要約・結論
次々と新しいテーマへ興味を持つ人が、必ずしも飽き性・凡人・継続力不足とは限らない。同じ動作を続ける力と、同じ目的を追いながら問い・方法・対象を更新し続ける力は別物である。探索、構造化、改善、仕組み化を繰り返す人は、対象を変えながら中核能力を蓄積している。
新規性の本当の報酬
探索型の人が求めるのは、刺激だけではない。
- 未知の対象に触れる。
- 問いを作る。
- 情報を集める。
- 共通構造を抜く。
- 別分野へ転用する。
- 再利用できる成果物へ変える。
職務特性モデルは、技能多様性、仕事の完結性、重要性、自律性、フィードバックが内発的動機づけに関係すると説明する。[R11] 自己決定理論も、自律性、有能感、関係性が支えられると、質の高い動機づけとウェルビーイングが生じやすいとする。[R12]
なぜ保守運用で急に消耗するのか
一度改善した仕事が、そのまま無期限の窓口、反復対応、例外処理へ変わると、探索の報酬が消え、責任だけが残る。したがって、「一度できたから今後も担当」は、探索型人材の強みを保守要員として固定する運用になりやすい。
探索型の継続力を活かすには、次が有効である。
- 調査・設計・初期構築と、定常運用を分ける。
- 定型作業をテンプレート化・自動化する。
- 完了条件と引渡し先を決める。
- 同じ目的の中で、新しい問いと改善余地を残す。
- 成果物を次の仕事で再利用できるようにする。
結論
同じ動作を続ける人と、同じ目的を続ける人は、どちらも継続できる人である。 新規性を消費しているのか、探索を通じて知識・仕組み・選択肢を積み上げているのかを区別する必要がある。
統合フレーム 未定義を見つけたら、責めるな。決めろ。
- Define|定義する:目的、成果物、基準、期限、判断者を決める。
- Bound|境界を切る:単発・継続、担当範囲、相談条件、完了条件を決める。
- Log|記録する:確認、決定、変更、引渡しを文章で残す。
- Transfer|移管する:仕事を分解し、小さく任せ、レビューし、手放す。
- Learn|学習する:人格ではなく、工程・基準・情報・権限の欠陥を修正する。
職場の多くの問題は、「もっと頑張れ」「もっと考えろ」「もっと話せ」という人物要求へ変換される。しかし、本当に必要なのは、人が再現可能に動ける条件を設計することである。
