高価格帯の枕は、スペックだけで決めるより店頭で試した方が失敗しにくい。特にTPEの格子構造を使った柔らかい枕は、手で押した感触と、頭を載せたときの沈み込みがかなり違う。
今回試した大判の柔らかいモデルは、低反発ウレタンや綿とは違い、弾力を残したまま「むにっ」と沈んで戻る。ウォーターベッドと柔らかいグミの中間のような感触で、押した一点だけが潰れるのではなく、周囲へ荷重が逃げる感じがある。
SNSではこの触感を「おっぱいみたい」と表現する人がいる。柔らかさと押し返しを一瞬で伝える比喩としてはかなり強い。ただし完全に同じではない。カバーやメッシュの凹凸があり、人肌のような温度や均一な滑らかさはない。内部の変形感は柔らかい身体を連想させるが、表面は明確に枕である。
実際に仰向け・横向きで数分寝てみると、評価はさらに変わる。重要なのは最初の柔らかさではなく、頭が沈み切ったあとに首がどこへ収まるかだ。試用中にそのまま寝そうになるほどリラックスできるなら、少なくとも主観的な相性はかなり良い。
しかも大判で弾力があると、頭を置くだけでなく、抱える、膝に載せる、腕を預ける、顔を軽く埋める、手で揉むといった使い方もできる。睡眠用品というより、触覚的なリラックス道具としても評価できる。
