FF6の世界崩壊は、子どもの頃に見ると本当に「世界が終わった」ように見える。
大陸が割れる。
山が消える。
海と陸の形が変わる。
仲間は散り散りになる。
セリスは孤島で目を覚ます。
ケフカは塔の上から世界を見下ろしている。
ただ、大人になってマップをよく見ると、少し違う感想も出てくる。
「町、意外と残ってないか?」
サウスフィガロもある。
ニケアもある。
ジドールもある。
ツェンもある。
サマサもある。
フィガロ城も動いている。
宿屋も武器屋も、わりと普通に営業している。
もちろん世界は壊れている。
でも、画面だけ見ると「人類9割死亡」みたいな絶滅世界というより、地形・国家・交通・農地・希望が壊れた世界に見える。
だから気になる。
FF6の世界崩壊では、人口の何割が死んだのか。
公式の死亡率は、たぶん明示されていない
まず前提として、公式に「崩壊前の人口は何人」「崩壊後は何人」「死亡率は何%」といった数字が明示されているわけではない。
公式の説明では、ケフカは三闘神の力で世界を崩壊させ、焦土と化した大地に神として君臨する存在として描かれる。つまり物語上の重点は、人口統計ではなく「世界の秩序が壊れたこと」にある。
なので、ここから先はゲーム内描写からの推定になる。
体感の死亡率は「即死10〜30%、1年後で30〜60%」くらいに見える
かなり雑に言うなら、私はこう見る。
世界崩壊の直接被害:人口の10〜30%死亡
崩壊後1年間の飢え・病気・治安悪化・裁きの光込み:30〜60%死亡
人類9割死亡:たぶん言いすぎ
理由は単純で、町がかなり残っているから。
もし本当に人類の9割が即死していたら、町の機能はもっと壊れているはずである。宿屋、店、会話できる住民、船、チョコボ、飛空艇で移動できる世界が残っている時点で、少なくとも「人間社会が完全消滅した世界」ではない。
ただし「たいしたことない」わけでもない。
崩壊後の世界で壊れたのは、人口だけではない。
地形が変わった。
国が消えた。
帝国もリターナーも政治秩序としては崩れた。
物流も農地も水もおかしくなった。
ナルシェはほぼ空っぽになった。
モブリズは裁きの光で壊滅的被害を受けた。
ツェンではケフカの光で家が崩れ、マッシュが支えるイベントが起きる。
つまりFF6の世界崩壊は、人類絶滅というより文明崩壊である。
人口が何割残っているかより、「明日も同じ町で暮らせる」という前提が死んでいる。
裁きの光は、ほぼゴジラビームである
崩壊後のケフカが怖いのは、ラスボス戦の強さよりも、塔の上から世界を撃てるところだと思う。
裁きの光は、かなり雑に言うとゴジラビームである。
ただし、ゴジラより嫌なのは、ケフカが目の前にいないことだ。
ケフカの塔
↓
世界中のどこかを狙う
↓
光が落ちる
↓
町や家が壊れる
↓
人が死ぬ
これは怪獣というより、衛星レーザーに近い。
町が残っていても、いつ上から撃たれるかわからない。
家があっても、そこが安全とは限らない。
畑があっても、明日も収穫できるとは限らない。
だから崩壊後の世界は、マップ上では意外と普通に見えても、精神的にはかなり終わっている。
「町は残っている。でも世界はもう正常ではない」
このバランスが、FF6の世界崩壊の怖さだと思う。
ケフカは世界を壊したが、ラスボスとしては弱く感じられがち
一方で、ラスボスとしてのケフカは「弱い」と言われがちである。
これも少し面白い。
ケフカは世界を壊した。
塔から裁きの光を撃てる。
神として君臨している。
でもプレイヤーがラスダンに来る頃には、仲間を集め、魔石を育て、魔法を覚え、コロシアムや寄り道で装備を整えている。
その結果、ケフカ本人に到達した時点で、プレイヤー側が強くなりすぎている。
ケフカは世界を壊せた。
でも、ネットと攻略情報と寄り道で完成したプレイヤーには勝てなかった。
小学生の頃は、仲間が少ないままケフカの塔に突っ込んで詰む。
大人になってネットを見ながらやると、仲間を回収し、魔石を付け、3パーティを整えてから殴り込む。
同じケフカでも、相手にしているプレイヤーが違いすぎる。
ケフカの最大の敵は、リターナーではなくインターネットだったのかもしれない。
羽のケフカは第1形態ではなく、最終形態
記憶が混ざりやすいが、FF6のラスボス戦は、羽の生えたケフカが最初に出てくるわけではない。
流れとしては、まず「神々の像」と呼ばれるごちゃごちゃした巨大なボス群を下から上へ登っていく。
その最後に、羽を持ったケフカ本人が出てくる。
ざっくり書くとこう。
第1段階:巨大な顔と腕
第2段階:獣・機械・魔法・力の混合物
第3段階:女神のような存在と眠る存在
最終段階:羽の生えたケフカ
つまり、ラスボス戦全体がひとつの塔になっている。
地獄のような肉体。
獣や機械の混合物。
宗教画のような天上層。
そして神になったケフカ。
プレイヤーはただボスを倒しているのではなく、ケフカが作った狂った宗教画を下から上へ登らされている。
ネオエクスデスも神々の像も、なぜあんなにごちゃごちゃなのか
FF5のネオエクスデスも、FF6の神々の像も、子どもの頃に見ると「何が入ってるんだこれ」となる。
人間っぽい。
獣っぽい。
木っぽい。
骨っぽい。
機械っぽい。
天使っぽい。
死体っぽい。
全部混ざっている。
でも、これはたぶん正しい。
ネオエクスデスは「無」に飲まれた存在である。
エクスデスという一人の敵というより、無に巻き込まれた世界の残骸が集まったような見た目になっている。
一方、FF6の神々の像は、魔法・機械・獣性・権力・神性をぐちゃっと積み上げたような存在である。
FF6の世界そのものが、そういう世界だった。
魔法が失われた世界。
でも帝国は魔導を兵器化した。
幻獣を捕まえた。
人間を改造した。
機械と魔法を混ぜた。
最後にはケフカが神になった。
だからラスボス前の像も、ごちゃごちゃになる。
あれは単なる気持ち悪い絵ではない。
世界観の圧縮ファイルである。
SFC時代のラスボスは、1枚絵で世界の終わりを表現していた
今のゲームなら、世界崩壊もラスボスの神化も長いムービーで見せられる。
でもSFC時代は違う。
容量は限られている。
ボイスもない。
ムービーもない。
表情も少ない。
だから巨大な1枚絵と音楽と戦闘演出で、「神」「終末」「無」「狂気」を表現する必要があった。
その結果、ネオエクスデスや神々の像のような、ごちゃごちゃした巨大ラスボスが生まれたのだと思う。
ごちゃごちゃしているのは、雑だからではない。
1体の敵では表現できないものを、1枚の絵に全部詰め込んだからごちゃごちゃしている。
世界の終わり。
死体。
獣。
機械。
魔法。
神。
人間の罪。
無。
狂気。
全部入れたら、そりゃごちゃごちゃになる。
まとめ:FF6の世界崩壊は、人類絶滅ではなく世界OSの破壊
FF6の世界崩壊で、人口が何割死んだのかは公式にはわからない。
ただ、町が意外と残っていることを考えると、人類の9割が即死したような世界ではなさそうに見える。
直接死は10〜30%くらい、崩壊後1年の二次被害込みで30〜60%くらい、と見るのがゲーム画面とは合う。
ただし、それは「たいしたことない」という意味ではない。
世界崩壊で壊れたのは、人口だけではない。
地形。
国家。
物流。
農地。
安全。
希望。
明日も同じ場所で暮らせるという前提。
それらが壊れた。
そしてその上から、ケフカが裁きの光を撃つ。
だからFF6の崩壊後世界は、見た目よりもずっと重い。
マップ上では町が残っている。
でも世界のOSは壊れている。
そしてラスボス戦では、その壊れた世界が、ごちゃごちゃした神々の像として積み上がっている。
FF6の世界崩壊は、人口を何%減らしたかだけの話ではない。
それは、「世界はまだ残っているのに、もう元の世界ではない」という話なのだ。
