会議が苦手な人は、能力が低いわけではありません。
むしろ、会議の中で同時に処理しなければならない情報が多すぎるだけです。
- 何を話すか考える
- 相手の反応を見る
- 上司の顔色を見る
- 脱線した話を戻す
- その場で質問に答える
- 後から責任を押し付けられないようにする
- 「言った・言わない」にならないようにする
- 参加者の認識をそろえる
これを全部、即興でやろうとするとかなりきついです。
特に、会議中に誰かが急に割り込んできたり、前提を飛ばして話を変えたり、後から「それは違う」と言ってきたりする環境では、会議そのものがストレスになります。
そこでおすすめなのが、会議を「自分のトーク力」で乗り切るのではなく、事前に紙・スライド・台本を作って、当日はそれを読み上げる形にすることです。
つまり、会議中の自分を「台本読み上げくん」にする方法です。
会議が苦手な理由は「即興力がないから」ではない
会議が苦手だと、自分の話し方やコミュニケーション能力に問題があるように感じることがあります。
でも実際には、会議が苦手な人ほど、頭の中ではかなり多くのことを考えています。
例えば、次のようなことです。
- この話の目的は何か
- そもそも何が決まっていて、何が未定義なのか
- 誰が判断者なのか
- 自分がどこまで担当する話なのか
- 後から変更されそうな点はどこか
- 参加していない人から後出し意見が来ないか
- いま決めておかないと手戻りになる点は何か
これは本来、会議でかなり重要な視点です。
ただし、これらを考えながら同時に話すのは負荷が高いです。
会議が得意な人は、その場で話しながら整理できるかもしれません。
でも、会議が苦手な人は、事前に整理しておいた方が圧倒的に安定します。
苦手なのは「考えること」ではなく、「考えながら即興で話すこと」かもしれません。
解決策は「会議前30分で紙・スライド・台本を作る」こと
会議が苦手な人ほど、会議前に30分だけ準備時間を取る価値があります。
やることはシンプルです。
- 会議の目的を書く
- いま決まっていることを書く
- まだ決まっていないことを書く
- 確認したいことを書く
- 誰が判断するべきかを書く
- 自分の担当範囲を書く
- 会議で読む台本を作る
これを紙やスライドにします。
完璧な資料にする必要はありません。
むしろ、会議で使うための資料なので、見た目よりも「前提がそろうこと」が大事です。
会議前に作るべき1枚資料の構成
会議が苦手な人は、まず1枚でいいので次の項目を作ると進めやすくなります。
## 会議用メモ
## 1. 今日の目的
今回の打ち合わせで確認したいことを書く。
## 2. 現時点で決まっていること
スケジュール、担当、対象範囲などを書く。
## 3. 未定義のこと
まだ決まっていないこと、曖昧なことを書く。
## 4. 確認したいこと
会議中に確認したい質問を書く。
## 5. 判断者・確認先
誰がOKを出すのか、誰に確認する必要があるのかを書く。
## 6. 自分の担当範囲
自分がやること、やらないことを書く。
## 7. 後出し防止メモ
後から変更になると困る点を書く。
これだけで、会議の難易度はかなり下がります。
なぜなら、会議中に全部を頭の中で保持しなくてよくなるからです。
会議の最初に読む台本
会議が始まったら、いきなり自由に話そうとしなくて大丈夫です。
紙を見ながら、淡々と読めばいいです。
例えば、次のように始めます。
本日は、作業に入る前に前提をそろえたいと思っています。
後から認識違いが出ると手戻りになるため、
今日の打ち合わせでは、目的・決まっていること・未定義のこと・確認事項を整理したいです。
まず資料の順番に沿って確認させてください。
これで十分です。
ポイントは、「自分がうまく話す」のではなく「資料の順番で進める」と宣言することです。
割り込まれたときの戻し方
会議が苦手な人にとってつらいのは、途中で誰かが割り込んできて、話が飛ぶことです。
その場合は、相手を否定する必要はありません。
ただ、資料に戻せばいいです。
使える言い方は次の通りです。
その点も大事なので、後ほど確認します。
まずは資料の順番で前提をそろえさせてください。
いったん今日決めたい点に戻します。
今回確認したいのは、この3点です。
そこは判断が必要な部分なので、確認先を明確にしたいです。
まず、誰が判断するかを確認させてください。
このように、「戦う」のではなく「戻す」ことが大切です。
会議の主導権を、感情ではなく資料に持たせます。
後出し修正を防ぐには「会議中か文面で出してください」と言う
会議後に一番つらいのが、後出しの修正です。
- それは違うと思っていた
- 本当はこうしたかった
- その話は聞いていない
- やっぱり変更してほしい
- もっとこうしてほしい
こういう後出しが続くと、会議も資料作成も終わりません。
そのため、会議中に次のように言っておくと防御になります。
後から大きく変更になると手戻りになるため、
追加の意見がある場合は、今日この場か、文面で共有いただけると助かります。
これは攻撃ではありません。
手戻りを防ぐための前提確認です。
参加しない人、意見を出さない人、文面で共有しない人の後出しを弱くする効果があります。
「紙を見ながら話す」は悪いことではない
会議が苦手な人は、紙を見ながら話すことに罪悪感を持つことがあります。
でも、紙を見ながら話しても問題ありません。
むしろ、仕事の会議では次のようなメリットがあります。
- 話が脱線しにくい
- 言い忘れが減る
- 感情的になりにくい
- 認識違いが減る
- 後から見返せる
- 相手も何を確認すればいいか分かる
会議はスピーチ大会ではありません。
目的は、うまく話すことではなく、前提をそろえて仕事を進めることです。
紙を見て淡々と読むだけでも、会議が回るならそれで十分です。
AIを使うと30分で会議準備できる
会議準備は、AIと相性がいいです。
自分の頭の中にあることを雑に入力して、AIに次の形へ整理してもらいます。
- 会議の目的
- 参加者
- 決まっていること
- 未定義のこと
- 確認したいこと
- 想定されるツッコミ
- 後出しされそうな点
- 自分が背負いすぎない言い方
- 会議用の台本
- スライド構成
例えば、AIには次のように頼めます。
以下の内容をもとに、会議用の1枚資料と読み上げ台本を作ってください。
目的:
〇〇について、作業前に前提をそろえたい。
決まっていること:
・〇〇
・〇〇
まだ決まっていないこと:
・〇〇
・〇〇
確認したいこと:
・誰がOK判断するか
・撮影後の修正はどこまで対応するか
・追加意見はいつまでに出してもらうか
条件:
・責める言い方にしない
・自分が全部背負う言い方にしない
・会議でそのまま読める台本にする
・後出し修正を防げる表現にする
これだけでも、会議の準備がかなり楽になります。
会議が苦手な人向けの基本テンプレ
そのまま使えるテンプレを置いておきます。
## 会議前確認メモ
## 今日の目的
今回の打ち合わせでは、〇〇に入る前に前提をそろえることを目的にします。
## 現時点で決まっていること
- 〇〇
- 〇〇
- 〇〇
## 未定義のこと
- 〇〇
- 〇〇
- 〇〇
## 確認したいこと
- 〇〇は誰が判断するか
- 〇〇はどこまで対応するか
- 〇〇の期限はいつか
- 追加意見はいつまでに出してもらうか
## 自分の担当範囲
私の方では、整理・たたき台作成・確認事項の見える化まで対応します。
判断が必要な部分については、関係者に確認しながら進めます。
## 会議冒頭の台本
本日は、作業に入る前に前提をそろえたいと思っています。
後から認識違いが出ると手戻りになるため、
目的・決まっていること・未定義のこと・確認事項を順番に確認させてください。
## 後出し防止
後から大きく変更になると手戻りになるため、
追加の意見がある場合は、今日この場か、文面で共有いただけると助かります。
会議が苦手な人は「克服」しなくていい
会議が苦手な人は、無理に即興力を鍛えようとしなくても大丈夫です。
もちろん、慣れれば少しずつ話しやすくなるかもしれません。
でも、最初から「会議でうまく話せる人」になろうとすると負荷が高いです。
それよりも、
- 紙に書く
- スライドにする
- 台本を作る
- 読み上げる
- 脱線したら資料に戻す
- 判断者を確認する
- 後出しを文面化する
という仕組みを作った方が、現実的です。
苦手を気合いで克服するのではなく、苦手が出ない運用にする。
これが、会議が苦手な人にとって一番強い戦い方です。
まとめ
会議が苦手な人は、能力が低いわけではありません。
即興で話すこと、空気を読みながら進行すること、割り込みに対応すること、後出しを防ぐことを、全部同時にやろうとするから苦しくなります。
だからこそ、会議前に30分だけ準備して、紙・スライド・台本を作るのがおすすめです。
会議では、うまく話さなくていいです。
紙を見ながら、淡々と読めばいいです。
会議の目的は、話術を披露することではありません。
前提をそろえ、未定義を見える化し、判断者を確認し、手戻りを減らすことです。
会議が苦手なら、台本読み上げくんになればいい。
それだけで、会議はかなり回しやすくなります。
アプリ・サービス導線案
会議準備や仕事の前提整理が苦手な人向けに、以下のような導線を置くと相性がよい。
