」と言われる場所ではなく、 「道具を使って仕組みにしてほしい」と言われる場所に行く。

業務設計、導入支援、Product Ops、Developer Enablement、PMO、業務改善、AI活用支援。 こういう領域では、身体のぎこちなさより、道具で仕組みにする力の方が価値になることがある。

まとめ

体の動きがぎこちない。 人前で固くなる。 リアルタイムの対人処理が苦手。

それでも、道具を使うのがうまいなら、それは立派な強みだ。

身体で直接うまくやる力と、道具を使って外部化・構造化する力は別スキルである。

そして現代では、後者の価値がかなり高い。

自分を「不器用な人」とだけ見る必要はない。

もしかするとそれは、 素手ではなく、魔導書で戦うタイプ というだけかもしれない。


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めんどいちゃん

この記事を書いた人

めんどいちゃん

仕事や日常の「めんどい」を構造化して、次に動きやすくする記事を書いています。

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