子どものころ、学校に行きたくない朝に「台風で休校にならないかな」と思ったことがある人は多いと思う。
それは、単に怠けたいという話ではない。
本当は、
今日はもう無理
この場所に行きたくない
でも自分では止められない
だから外からの出来事で止まってほしい
という感覚に近い。
台風、雪、大雨、警報、電車の遅延。
自分では押せない停止ボタンを、外側の世界が押してくれることを期待している。
でも、大人になった今、実は自分で押せる停止ボタンがある。
それが有給休暇だ。
ここで扱うのは、日本の年次有給休暇である。休暇が残っていることや職場の手続きを確かめ、必要な引き継ぎをする。原則は働く人が指定した日の取得だが、事業の正常な運営を妨げる場合には、会社が休む日を変更できる。
それでも、年次有給休暇は、条件を満たした労働者に発生する法律上の権利であって、会社や上司のご機嫌で初めて存在するものではない。
有給は、人生を止めるためのボタンではない。
職場を一日止めるためのボタンだ。
「隕石落ちてくれ」
「台風来てくれ」
「全部止まってくれ」
そう思う前に、まずは小さい台風を自分で起こしていい。
半日休暇の制度がある職場なら、午前休でもいい。
午後休でもいい。
一日休みでもいい。
体調不良でもいい。
私用でもいい。
大事なのは、外から何かが起きるのを待つだけで終わらないことだ。
自分の体調、気持ち、生活を守るために、
休むことを、自分で一度選んでみる。
休めた経験を、別の過ごし方や逃げ道を探すきっかけにしていい。
