「トイレットペーパー以外流してはいけません」。普通は「排泄物と紙以外の異物を流すな」だが、文字どおりなら大便も尿も紙ではない。「じゃあ、うんこもダメ?」が成立する。厳密にするなら「排泄物およびトイレットペーパー以外は流さないでください」。
だが本番は「流す」の多義性。「思い出を水に流すのは?」「過去の罪は?」「『罪と罰』は本だからダメ?」「涙、噂、情報、電流、時の流れは?」。特に「すみません、トイレでSpotify流しちゃいました」は強い。係員「そういう意味の『流す』じゃねえ」。
文脈を読むことは服従ではない。日常言語は省略と多義性を状況から補う。ただし○×試験なら文言の厳密さが問題になる。極端な文字どおり主義では、便器を守るため音楽を止め、過去を清算せず、時まで止める必要がある。
