かわいそうはかわいい、報いは受けろ、有能なのにポンコツ:推しの好みを並べたら全部つながった

読書機能の使い方

聴く:本文を読み上げます。速読:語句を順に表示し、速さを調整できます。語学練習:別の言語版と対訳を読み比べます。保存:このブラウザーにブックマークし、プレイヤーの保存済み一覧から開けます。

この記事をシェア
広告
広告

※作品の人物像や雰囲気に触れますが、重大な展開の説明は避けています。

1. 歪んだ好みだと思っていたら、むしろ一貫していた

好きなキャラを並べてみると、最初はかなり節操がない。

虎杖悠仁とちいかわは「かわいそうはかわいい」。
直哉とモモンガは「性格も含めて好きだけど、いつか報いは受けてほしい」。
キャル、ディーナ、ぼっちちゃんは「真面目だったり有能だったりするのに、肝心なところでポンコツ」。
そして好きな長編は渋谷事変。

並べれば並べるほど、人格者コレクションではない。むしろ事故現場である。

でも、よく見ると全部同じ方向を向いていた。好きなのは「完成されたキャラ」ではなく、圧がかかったときに矛盾や弱点や本性が見えるキャラなのだ。

2. 虎杖とちいかわ:「かわいそうはかわいい」枠

虎杖とちいかわは作品も世界観も全然違う。それでも刺さる場所はかなり似ている。

善良で、頑張っていて、できれば普通に幸せでいてほしい。なのに世界の側が全然そうしてくれない。

ここで重要なのは、「弱っている姿なら何でも好き」という話ではないことだ。不憫さの中でも頑張る、泣いても進む、状況に振り回されても善良さが残る。その健気さがあるから「かわいそう」と「かわいい」が接続する。

かわいそうだから笑っているのではなく、かわいそうなのにまだ頑張っているから目が離せない。

3. 渋谷事変が好きなのも、同じ理由だった

この好みで渋谷事変が好きなのは、今考えると当然だった。

平常時は、キャラはある程度きれいに振る舞える。余裕があるからだ。ところが極限状態では、判断、恐怖、責任感、弱さ、執着が一気に表へ出る。

つまり高負荷イベントは、キャラの性能試験である。

誰が何を守るのか。何を諦めるのか。どこで折れるのか。折れたあとどうするのか。そういう場面では、設定資料に「優しい」「強い」と書くよりずっと濃く人物が見える。

平和な日常回が嫌いなわけではない。ただ、圧をかけたときにキャラの内部構造が見える作品は、やっぱり面白い。

4. 直哉とモモンガ:「好き」と「報いを受けろ」が両立する

さらに面白いのが、直哉やモモンガのような枠だ。

ここでは「好き=人として尊敬」ではない。むしろ、性格に問題があるからこそ、キャラクターとして面白い。

言動を見て「お前それはいつか返ってくるぞ」と思いながら、次に何をやらかすのか楽しみにしている。好感度ではなく、観察対象としての吸引力が高い。

だから「推しなのに罰が当たってほしい」という一見矛盾した感情が普通に成立する。報いまで含めて、そのキャラの物語として見たいのである。

人格採用面接なら落とす。でも作品にはいてほしい。そういう好きもある。

5. キャル、ディーナ、ぼっちちゃん:「有能なのにポンコツ」という最強の段差

もう一つの大きな軸がギャップだ。

真面目、有能、専門分野では強い。ところが感情、人間関係、日常生活など別の場所に移ると急に性能が落ちる。

ぼっちちゃんは分かりやすい。得意分野では実力があるのに、対人になると別の生き物みたいになる。キャルやディーナにも、ちゃんとしている側面と崩れる側面の落差がある。

最初から全部ポンコツなキャラより、「ここは強いのに、そこは弱い」の方が立体的に見える。

ギャップは飾りではない。そのキャラを一枚絵から人間っぽい存在へ変える段差なのだ。

6. ついには鬼滅から人生訓まで持ち帰り始めた

そして好み分析をしていたはずなのに、いつの間にか鬼滅の刃から生き方まで学んでいた。

義勇の「生殺与奪の権を他人に握らせるな」という言葉を、仕事に時間を持っていかれがちな現代人向けに読むと、かなり強い。

自分の時間まで全部他人に握らせるな。自分の人生を守れ。

もちろん原作の場面は残業対策ではない。それでも作品の言葉を自分の生活に持ち帰って使うのは、作品の楽しみ方としてかなり正しい気がする。

現実でも、警察や消防のように危険のある現場で人を助ける仕事には強く尊敬を感じる。鬼滅で「命懸けで誰かを助ける人」に心を動かされるのも、そこは現実の価値観とつながっている。

7. 共通点は「矛盾」と「圧」と「崩れ方」

結局、好きなキャラの条件は「善人」でも「強い人」でも「かわいい人」でもなかった。

共通しているのは三つだ。

一つ目は矛盾。強いのに弱い。善良なのに報われない。有能なのにポンコツ。性格が悪いのに妙に魅力がある。

二つ目は圧。平常時では見えないものが、追い込まれたときに出る。

三つ目は崩れ方。完璧なまま勝つより、泣く、焦る、失敗する、折れる、やらかす、それでも進む。そこにキャラの個性が出る。

だから「かわいそうはかわいい」と「報いを受けろ」と「有能ポンコツ」と「渋谷事変が好き」は、実は別ジャンルではない。

全部、「キャラの内部が見える瞬間が好き」という一本の好みだった。

8. まとめ:推しは履歴書で選ばない

好きなキャラを人格だけで評価すると、この好みはかなり変に見える。

でも物語のキャラは友達採用でも結婚相手選びでもない。欠点、矛盾、失敗、報い、ギャップまで含めて面白ければいい。

虎杖やちいかわには「もう勘弁してやってくれ」と思いながら見続ける。
直哉やモモンガには「お前は一回ちゃんと怒られろ」と思いながら見続ける。
キャルやディーナやぼっちちゃんには「そこまでできるのに、なんでそこだけ無理なんだ」と笑う。
そして渋谷事変では、圧をかけられたキャラの中身が全部出てくる。

歪んでいるというより、かなり一貫していた。

どうやら推しに求めていたのは、完成度ではなく、壊れ方まで含めた人間味だったらしい。


今日これ読んで

この記事を読んだ人の次の疑問に、それぞれ答える記事です。

すべての記事から探す

広告

他の記事を探す

すべての記事

めんどいちゃん

この記事を書いた人

めんどいちゃん

仕事や日常の「めんどい」を構造化して、次に動きやすくする記事を書いています。

このサイトについて