この記事で扱う疑問
『ぽこ あ ポケモン』は、表面上はかわいいスローライフ・サンドボックスゲームである。
主人公は、人間の姿に変身したメタモン。
ポケモンたちと一緒に、荒れた世界を少しずつ整え、街を作っていく。
しかし、設定を掘るとかなり不穏である。
人間はいない。
ポケモンたちはPCボックスのような保管システムに入れられていた。
人間たちは宇宙へ避難していた。
ハッカーの改造によって、一定条件でポケモンが解放される。
最後にはロケットで宇宙にいる人間へ物資や写真が届く。
ここで出てくる疑問がこれ。
その宇宙避難計画、弱システムすぎない?
普通に考えると、人間が地球規模で住めない状態になって宇宙へ避難するなら、それは「一時避難」では済まない。
巨大隕石、超巨大噴火、気候崩壊、大気汚染、未知の病原体。
どれにしても、地球規模で人間が避難するレベルなら、戻れる保証はかなり怪しい。
しかもポケモン世界では、ポケモンはペットではなく生活インフラに近い。
発電、移動、建築、農業、医療補助、治安、災害対応。
人間社会はかなりポケモンに依存している。
それなのに、人間だけ宇宙に逃げて、ポケモンをPCボックスに保管する。
これは現実で言えば、
宇宙へ避難します。
でも発電機、重機、農業機械、医療機器、警備ロボット、通信インフラは地上に置いていきます。
みたいな話である。
かなり穴あきである。
まず公式に近い確定情報と考察を分ける
ここは最初に整理しておきたい。
公式サイトで確定しているのは、『ぽこ あ ポケモン』がポケモン初のスローライフ・サンドボックスゲームであり、主人公が「ニンゲンのすがたにへんしんしたメタモン」であること。
また、公式サイトでは、メタモンがポケモンたちと新生活を始め、木や石などの材料を集め、ポケモンのわざを覚えながら街を作っていくことが説明されている。
一方で、エンディングや世界設定の細かい部分は、攻略サイト・レビュー・プレイレポートなどを含めた情報になる。
Game8のエンディング解説では、人間たちは宇宙へ避難し、ポケモンを安全に保つためにPCボックスシステムへ保管したと整理されている。
Insider Gamingなどの解説でも、人類が環境・大気を大きく変える災害のあと地球を離れたこと、ゲーム中に人間が登場しないことが説明されている。
つまり、この記事では次のように分けて読む。
公式確定に近い情報:
主人公は人間姿のメタモン
スローライフ・サンドボックス
荒れた世界でポケモンたちと暮らしを作る
攻略・レビュー・プレイレポート由来の情報:
人間は宇宙へ避難していた
ポケモンはPCボックス的な保管システムに入っていた
ハッカーの改造でポケモンが解放される
ロケットで宇宙の人間へ物資が届く
この記事の考察:
その宇宙避難計画、危機管理としてかなり穴あきではないか
断定しすぎず、でも違和感は拾う。
「一時的に宇宙へ避難」がまず難しい
一番気になるのは、人類が宇宙へ避難した理由である。
地球規模の災害や環境悪化が起きたとして、人間が宇宙へ逃げる。
ここまではSFとして分かる。
しかし、「一時的に宇宙へ避難して、地球が戻ったら帰る」という計画だとすると、急に難しくなる。
なぜなら、地球規模の環境悪化は、普通に考えるとすぐには戻らないからである。
たとえば、
- 火山灰が落ち着くまで待つ
- 大気汚染が薄まるまで待つ
- 異常気象が収まるまで待つ
- 気候が安定するまで待つ
と言われても、地球規模で人間が宇宙へ避難するほどなら、
それ、待ってて大丈夫な規模なのか?
となる。
巨大隕石や超巨大噴火レベルなら、地上インフラは相当壊れる。
大気汚染や環境悪化なら、原因を止めない限り自然回復だけでは厳しい。
異常気象なら、待てば戻るというより、気候システムそのものが変わっている可能性がある。
つまり、ただの「自然に落ち着くまで待ちます」では弱い。
それは一時避難ではなく、かなりの確率で片道切符である。
成立するとしたら「コロナ型・抗体待ち型」の方が自然
むしろ、一時避難が成立しやすいのは、環境そのものが完全終了したケースではなく、人間だけが地上に戻れないケースである。
たとえば、
- 人間にだけ重く効く病原体
- 人間の免疫では耐えられない大気中の微生物
- ポケモンには耐性がある毒素や胞子
- ポケモンの技や特性から抗体・浄化方法を作る必要がある
- 地上の研究施設やポケモン側の環境復旧を待つ必要がある
こういう「人間側の条件が整えば戻れる」タイプなら、宇宙避難はまだ分かる。
つまり、
地球が勝手に元に戻るまで待つ
ではなく、
人間が戻れる条件が整うまで待つ
なら成立しやすい。
コロナ的なパンデミックの極端版、あるいは人間だけに効く環境毒性なら、「ポケモンは地上に残れるが、人間は戻れない」という構図も作れる。
この場合、ポケモンの存在はかなり重要になる。
ポケモンが地上で環境復旧し、人間の帰還条件を整える。
メタモンが人間の姿で地上側の現地PMをする。
モジャンボはかせやポケモンたちが復興を進める。
これならまだ筋が通る。
自動復旧計画がないなら、片道宇宙疎開に見える
逆に、自動復旧計画がないならかなり厳しい。
人間が宇宙へ行きました。
ポケモンはPCボックスに保管しました。
地球は荒れました。
人間は戻れません。
PCボックスもメンテなしでは永遠には持ちません。
仕方ないのでポケモンを外に解放しました。
これだと、完全に穴あきである。
最初の説明は「一時避難」だったかもしれない。
でも実態は、
片道切符を往復券として売った宇宙疎開計画
に見える。
もちろん、最初から悪意で「戻る気がなかった」とは限らない。
むしろ、たぶんこうだと思う。
上層部・公式計画:
地球が落ち着いたら戻ります。これは一時避難です。
現場エンジニア・ハッカー:
いや、戻れなかった時の保険いるだろ。
PCボックスも永久稼働しないぞ。
現実:
人間は戻れない。
ポケモン保護システムも限界。
メタモンとポケモンたちが地上で後処理。
これは悪意というより、楽観的な往復券が、現実には片道切符になったパターンである。
PCボックス保護システムは「神保護」ではなく非常脱出ハッチ
ポケモンをPCボックスに保管するという発想は、一見すると安全そうに見える。
しかし、よく考えるとかなり怖い。
PCボックスは、通常のポケモン世界では便利な保管システムである。
しかし、文明崩壊後、無人メンテで何十年、場合によってはそれ以上維持できるのか。
そこが問題になる。
もしPCボックスが停止すれば、中のポケモンはどうなるのか。
データとして死ぬのか。
復元不能になるのか。
物理的に保管されているのか。
エネルギー切れで解放もできなくなるのか。
これを考えると、ハッカーの改造は「理想的な保護」ではなく、かなり切迫したフェイルセーフに見える。
つまり、
保管システムが完全に死ぬ前に、外へ逃がす。
これは救済ではある。
しかし「外に出したから安心」ではない。
宇宙船が沈みそうだから救命ボートを出す。
でも外は嵐。
それに近い。
人間が住めない地球にポケモンを解放して大丈夫なのか
ここも大きなツッコミである。
人間が住めないほど地球環境が悪化している。
だから人間は宇宙へ逃げた。
でも、ポケモンは外に解放する。
いや、ポケモン大丈夫なんかい。
もちろん、ポケモンは人間より環境耐性が高い種も多い。
火山に住むポケモン。
海に住むポケモン。
砂漠に住むポケモン。
雪山に住むポケモン。
毒や電気、岩場、洞窟に適応しているポケモン。
人間よりは生き残れる可能性がある。
しかし、すべてのポケモンがすべての環境で生きられるわけではない。
生態系として見るなら、必要なのはこれである。
- 食べ物があるか
- 水があるか
- 気候が合うか
- 同じ種がいるか
- 繁殖できるか
- 天敵がいないか
- その地域の生態系を壊さないか
- 電気・水・草・地面などタイプごとの環境が合うか
- 解放後にコミュニティを作れるか
ここを無視して「外へ出せばOK」はかなり雑である。
つまり、解放システムは、
PC内で確定死するより、外で生存ガチャを引かせる
に近い。
救命ボートではある。
でも救命ボートの外は嵐である。
ポケモン世界でポケモンを置いて避難するのは、インフラを捨てるに近い
さらに大きいのは、ポケモン世界におけるポケモンの役割である。
ポケモンは単なるペットではない。
生活インフラそのものに近い。
ポケモン世界では、ポケモンがさまざまな形で人間社会を支えている。
- 電気ポケモンによる発電
- 水ポケモンによる水源・消火・農業
- 草ポケモンによる植物・生態系
- 炎ポケモンによる熱源
- 格闘ポケモンによる建築・運搬
- 飛行ポケモンによる移動・輸送
- psychic 系の補助
- 岩・地面ポケモンによる土木
- 医療・癒やし系ポケモン
- 災害対応
つまり、人間社会はかなりポケモン依存で成立している。
それなのに、宇宙へ避難する時に大多数のポケモンを地上やPCボックスに置いていく。
これはかなり変である。
現実で言えば、
避難します。
でも発電機、重機、農業機械、輸送機、医療機器、作業ロボット、警備システムは置いていきます。
という話である。
宇宙生活がポケモンなしで成立するなら、それはそれで人間側の技術力が高い。
しかし、それなら「その技術で地球も直せないのか」という別の疑問が出る。
一番自然なのは、以下のどれかである。
一部のポケモンだけは宇宙へ連れて行った
大多数は保管したが、生命維持用・発電用・修理用ポケモンは連れて行った
ポケモンなしでも宇宙コロニーだけは最低限維持できる技術があった
人間側がポケモンの重要性を過小評価した
完全にポケモンゼロで宇宙生活しているなら、人間側かなり厳しい。
人間側はポケモンを守ったつもりで、回復装置を手放したのではないか
この宇宙避難計画で一番刺さるのは、ここである。
人間たちは、ポケモンをPCボックスに保管した。
たぶん、守るつもりだった。
しかし、ポケモン世界ではポケモンこそが環境復旧力でもある。
木を生やす。
水を出す。
岩を砕く。
電気を供給する。
土を耕す。
空を飛ぶ。
建物を作る。
火を扱う。
『ぽこ あ ポケモン』のゲームシステム自体も、メタモンがポケモンのわざを覚え、できることを増やしながら街を作っていく。
つまり、ポケモンは復興の道具でもある。
それをまとめて保管したということは、こうも言える。
人間はポケモンを保護したつもりで、地球を回復させる力も一緒に封印した。
これはかなり大きい。
もし、最初からポケモンの力で地球を復旧する計画だったなら分かる。
段階的にポケモンを解放し、地域ごとに生態系を戻し、メタモンやモジャンボはかせが現地管理する。
それなら筋が通る。
しかし、そうでないなら、人間側の計画はかなり弱い。
ぽこあは「人間の失敗した復旧計画をポケモンが引き継ぐ話」かもしれない
ここまで整理すると、『ぽこ あ ポケモン』の裏設定はこう読める。
人間:
地球環境がヤバいので宇宙へ避難する
ポケモンをPCボックスに保管する
戻ってきたらまた一緒に暮らすつもりだった
現実:
帰還計画が長引く
宇宙側の燃料・設備・技術も怪しい
地球環境も完全には戻らない
PCボックスもメンテなしでは限界
ハッカー:
このままだとポケモンが保管システムごと終わる
なら、外に解放するフェイルセーフを入れる
ポケモン:
地上に解放される
荒れた世界で生き始める
メタモン:
人間の姿になって、街を作る
人間とポケモンが帰ってこられる場所を整える
つまり、これはただのスローライフではない。
人間が失敗した地球再生プロジェクトを、メタモンとポケモンたちが現場で引き継ぐ話である。
だから、かわいいのに重い。
「穴あき宇宙疎開計画」というラベル
この設定にラベルを付けるなら、かなりしっくり来るのはこれ。
穴あき宇宙疎開計画
あるいは、
片道切符を往復券として売った宇宙疎開計画
である。
表向きは「地球が危ないので一時避難します」。
しかし実態は、
- 地球が本当に回復する保証がない
- 帰還燃料が足りる保証がない
- 宇宙側の生活が長期維持できる保証がない
- PCボックス保護システムが永久稼働する保証がない
- ポケモンを解放しても生態系が成立する保証がない
- ポケモンなしで人間社会が成立する保証も怪しい
つまり、穴だらけである。
これを「子ども向けゲームだから雑」と見ることもできる。
しかし、逆にこの穴があるから面白い。
完璧なSFではなく、危機管理に失敗した人間社会のあとに、ポケモンたちが生態系と街を作り直す。
だからスローライフが成立する。
もし成立させるなら、こういう設定が必要
この宇宙避難計画をもう少し強くするなら、次の設定があるとかなり納得しやすい。
1. 人間だけに危険な要因だった
病原体、毒素、胞子、大気成分など。
ポケモンは耐性があるが、人間は戻れない。
これなら「ポケモンは地上に残れるが、人間は宇宙へ避難」が成立する。
2. ポケモンによる環境復旧計画があった
草ポケモン、水ポケモン、地面ポケモン、電気ポケモンなどを段階的に解放し、環境を戻す。
これなら、PCボックスからの解放も復旧計画として筋が通る。
3. 宇宙側にも一部ポケモンを連れて行った
完全にポケモンゼロで宇宙生活はきつい。
生命維持・発電・修理・精神ケア・警備用のポケモンは連れて行ったと考える方が自然。
4. ハッカー改造は単なる暴走ではなく、最後の保険だった
正規計画が失敗した時、ポケモンを死蔵させないための非常口。
これならハッカーの行動にも意味が出る。
5. メタモンは現地復興PMだった
人間の姿に変身したメタモンが、ポケモンたちをまとめ、人間が戻れる街を作る。
これならゲームシステムと物語がかなり噛み合う。
まとめ
『ぽこ あ ポケモン』の宇宙避難計画は、設定だけを見るとかなり穴あきに見える。
人間が地球規模の環境悪化で宇宙へ避難する。
ポケモンはPCボックスに保管する。
人間が戻らなければ、ポケモンを外へ解放する。
メタモンが人間の姿になり、ポケモンたちと世界を復興する。
この流れは、かわいいスローライフの裏にあるにはかなり重い。
特に気になるのは、
地球規模災害なのに、一時避難で本当に戻れるのか
ポケモンを置いていって、人間社会は宇宙で成立するのか
PCボックスは無人メンテでどれだけ持つのか
人間が住めない地上にポケモンを解放して大丈夫なのか
ポケモンは保護対象なのか、地球再生の要員なのか
という点である。
一番しっくり来る読み方はこう。
人間側は「一時避難」のつもりだった。
しかし実態は、帰還保証のない片道宇宙疎開だった。
PCボックス保護システムも限界があり、ハッカーが非常脱出ハッチを仕込んだ。
その後処理を、メタモンとポケモンたちが地上でやっている。
つまり、『ぽこ あ ポケモン』は、
かわいい街づくりゲームの顔をした、穴あき宇宙疎開計画の後始末
かもしれない。
一言で刺すなら、こう。
『ぽこ あ ポケモン』の人間たちは、ポケモンを守ったつもりで、自分たちの文明を支える回復装置まで地上に置いていったのではないか。
これはかなり重い。
でも、その重さがあるから、メタモンが木を切って、畑を作って、街を作る行為に意味が出る。
単なるクラフトではない。
失敗した地球再生プロジェクトの現場復旧である。
参考情報
『ぽこ あ ポケモン』公式サイト
https://www.pocoapokemon.jp/ja/Pokemon Pokopia - Ending Explained / Game8
https://game8.co/games/Pokemon-Pokopia/archives/586867Pokemon Pokopia Lore: What Happened to Humans? / Insider Gaming
https://insider-gaming.com/pokemon-pokopia-lore-what-happened-to-humans/I've spent 20 hours in Pokemon Pokopia obsessing over its mysterious world / GamesRadar+
https://www.gamesradar.com/games/pokemon/ive-spent-20-hours-in-pokemon-pokopia-obsessing-over-its-mysterious-world-and-what-it-hides-beneath-the-surface/Pokopia made me look at Pokémon's high-tech future in a whole new way / The Verge
https://www.theverge.com/games/890131/pokopia-pokemon-high-tech-future-3d-printer
