不動産サイトを1年ほど見ていると、同じ物件が何度も表示され、数百万円、場合によっては数千万円単位で値下げされていく。
すると、「全国的にアパート価格が下がっているのではないか」と感じる。
ところが、統計を見ると逆だった。
2026年6月に投資用サイトへ登録された一棟アパートの全国平均価格は9,116万円。2008年4月の集計開始以来、2番目の高値だった。前年同月比でも9.03%上昇し、全国平均の表面利回りは7.94%だった。東海地方の平均価格も7,076万円で、直近1年間の最高値を記録している。[^1]
つまり、全国市場が一斉に暴落しているわけではない。
むしろ今起きているのは、高値相場の中で、売れない物件だけが何度も値下げされている状態である。
そして、表面利回り12%の物件を頭金3割で買えば、自己資金に対する家賃収入は約40%に見える。
数字だけなら、とんでもなく魅力的だ。
しかし、不動産投資で本当に怖いのは、画面に表示される価格変動だけではない。
空室、漏水、給湯器、外壁、屋根、配管、入居者対応、地震、売却できない期間、そしてローン返済。これらは、発生時期も金額も読みづらいまま、現金と対応を要求してくる。
何もしたくない人にとって、不動産は「投資」ではなく、呼び出し付きの副業である。
全国的にアパート価格が下がっているわけではない
2026年6月の一棟アパート登録データは次のとおりだった。[^1]
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 全国平均登録価格 | 9,116万円 |
| 前月比 | +2.12% |
| 前年同月比 | +9.03% |
| 全国平均表面利回り | 7.94% |
| 東海平均登録価格 | 7,076万円 |
| 集計開始以来の水準 | 2番目の高値 |
ただし、この数字は実際の成約価格ではなく、投資用不動産サイトに登録された物件の平均値である。
そのため、これだけで「日本中の同じアパートが1年で9%値上がりした」とは言えない。掲載地域、築年数、物件規模、新築・中古の構成が変われば、平均価格も動く。
それでも少なくとも、全国の一棟アパート市場が全面的な値崩れ状態にある、とは読めない。
では、なぜ検索画面では値下げ物件ばかりに見えるのか。
良い物件は消え、なしな物件だけが残る
不動産ポータルで長期間観測できるのは、「市場に存在する全物件」ではない。
正確には、まだ売れていない物件である。
条件が良く、価格も妥当な物件は、掲載後に買い手がつけば画面から消える。一方、次のような物件は長く残る。
- 築古で大規模修繕が近い
- 空室が多い
- 地方で賃貸需要が弱い
- 想定家賃が現実より高い
- 接道、再建築、境界などに問題がある
- 土地値と収益価値を両方盛ったような価格
- 金融機関の評価が低く、融資がつきにくい
- 売主が高値相場に乗って強気の価格を付けた
この在庫が、5%、10%、20%と値下げされながら検索画面に居座る。
だから、1年間ポータルを見続けた人ほど、
アパートが下がりまくっている
と感じやすい。
実際には、
市場全体が3割下がったのではなく、最初の価格が3割ほど夢価格だった
というケースも多い。
さらに厄介なのは、3割値下げされた後でも安いとは限らないことだ。
1億円から7,000万円になれば、お得に見える。しかし、本来の収益価値が5,500万円で、近い将来に1,000万円の修繕が必要なら、まだ高い。
値下げ率は、適正価格を示してくれない。
頭金3割なら「12%×3倍=36%」なのか
物件価格を1,000万円、表面利回りを12%とする。
年間の満室想定家賃は120万円である。
頭金を3割にすると、自己資金は300万円、借入金は700万円になる。
ここで、年間家賃120万円を頭金300万円で割ると、
120万円 ÷ 300万円 = 40%
となる。
「12%×3倍で36%くらい」という感覚は近いが、正確な資産倍率は次のとおりだ。
物件価格1,000万円 ÷ 頭金300万円 = 約3.33倍
したがって、
表面利回り12% × 約3.33倍 = 約40%
となる。
これが、借金を使うことで自己資金利回りが大きく見える仕組み、つまりレバレッジである。
ただし、この40%は利益率ではない。
まだ、購入諸費用、空室、管理費、税金、保険、日常修繕、ローン返済、大規模修繕を何も引いていない。
1,000万円・表面12%の物件を現実寄りに計算する
以下はあくまで構造を確認するための試算であり、実際の経費や融資条件は物件ごとに異なる。
購入条件
| 項目 | 金額・条件 |
|---|---|
| 物件価格 | 1,000万円 |
| 頭金 | 300万円 |
| 借入金 | 700万円 |
| 購入諸費用 | 70万円 |
| 実際の初期投入資金 | 370万円 |
| 表面利回り | 12% |
| 年間満室想定家賃 | 120万円 |
| ローン | 金利3%・20年・元利均等 |
700万円を金利3%、20年で借りた場合、年間返済額は約46.6万円になる。
平常年の試算
| 項目 | 年間金額 |
|---|---|
| 満室想定家賃 | 120.0万円 |
| 空室・管理・税・保険・通常修繕など | ▲30.0万円 |
| NOIに近い運営純収益 | 90.0万円 |
| ローン元利返済 | ▲46.6万円 |
| 返済後キャッシュフロー | 43.4万円 |
| 将来の大規模修繕用積立 | ▲12.0万円 |
| 実質的に使える手残り | 31.4万円 |
初期投入資金370万円に対する手残りは、
31.4万円 ÷ 370万円 = 約8.5%
となる。
最初に見えた40%が、平常年の手残りでは一桁まで縮んだ。
もちろん、空室が少ない、管理を自分で行う、低金利で長く借りられる、修繕状態が良いといった条件なら数字は改善する。
反対に、次の条件ならさらに悪化する。
- 空室期間が長い
- 家賃を下げないと埋まらない
- 融資期間が短い
- 金利が高い
- 原状回復費が重なる
- 固定資産税や保険料が高い
- 給湯器、屋根、外壁、配管が同時期に傷む
表面利回り12%とは、「毎年12%が利益として残る」という意味ではない。
経費を引く前の満室想定家賃が、物件価格の12%あるというだけである。
修繕は例外ではなく、必ず来る支出である
国土交通省は、賃貸住宅の安定経営には長期的な修繕計画が必要だとしている。計画修繕ガイドブックでは、たとえばRC造の外壁は一般に12年目ごろに補修・塗装工事が必要と説明されている。放置すれば、漏水、雨漏り、腐食、給排水の不具合などにつながる。^2
築古アパートでは、次の設備が時間差で壊れるとは限らない。
- 屋根
- 外壁
- 防水
- 給湯器
- エアコン
- 給排水管
- 共用廊下
- 階段
- 消防設備
- 室内設備
平常年に30万円前後の手残りがあっても、100万円の修繕が一度来れば、約3年分が消える。
300万円なら約10年分である。
つまり、築古高利回り物件の実態は、
毎年高利回りで儲かる商品
というより、
平常年の黒字を積み上げ、数年に一度の空室と修繕で吐き出す小規模事業
に近い。
帳簿上の利益と現金の手残りは一致しない
ローン返済額のうち、利息は一定の条件で必要経費になるが、元本返済は必要経費ではない。国税庁も、業務用資産の取得に使った借入金の利息は必要経費になると説明している。[^3]
そのため、不動産では次のズレが起きる。
- 元本返済で現金は減る
- しかし元本返済は経費にならない
- 減価償却で帳簿上の利益は減る
- しかし減価償却時に現金は出ていかない
- 修繕内容によっては一括経費ではなく資本的支出になる
結果として、
帳簿上は利益が出ているのに、使える現金が少ない
あるいは、
現金は残っているが、将来の修繕費として使えない
という状態が起こる。
表面利回りだけでは、この違いは見えない。
全国に空室は多いが、価格は一律には下がらない
2023年の住宅・土地統計調査によると、共同住宅の空き家は全国で502万9千戸あり、そのうち賃貸用の空き家は394万7千戸だった。賃貸用などをまとめた空き家は479万4千戸で、共同住宅の空き家の9割以上を占める。^4
これだけ見ると、「空室が多いならアパート価格は全部下がるはずだ」と思える。
しかし、不動産は全国で一つの商品ではない。
同じアパートでも、次の条件で需要は大きく変わる。
- 駅までの距離
- 雇用のある地域か
- 大学、工場、病院などの需要源があるか
- 単身向けかファミリー向けか
- 駐車場が必要な地域か
- 新築供給が多いか
- 人口減少が速いか
- 災害リスクが高いか
- 土地として売却しやすいか
都市部や需要の強い地域では家賃と土地価格が支えられる一方、需要の弱い地域の築古物件は、空室と修繕負担によって値下げされる。
今の市場は「全国一律下落」ではなく、高値維持と局所的な値崩れが同時に起きる二極化市場と考えた方が近い。
金利が上がると、微妙な物件から成立しなくなる
日本銀行は2026年6月、無担保コールレートを1.0%程度で推移させる方針を決めた。^5
政策金利と個別の不動産投資ローン金利は同じではない。しかし、資金調達コストが上がれば、同じ家賃収入でも買い手が出せる価格は下がりやすい。
収益物件の価格は、単純化すると次の関係で考えられる。
物件価格 = 年間純収益 ÷ 買い手が必要とする利回り
年間純収益が500万円の場合、
| 必要利回り | 理論価格 |
|---|---|
| 5% | 1億円 |
| 6% | 約8,333万円 |
| 7% | 約7,143万円 |
| 8% | 6,250万円 |
必要利回りが5%から7%へ上がると、理論価格は約29%下がる。
物件の家賃が急減していなくても、金利、融資期間、修繕リスク、地域リスクの見方が変わるだけで、買い手の適正価格は大きく変わる。
だから、1億円で売り出された物件が7,000万円まで下がること自体は不思議ではない。
ただし、それは必ずしも「7,000万円なら割安」という意味ではない。
単に、買い手が成立する価格へ戻ってきただけかもしれない。
株の価格変動と、不動産の不確実性は種類が違う
不動産だけを持つ人の中には、
株は価格が毎日動くから怖い
と考える人がいる。
確かに、株式は毎日評価額が表示される。30%下がれば、画面上でも30%減る。
一方、不動産は毎日査定されない。
だから安定しているように見える。
しかし、表示されていないだけで、次の変化は起きている。
- 周辺人口の減少
- 家賃相場の低下
- 建物の劣化
- 金利上昇
- 金融機関の融資姿勢の変化
- 災害リスク評価の変化
- 売却時の買い手減少
不動産には、さらに価格変動とは別のリスクがある。
1. 追加支出リスク
株式は、現物を自己資金で買う限り、基本的には投資額を超える修繕請求が来ない。
アパートは、保有後にも現金を要求する。
2. 対応義務リスク
漏水や設備故障が起きれば、入居者がいるため放置できない。
管理会社へ委託しても、最終的な費用判断は所有者に戻る。
3. 集中リスク
一棟アパートは、特定の地域、建物、構造、入居者層に資金が集中する。
4. 流動性リスク
売却には時間がかかり、仲介手数料なども発生する。必要な金額だけ部分的に売ることも難しい。
5. レバレッジリスク
建物価格や家賃が下がっても、ローン残高は同じ速度では減らない。
6. 災害リスク
火災保険では、地震を原因とする火災や、地震で延焼・拡大した損害は補償されない。地震保険は火災保険に付帯して契約する制度であり、保険金額も火災保険金額の30~50%の範囲に制限される。^6
つまり、保険へ入れば建物が完全に元通りになると決まっているわけではない。
ローンが残っている状態で大規模災害が起きれば、修復、建替え、解体、入居者対応、返済を同時に考える可能性がある。
「値下がりが怖い」と「突然の実費が怖い」は別の感覚である
投資のリスク許容度は、価格下落にどこまで耐えられるかだけでは決まらない。
次の二つは別物である。
画面上の変動が怖い人
- 評価額が下がると不安になる
- 毎日の値動きを見たくない
- 売らなければ確定しない損失でも気になる
不確実な実費と作業が怖い人
- いつ起きるか分からない修繕が嫌
- 損失額の上限が読めないのが嫌
- 急な電話や判断を要求されたくない
- 休日や夜間に対応したくない
- 売りたいときに売れないのが嫌
- 借金を残したまま災害に遭うのが嫌
後者にとっては、価格が毎日動く金融商品より、価格は見えなくても突然100万円を要求してくる建物の方が怖い。
これは臆病かどうかではない。
何をリスクとして重く見るかの違いである。
「何もしたくない」は立派な投資条件になる
投資商品を選ぶとき、利回りや税制ばかり比較される。
しかし、本来は次の項目も入れるべきである。
- 年間で何時間使うか
- 急な連絡が何回来るか
- 自分で判断する回数
- 追加資金を要求される可能性
- 精神的に保有し続けられるか
- 本業や休日を侵食しないか
一棟アパートは、管理会社に委託しても完全な自動運転にはならない。
購入前には物件調査、融資、契約がある。購入後には収支確認、税務、修繕判断、保険更新、入退去、売却判断がある。
したがって、
何もしたくない
呼び出されたくない
追加で判断したくない
という人にとって、不動産を見送るのは消極策ではない。
自分の時間と認知負荷を守るための、合理的なシャットアウトである。
高い表面利回りを捨てているように見えても、実際には次のコストを回避している。
- 借金の拘束
- 修繕積立
- 災害時の判断
- 入居者対応
- 売却の手間
- 税務処理
- 常に建物のどこかが壊れる可能性
投資の利益は、金額だけで測る必要はない。
何もしなくてよい時間も、立派な収益である。
物件を見るなら「40%」ではなく、この式を見る
頭金3割、表面利回り12%という数字を見たときは、次の式で考える。
年間家賃収入
- 空室損
- 管理費
- 固定資産税
- 保険料
- 通常修繕
- 大規模修繕積立
- ローン元利返済
= 年間手残りキャッシュフロー
そのうえで、
年間手残りキャッシュフロー
÷ 頭金・購入諸費用・初期修繕費
= キャッシュ・オン・キャッシュ・リターン
を見る。
さらに、次も確認する。
- 家賃は満室想定ではなく、過去12か月の実入金か
- 退去後も同じ家賃で埋まるか
- 10年間の修繕計画を入れたか
- 金利が1~2ポイント上がっても耐えられるか
- 一室または二室が長期空室でも返済できるか
- 土地値から解体費や立退き費を引いた出口価格はいくらか
- 売却に1年以上かかっても困らないか
- 災害後も返済を続けられるか
- その利回りのために、何時間働くことになるか
この計算をすると、表面利回り12%は「高配当の商品」ではなく、リスクと作業を引き受ける対価だと分かる。
結論:不動産は、値動きが見えないだけの小規模事業である
一棟アパートの全国平均登録価格は、2026年6月時点で過去2番目の高値だった。
それでも検索画面に値下げ物件が多く見えるのは、良い物件が消え、強気価格の売れ残りが長く残るためである。
頭金3割で表面利回り12%なら、自己資金に対する家賃収入は約40%に見える。
しかし、その数字は利益ではない。
運営費、ローン返済、購入諸費用、修繕積立を入れると、実際の手残りは一桁から十数%まで縮むことがある。さらに大規模修繕や災害が来れば、数年分の利益が一度に消える。
株の値下がりより、地震、修繕、漏水、空室、追加出費の方が怖い人もいる。
その感覚は間違っていない。
不動産は、値動きが画面に出ない代わりに、現金と判断と時間を突然要求する。
だから最後の判断基準は、利回りではなくてもよい。
何もしたくない。
その一言だけで、不動産を買わない理由としては十分である。
FAQ
表面利回り12%なら、本当に自己資金利回り40%になりますか?
頭金だけを分母にし、経費も返済も無視すれば約40%になる。ただし、これは自己資金に対する「満室想定家賃」の割合であり、利益率ではない。購入諸費用、空室、運営費、ローン返済、修繕積立を入れたキャッシュ・オン・キャッシュ・リターンで判断する必要がある。
値下げ率が大きい物件はお買い得ですか?
値下げ率だけでは判断できない。最初の価格が過大だった可能性がある。現在価格と、実際の純収益、土地値、修繕費、解体費、融資条件、出口価格を比較する必要がある。
管理会社に全部任せれば何もしなくて済みますか?
日常対応の多くは委託できるが、修繕の承認、費用負担、保険、税務、収支確認、売却判断まで所有者の責任がなくなるわけではない。完全な放置投資ではない。
地震保険に入れば災害リスクはなくなりますか?
なくならない。通常の火災保険では地震起因の損害が補償されず、地震保険にも保険金額の上限がある。修復費、ローン残高、解体費などを全額カバーできるとは限らない。
何もしたくない人は不動産投資を避けるべきですか?
収益性だけでなく、対応義務、追加支出、時間、認知負荷を負いたくないなら、避ける判断は合理的である。不動産は金融商品の外見を持つが、実態は運営を伴う事業に近い。
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English Version
The 12% Rental Yield That Looks Like 40%: The Hidden Cost of Buying an Apartment Building With 30% Down
After watching apartment-building listings for a year, it is easy to feel that prices are collapsing. The same properties remain online, receive repeated price cuts, and still fail to sell.
The national data, however, show a different picture.
In June 2026, the average asking price of apartment buildings registered on a major Japanese investment-property platform was JPY 91.16 million, the second-highest level since the survey began in April 2008. It was up 9.03% year on year, while the average advertised gross yield was 7.94%.[^1]
This does not look like a nationwide crash.
What we are seeing is more likely a combination of a high-priced market and repeated discounts on properties that were overpriced or structurally unattractive from the beginning.
At the same time, a property with a 12% advertised yield appears extremely profitable when purchased with only 30% equity.
If the property costs JPY 10 million:
- Equity deposit: JPY 3 million
- Loan: JPY 7 million
- Gross annual rent at 12%: JPY 1.2 million
The gross rent divided by the deposit is:
JPY 1.2 million ÷ JPY 3 million = 40%
The leverage multiple is not exactly three. It is:
JPY 10 million ÷ JPY 3 million = 3.33 times
Therefore:
12% × 3.33 = approximately 40%
But 40% is not a profit margin. It is gross scheduled rent before acquisition costs, vacancy, management, taxes, insurance, routine repairs, major capital expenditure, and debt service.
A More Realistic Example
Assume the following:
| Item | Assumption |
|---|---|
| Purchase price | JPY 10 million |
| Deposit | JPY 3 million |
| Loan | JPY 7 million |
| Acquisition costs | JPY 700,000 |
| Total initial cash invested | JPY 3.7 million |
| Gross scheduled rent | JPY 1.2 million |
| Loan terms | 3%, 20 years |
Annual debt service is approximately JPY 466,000.
| Item | Annual amount |
|---|---|
| Gross scheduled rent | JPY 1,200,000 |
| Vacancy, management, tax, insurance and routine repairs | −JPY 300,000 |
| Operating income | JPY 900,000 |
| Debt service | −JPY 466,000 |
| Cash flow after debt service | JPY 434,000 |
| Reserve for major repairs | −JPY 120,000 |
| Spendable cash flow | JPY 314,000 |
The cash-on-cash return is then:
JPY 314,000 ÷ JPY 3.7 million = approximately 8.5%
The apparent 40% has fallen to a single-digit return in an ordinary year.
One JPY 1 million repair can erase more than three years of that cash flow.
Repairs Are Not an Exceptional Event
Japan's Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism recommends long-term maintenance planning for rental housing. Its guidance notes that buildings require periodic work on exterior walls, waterproofing, roofs, plumbing and equipment, and that neglect can lead to leaks, corrosion and service failures.^2
A high-yield older property is therefore not simply a passive income product. It is closer to a small operating business that accumulates profits in normal years and gives part of them back during vacancies and major repairs.
Visible Volatility and Hidden Uncertainty Are Different Risks
Some investors avoid stocks because stock prices move every day.
Real estate looks more stable because its price is not displayed continuously. But the underlying value still changes as rents, local population, borrowing costs, building condition and buyer demand change.
Real estate also adds risks that a fully paid cash equity investment normally does not have:
- Unplanned cash calls
- Tenant and repair decisions
- Concentration in one building and one location
- Slow and expensive liquidation
- Debt that remains even if the property value falls
- Earthquake and other disaster exposure
In Japan, ordinary fire insurance does not cover fires or damage caused by earthquakes. Earthquake insurance must be attached to fire insurance, and its insured amount is limited to 30% to 50% of the fire-insurance amount.^6
Insurance therefore does not automatically restore an apartment building to its pre-disaster condition or eliminate the outstanding loan.
“I Do Not Want to Do Anything” Is a Valid Investment Criterion
Investment decisions are usually framed around return, tax benefits and asset growth.
They should also include:
- Hours of work required each year
- Frequency of unexpected calls
- Number of decisions the owner must make
- Possibility of additional cash contributions
- Mental burden
- Impact on evenings, weekends and the main job
Even with a property manager, the owner remains responsible for costs, major repair approvals, insurance, accounting and the final decision to hold or sell.
For someone who does not want calls, additional decisions or unpredictable expenses, rejecting rental-property ownership is not laziness. It is a rational choice to protect time and cognitive capacity.
The correct comparison is not simply:
Which asset has the highest advertised yield?
It is:
How much cash, time, attention and uncertainty must I accept to earn that return?
A 12% gross yield is not free income. It is compensation for taking on property, financing and operating risk.
Sometimes the most valuable return is the time during which nothing needs to be done.
Sources
[^1]: LIFULL / Kenbiya, “収益物件 市場動向マンスリーレポート 2026年6月期,” July 2026.
https://lifull.com/news/49148/
https://www.mlit.go.jp/common/001231406.pdf
[^3]: 国税庁「No.2210 必要経費の知識」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/bunseki.pdf
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260616a.pdf
https://www.mof.go.jp/policy/financial_system/earthquake_insurance/jisin.htm
https://www.mof.go.jp/faq/financial_system/ei04.html
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の物件、融資、保険または投資行動を推奨するものではありません。実際の判断では、物件資料、融資条件、税務、保険、建物調査および地域の需給を個別に確認してください。
