記事5. 「みんなそうだよ」と返される相談がしんどい理由

相談した時に「みんなそうだよ」「私もそうだった」「昔よりマシ」と言われると、なぜ腹が立つのか。昔の我慢する働き方をそのまま教える言葉が、追い込まれた人の逃げ道を消す流れを整理する。

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しんどい時に人へ相談すると、こう返ってくることがある。

「みんなそうだよ」

「私も昔そうだったけど何とかなったよ」

「今は昔より楽でしょ」

「戦争がないだけ幸せだよ」

「頑張れば何とかなるよ」

こういう言葉を聞くと、かなり腹が立つ。

なぜか。

それは、本人が欲しいものと全然違うからだ。

本人が欲しいのは、比較ではない。

説教でもない。

根性論でもない。

欲しいのは、

今の自分の状態を否定せずに見て、
何を終わらせればいいか、
どう逃げればいいか、
どの手順なら一番手間や気力が少なくて済むか、
一緒に考えてくれること。

「みんなそうだよ」は、一見共感に見える。

でも、使い方によっては、逃げ道を消す言葉になる。

「みんなそうだよ」

だから何?

みんなそうでも、今の自分がきつい。

「私もそうだったけど何とかなった」

あなたは何とかなったかもしれない。

でも、自分の条件・体力・職場・家族・お金・神経は違う。

「昔よりマシ」

それは事実かもしれない。

でも、比較史で今日の腹痛は消えない。

こういう相談がしんどいのは、相手が昔の我慢するやり方を、今の自分にも当てはめているからかもしれない。

昔の我慢するやり方では、だいたいこう考える。

  • 苦しみは耐えるもの
  • 辞めるのは逃げ
  • みんなやっているから大丈夫
  • 自分も耐えたから相手も耐えられる
  • 相談とは精神論を渡すこと

でも、追い込まれた人に必要なのは精神論ではない。

必要なのは、手順だ。

今日休む文面。

有給を取る文面。

退職を伝える文面。

労働相談窓口。

生活保護の申請先。

医師や、気持ちを聞いて整理を助ける人への相談。

文章で相談できる道具に、状況を整理してもらう頼み方。

人に相談すると、相手のものの考え方に左右される。

相手が昔の我慢する働き方を正しいと思っていると、相談したつもりが、気合いで何とかする話や昔との比較でさらに削られることがある。

だから、まず話し始めるために、文章で相談できる道具へ書いてみるという使い方は考えられる。人の助けが必要な時に、それで済ませるという意味ではない。

文章で相談できる道具なら、少なくとも最初に、どんな返事がほしいかを頼める。

説教はいらない。
昔との比較もいらない。
まず共感して。
そのあと、今日使える、手間や気力が少なくて済む逃げ道を3つだけ出して。

人間にこれを言うと面倒な時がある。

文章で相談できる道具には、そのまま書いて頼める。

もちろん、文章で相談できる道具は万能ではなく、返事が間違ったり、つらさや危険を十分に分からなかったりすることもある。

それでも、昔の我慢する働き方だけで答える人へ相談する前に、話したいことを整理する場所として役立つ場合はある。

短い言葉でまとめるなら、こうだ。

人に相談すると、相手のものの考え方に左右される。
文章で相談できる道具には、自分の今の状態に合わせて、返事の仕方を頼める。

しんどい時ほど、今の自分の状態を見てくれる相談相手を選んだ方がいい。


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