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低摩耗職場

育成・任せ方:褒めて任せると、人は自分から動き始める

新人育成というと、手順を教える、ミスを直す、進捗を確認する、といったイメージが強いかもしれません。

導入

新人育成というと、手順を教える、ミスを直す、進捗を確認する、といったイメージが強いかもしれません。

でも実際には、もっと小さな関わり方で人は動き出すことがあります。

たとえば、ある作業で新人が撮影を担当したとします。 最初は受け身で、こちらが指示しないと動かない状態でした。

そこで、撮った写真や動画を見せてもらったときに、こう返します。

「見せてー」 「え、めっちゃいいじゃん」 「いいと思うよ」 「任せて正解だったわ」 「この子、撮るのうまいんだよね」

すると、だんだん新人の側から、

「どうですかー?」

と見せに来るようになる。

これは単なるお世辞ではありません。 相手の得意を見つけて、役割として認め、周囲にも伝えることで、本人の中に「自分はここで役に立てる」という感覚が生まれます。

受け身の新人は、やる気がないとは限らない

新人が受け身に見えると、つい「主体性がない」「自分から動かない」と評価されがちです。

でも実際には、受け身に見える理由はいくつもあります。

  • 何をしていいか分からない
  • どこまで自分で判断していいか分からない
  • 失敗したら怒られそうで怖い
  • 自分の成果を見せていいのか分からない
  • 褒められた経験が少なく、自信がない

つまり、受け身は性格ではなく、環境への反応であることも多いです。

ここで大事なのは、「主体性を出せ」と言うことではありません。 主体性が出ても大丈夫な場を作ることです。

うまい部分を見つけて、そこを任せる

育成で効くのは、相手の弱点をひたすら直すことだけではありません。 むしろ、最初は得意な部分を見つけて、そこを任せた方が動きやすくなります。

今回の例でいえば、撮影が上手だった。 なら、撮影を任せる。

これは単なる作業分担ではなく、役割付与です。

「自分は手ブレしやすいから、ここ任せてもいい?」 「撮影うまいから助かる」 「構成や整理はこっちでやるから、素材集めはお願いしたい」

こうすると、任された側は「雑用を押し付けられた」と感じにくくなります。 むしろ、「自分の得意を見てくれている」と感じやすい。

褒めるだけではなく、任せるところまでやる

褒めるだけなら簡単です。

でも、育成として効くのは、褒めたあとに任せることです。

  • うまいね
  • 助かる
  • 任せて正解だった
  • 次もお願いしていい?

この流れがあると、褒め言葉がその場限りで終わりません。 本人の中で「次も自分がやっていいんだ」という許可になります。

ここが重要です。

新人は、勝手に動いていいのか分からないことが多いです。 だからこそ、「次も任せたい」と伝えることで、行動の許可を出す必要があります。

本人の前で第三者に褒める効果

直接褒めるのも大事ですが、本人の前で他の人に褒めるのもかなり効きます。

たとえば、

「この子、撮るのうまいんだよね」

と本人の前で言う。

これは、本人にとってかなり強い承認になります。

なぜなら、直接の褒め言葉よりも「周囲にも共有される評価」になるからです。

本人の中では、

  • 自分の成果をちゃんと見てくれている
  • その評価を他の人にも言ってくれている
  • この役割で自分は認められている
  • 次もやっていいんだ

という感覚が生まれます。

これは、指示や命令では作りにくい主体性です。

任せることは、全部丸投げすることではない

仕事を任せるというと、全部相手に投げることだと思われがちです。

でも本来の任せ方は、得意な部分を切り出して、役割を渡すことです。

たとえば、

  • 新人:撮影、素材集め、現場目線の確認
  • 先輩:構成、文章整理、説明資料化、上司への見せ方

このように分ける。

これなら、新人に過剰な責任を背負わせることなく、得意なところで貢献してもらえます。

一方で、先輩側も自分の苦手な作業を無理に抱えなくて済みます。

これは逃げではありません。 チームとしての適材適所です。

悪い職場ほど「主体性を出せ」と言うだけで終わる

職場によっては、「主体性を持て」「自分で考えろ」と言うだけで、具体的な役割や判断範囲を渡さないことがあります。

これはかなり危険です。

主体性を求めるなら、最低限、次のものを渡す必要があります。

  • 何を任せるのか
  • どこまで判断していいのか
  • 何を見せればいいのか
  • 失敗したときに誰がフォローするのか
  • 何ができたら良い状態なのか

これがないまま「主体性を出せ」と言われると、ただの精神論になります。

いわば、穴あき動物園です。 柵も地図も担当範囲もないのに、「自分で動け」と言われる。 それで失敗したら怒られる。

これでは人は育ちません。

良い任せ方の型

今回のような小さな育成には、型があります。

1. 相手の得意を見つける

まずは、相手が自然にできていることを見る。 撮影がうまい、メモが丁寧、確認が早い、場の空気を読むのがうまい、資料の整え方がきれいなど、何でもいいです。

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