QC資料はパワポから作るな。評価表起点のQC設計シートから作れ

QC活動が嫌い。

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QCが嫌いになるのは、あなたのせいではない

QC活動が嫌い。

QC発表が面倒。

資料を作っても、上司から赤字だらけで返ってくる。

「もっと分かりやすく」 「ここが弱い」 「このグラフでいいの?」 「なんか違う」

そう言われても、正直こう思いませんか。

何を直せばいいんだよ。

QCが苦手な人の多くは、QCそのものが嫌いというより、
QC活動・QC発表・資料作成・上司の指摘が全部ごちゃ混ぜになっていることに疲れています。

ここを分けるだけで、かなり楽になります。


QCには3つの別ゲーがある

まず、QCは1つの作業ではありません。

大きく分けると、次の3つがあります。

種類 やること
QCそのもの 職場の困りごとを、データで見て、原因を考えて、改善する
QCストーリー やった改善を、テーマ選定→現状把握→目標設定→要因解析→対策→効果確認→標準化の順に整理する
QC発表 改善活動を、評価表に刺さる形で、聞き手に分かるように見せる

ここを混ぜると地獄になります。

「現場を良くする活動」をしているはずなのに、
いつの間にか「パワポを作る作業」になり、
最後には「上司の好みに合わせる赤字対応ゲーム」になります。

これが、QC嫌いを生みます。


QC発表は、分析論文ではない

ここが大事です。

QC発表は、分析論文ではありません。

評価項目に刺さる主張を、紙芝居で、順番に、聞き手を迷子にさせず見せる競技です。

カラオケの精密採点に近いです。

歌がうまいことと、精密採点で高得点を取ることは似ていますが、完全には同じではありません。

音程、抑揚、ビブラート、ロングトーンなど、採点機が見ている項目があります。

QC発表も同じです。

現場改善ができていることと、QC発表で高評価を取ることは、似ていますが別です。

カラオケ QC発表
歌唱力 現場改善の中身
精密採点 QC発表の評価
採点項目 QC評価表
音程バーに合わせる 評価表の着眼点に合わせる

つまり、QC発表では評価表を見る必要があります。

評価表を見るのはズルではありません。
やった改善を、評価される形式に翻訳するだけです。


QC資料は、自由帳ではなく答案用紙

QC資料を作るとき、多くの人はいきなりPowerPointを開きます。

そして、こうなります。

  • とりあえずテーマを書く
  • とりあえずグラフを貼る
  • とりあえずパレート図を作る
  • とりあえず原因を書いてみる
  • とりあえず対策を書く

でも、この作り方だと迷子になります。

QC資料は自由帳ではありません。

評価表への答案用紙です。

評価表には、こういう着眼点があります。

  • サークルや職場のニーズに基づいているか
  • 悪さや困り具合が明確か
  • どう悪いのかがデータで示されているか
  • 悪さが浮きぼりになっているか
  • 目標値が数値化されているか
  • 真の原因と対策が結び付いているか
  • 効果が維持できる仕組みになっているか

つまり、資料作りで最初にやるべきことは、
評価表の着眼点を問いに変えることです。


評価表起点のQC設計シート戦略とは

評価表起点のQC設計シートとは、
PowerPointを作る前に、評価表の着眼点をもとに、シナリオを穴埋めするためのシートです。

順番はこうです。

評価項目を見る
↓
着眼点を抜き出す
↓
問いに変える
↓
問いごとの回答を埋める
↓
回答を支える数字を決める
↓
数字を見せるQC道具を選ぶ
↓
1ページ1結論でPowerPoint化する

PowerPointは最後です。

パレート図も最後です。

データ集計も、最初ではありません。

最初にやるのは、問いへの回答を埋めることです。


例:テーマ選定を評価表起点で考える

たとえば、テーマが「打刻漏れが多い」だとします。

いきなり資料を作ると、こうなりがちです。

打刻漏れが多いので改善します。

これだと浅いです。

評価表の着眼点に合わせると、テーマ選定で見るべき切り口はこうなります。

評価表の着眼点 問い 打刻漏れで答える内容
サークルのニーズ メンバーは何を減らしたい? 打刻漏れ確認や再申請の手戻りを減らしたい
職場のニーズ 職場として何を良くしたい? ムダ工数を減らし、生産性を上げたい
悪さ 何が悪い? 打刻漏れで不要な確認・修正が発生している
困り具合 誰が困っている? 本人・上司・管理部署に確認対応が発生している
関連部門への配慮 誰かを責めていないか? 個人を責めず、漏れにくい仕組みにする

この問いに答えると、資料の結論はこうなります。

打刻漏れは、締め日前の確認工数を増やすムダ工数になっている。

これなら、パッと見で分かります。

高校生でも分かります。


長いQC文は短くする

QC資料では、文章を長くしすぎない方がいいです。

たとえば、次の文は正しいですが長いです。

打刻漏れにより、本来不要な確認・修正工数が発生し、勤怠締め処理の生産性低下につながっている。

スライド見出しなら、こうで十分です。

打刻漏れが締め前工数を増やす

または、

打刻漏れで確認工数が増える

資料では、まず結論を短く出します。
説明は、本文や口頭で補足します。

短くするコツはこれです。

原因が、悪さを、どうする

例:

打刻漏れが、確認工数を、増やす

これだけで、かなり分かりやすくなります。


現状把握は「悪さを数字で見せる」工程

現状把握でやることは、データをたくさん貼ることではありません。

評価表の着眼点は、だいたいこうです。

  • どう悪いのかがデータ等で客観的に示されているか
  • 悪さが浮きぼりになっているか

つまり、現状把握のゴールはこれです。

何が一番悪いのかを、数字で見せること。

打刻漏れなら、見るべき数字はこうです。

見たいこと 数字 見せ方
どれくらい起きているか 月別打刻漏れ件数 折れ線・棒グラフ
何が一番多いか 出勤漏れ、退勤漏れ、外出戻り漏れの件数 パレート図
いつ多いか 締め日前後、曜日、時間帯 棒グラフ・層別
誰に工数が出るか 本人・上司・管理部署の確認時間 積み上げ棒
どれだけムダか 1件あたり確認時間×件数 工数換算表

ここで初めて、QC道具が出てきます。

パレート図は、最初に作るものではありません。
「何が一番悪いか」を見せたいから使うものです。

QC道具は、主役ではありません。

数字を分かりやすく見せるための表示UIです。


QC道具は、最初に選ぶものではない

よくある失敗はこれです。

QCっぽいからパレート図を作る
QCっぽいから特性要因図を貼る
QCっぽいからグラフを入れる

これは、QC道具の写経です。

大事なのは、こう考えることです。

この評価ポイントに答えるには、どんな数字が必要か?
その数字を一番分かりやすく見せるには、どのQC道具がいいか?

つまり、順番はこうです。

評価ポイント
↓
問い
↓
回答
↓
数字
↓
QC道具

QC道具は、最後に選びます。


指摘も品質管理する

QC資料でリーダーが疲れる原因の1つが、指摘です。

よくある指摘はこうです。

  • なんか弱い
  • もっと詳しく
  • 言い方が気になる
  • このグラフ微妙
  • こっちの方がよくない?

これは、言われた側が困ります。

何を直せばいいのか分からないからです。

良い指摘は、こうです。

評価項目:現状把握
着眼点:悪さが浮きぼりになっているか
不足:件数はあるが、何が一番悪いかが見えていない
修正:打刻漏れの種類別にパレート図を入れる
優先度:高
理由:次の要因解析につながるから

これなら、言われた側も納得できます。

つまり、指摘にも品質があります。

良い指摘の条件はこれです。

  • どの評価項目に効くか分かる
  • どの着眼点に効くか分かる
  • 何を直すか分かる
  • 優先度が分かる
  • 幹のシナリオを強くする

これがない指摘は、ただの思いつきです。


QC資料作成の正しい順番

最後に、もう一度まとめます。

QC資料は、こう作ります。

1. 評価表を見る
2. 着眼点を抜き出す
3. 着眼点を問いに変える
4. 問いごとの回答を埋める
5. 回答を支える数字を決める
6. 数字を見せるQC道具を選ぶ
7. 1ページ1結論でPowerPoint化する
8. 指摘は、評価項目に効くものから直す

PowerPointから作らない。

パレート図から作らない。

データから作らない。

まずは、評価表の問いに答える。

これが、評価表起点のQC設計シート戦略です。


まとめ:パワポの前に、答案設計

QC発表がつらくなる理由は、資料を自由帳のように作ってしまうからです。

でも、QC発表には評価表があります。

評価表があるなら、それは答案用紙です。

だから、先にやるべきことはPowerPointではありません。

パワポの前に、答案設計。

評価表の着眼点を問いに変え、
問いごとの回答を埋め、
数字で客観性を出し、
QC道具で見せる。

この順番にすれば、QC資料はかなりブレにくくなります。


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