ネタバレ注意:本記事は『Re:ゼロから始める異世界生活』アニメ3rd season以降・プレアデス監視塔周辺の話題に触れます。
作品批判というより、「視聴者目線でどう見えるか」を整理するツッコミ記事です。
この記事の結論
『リゼロ』を見ていると、どうしても一度はこう思ってしまう。
「魔女教が原因なら、上流の魔女に聞けばいいのでは?」 「大罪司教が出るなら、ラインハルトを連れていけばいいのでは?」 「400年前に世界が滅びかけたのに、王国の危機管理が薄すぎない?」
もちろん、作品内には理由がある。
魔女と魔女教は単純な上司・部下ではないし、ラインハルトもスバルの自由に使える便利ユニットではない。死に戻りの情報は説明しづらく、大罪司教は初見殺しや権能で理不尽を押しつけてくる。
ただ、それでも視聴者目線では、リゼロ世界はかなりこう見える。
「災害級の敵が現役で歩いているのに、国家の障害対応フローが弱すぎる」
つまり、リゼロ世界はファンタジー王国というより、
サテラ災害後に復興したけど、危機管理だけ復旧していない“穴あき防災国家”
に見えるのだ。
1. 暴食とレムの件、「ダフネに聞けよ」感が強すぎる
特にわかりやすいのが、レムの記憶・名前喪失問題だ。
公式ストーリーでも、レムは「暴食」の権能によって眠り続け、クルシュは記憶を、ユリウスは名前を奪われたと整理されている。さらに、彼らを救う手がかりを求めて、スバルたちはプレアデス監視塔へ向かう流れになっている。出典: 公式STORY
ここで視聴者は思う。
「暴食の魔女、ダフネに聞けないの?」
スバルは魔女たちと会話できる場面がある。
だったら、暴食の大元っぽい存在に、
- 暴食の権能はどういう仕様なのか
- 名前と記憶はどこに行くのか
- 返却方法はあるのか
- 暴食担当を止める方法はあるのか
を聞けばいいのでは、となる。
これはかなり自然なツッコミだ。
現代風に言えば、障害の原因が「暴食API」なら、仕様書を書いた古代エンジニアに問い合わせたくなる。
ただし、ここには一応の制約がある。
ダフネは「暴食の魔女」ではあるが、現在の魔女教大罪司教「暴食」たちの直属上司ではない。ロイ・アルファルドやルイ・アルネブは、魔女教の幹部である大罪司教として紹介されている存在であり、ロイは名前と記憶を喰らうと説明されている。出典: 公式CHARACTER
つまり、ダフネに聞くことは「暴食の仕様理解」には役立つかもしれないが、
「現行ユーザーである暴食司教を強制停止する権限」
があるとは限らない。
ここがややこしい。
視聴者目線では「上流に聞け」に見える。
でも作品内ルールでは、「古代の元凶」と「現在の実行犯」は別物に近い。
とはいえ、やっぱり言いたくなる。
ダフネ、仕様知ってるなら返却APIくらい教えろ。
2. 「ラインハルトを連れてこい」問題
次に出てくるのが、ラインハルト問題だ。
リゼロ世界には、ラインハルト・ヴァン・アストレアという作中最強クラスの存在がいる。
しかも彼は「剣聖」で、加護も異常に多い。二次情報の整理ではあるが、『Re:zeropedia 2』に基づく解説として、「自分で望んだ加護を授かれるという説もあるが真偽不明」と紹介されている。出典: ABEMA TIMES
そこで視聴者はこう考える。
- スバルが死に戻りで敵の出現場所・能力・タイミングを把握する
- ラインハルトに共有する
- 現地に連れていく
- 大罪司教、終了
めちゃくちゃ合理的だ。
特に魔女教の襲撃は、毎回スバルが現地で地獄を見る。
だったら最初から最強ユニットを同行させればいい。
しかし、これも作品内では簡単ではない。
スバルの情報源は死に戻りだ。
死に戻りのことは説明できない。
「明日ここに魔女教が来ます」「この人はこういう能力です」「このルートだと死にます」と言っても、根拠を出せない。
現代の会議でいえば、いきなり若手が、
「未来を見たので、自衛隊と警察を動かしてください」
と言っているようなものだ。
強い戦力を動かすための稟議が通らない。
さらに、ラインハルトはスバル専属の便利ツールではない。
所属や政治的立場もある。
どれだけ強くても、常にエミリア陣営の駒として呼び出せるわけではない。
それでも、視聴者としては言いたい。
ラインハルトにSlack通知しろ。
大罪司教が出たら、まず剣聖メンション。@Reinhard 緊急 障害対応お願いします
これでいい。
3. 魔女教ホイホイ作戦はなぜやらないのか
もう一つの合理案がある。
魔女教をこっちから釣ればいい。
たとえば、
「王国に魔女ゆかりの重要物がある」
「嫉妬の魔女に関係する遺物が見つかった」
「福音書に関係する情報がある」
みたいな噂を流す。
魔女教が食いついたら、そこにラインハルト、ユリウス、ヴィルヘルム、クルシュ陣営、魔法使い、騎士団を待機させる。
つまり、魔女教ホイホイ作戦だ。
これは一見かなり合理的に見える。
魔女教が出てくるまで市民が被害に遭うのを待つより、誘導して罠にかけた方がいい。
ただし、欠点も大きい。
魔女教は普通の軍隊ではない。
大罪司教は、それぞれの執着や狂気、福音書に従って動く。合理的な餌に釣られるとは限らない。
しかも釣れたとしても、都市や一般市民の近くでやれば、罠ではなく災害誘致イベントになる。
だからやるなら、
- 無人地帯
- 退避済みの都市
- 結界内
- 騎士団が完全封鎖した場所
- ラインハルト即応圏内
でやる必要がある。
要するに、作戦自体は成立しそうだが、運用をミスると終わる。
魔女教ホイホイは、街でやるな。
街でやったらただの猿放流イベント。
4. 「緊急連絡先精霊」をラインハルトにもらえ問題
一番シンプルな解決策はこれだ。
スバル専用・剣聖ホットラインを作れ。
ラインハルト本人を常時連れ回せないとしても、緊急連絡手段くらいは持たせればいい。
- スバルが危険を感じたら通知
- 魔女教出現時に位置情報を送る
- ラインハルトが即座に反応する
- 必要なら近衛騎士団にも連携
これだけで、かなり被害は減りそうだ。
リゼロ世界には魔法道具や精霊、加護がある。
だったら「緊急連絡先精霊」くらい作れないのか、という話になる。
しかもラインハルトは加護が多すぎる。
もちろん、「欲しい能力を何でも作れる」と確定しているわけではない。
ただ、直接権能を無効化する加護が無理でも、
- スバルの危機に気づく加護
- 魔女教の出現を察知する加護
- 特定人物の救援要請を受け取る加護
- 遠距離連絡用の加護
くらいなら、作品内の便利さから見て「いけそう」に見えてしまう。
ここがラインハルトの難しいところだ。
強すぎるキャラを出すと、読者は物語上の困難を見るたびに、
「それ、ラインハルトでよくない?」
と思ってしまう。
リゼロはスバルが死に戻りで地獄を突破する物語だ。
しかし世界にラインハルトがいるせいで、読者の脳内には常に別ルートが表示される。
剣聖コールセンターを作れ。
5. 敵キャラが強すぎるのに、人類が平和ボケしているように見える
リゼロ世界のもう一つの違和感は、敵キャラの理不尽さだ。
大罪司教はただ強いだけではない。
名前と記憶を喰う。
姿を変える。
見えない攻撃をする。
人の尊厳を踏みにじる。
都市規模で被害を出す。
公式ニュースでも、3rd seasonの舞台である水門都市プリステラでは、各王選候補者陣営と魔女教大罪司教たちが相対する「リゼロ史上最大規模の戦い」と紹介されている。出典: 公式NEWS
つまり、大罪司教は完全に災害級だ。
それなのに、一般市民は普通に商売し、観光し、王選で盛り上がっている。
この温度差がすごい。
もちろん、現実でも大災害や戦争の記憶は時間とともに薄れる。
400年も経てば、昔の災厄は神話や歴史の話になる。
だから、日常生活を送る人々が「魔女教こわい」と毎日震えていないのは理解できる。
でも、リゼロ世界の場合、災害の残党が現役すぎる。
- 魔女教はまだいる
- 大罪司教もまだいる
- 魔獣もいる
- サテラの影響も残っている
- 権能は普通の人間の対処範囲を超えている
この状態で、国民が普通に暮らしていると、視聴者目線ではこう見える。
「この世界、人類が繁栄しているというより、上位存在の気まぐれで文明が許されているだけでは?」
国家というより、
剣聖と神龍と一部チート人材に依存した防災体制
に見える。
6. 400年前に世界が滅びかけたのに、復旧しすぎ問題
そして根本には、サテラ災害がある。
サテラ/嫉妬の魔女は、400年前に他の魔女たちを飲み込み、世界を滅ぼしかけた存在として語られる。出典: ABEMA TIMES
完全に世界が滅んだわけではないにせよ、規模としては世界半壊級の大災害だ。
それなのに、400年後の世界には、
- 王都
- 騎士団
- 王選
- 商会
- 水門都市
- 観光地
- 貴族社会
- ある程度安定した国民生活
がある。
復旧しすぎである。
現実でも400年あれば文明は大きく変わる。
江戸初期から現代くらいの時間があると考えれば、復興自体は不可能ではない。
だが問題は、災害原因が完全除去されていないことだ。
サテラは封印されただけ。
魔女教は現役。
権能も現役。
大罪司教も現役。
魔獣も現役。
つまりリゼロ世界は、
世界半壊級災害から復興したあと、災害原因の残骸を抱えたまま通常運転している社会
なのだ。
これはかなり怖い。
本来なら、王国の最重要政策は王選ではなく、
- 魔女教対策庁
- 大罪司教出現時の避難訓練
- 剣聖緊急出動システム
- 魔女関連情報データベース
- 名前・記憶喪失者の保護制度
- 権能被害の研究機関
- 魔女教ホイホイの安全運用マニュアル
あたりになるはずだ。
しかし実際には、スバルが現場で死に戻りデバッグしている。
建物と商業は復興した。
でも障害対応フローは復興していない。
これが「400年で復旧しすぎ」問題の正体だと思う。
7. これは茶番なのか、それともリゼロらしさなのか
ここまで見ると、リゼロは茶番に見える瞬間がある。
- 魔女に聞けばよくない?
- ラインハルト呼べばよくない?
- 魔女教を釣ればよくない?
- 緊急連絡手段を作ればよくない?
- 400年前に世界半壊したなら、もっと危機管理しろよ
どれも自然なツッコミだ。
ただ、完全に茶番かというと、そうでもない。
リゼロは「最強キャラが解決する話」ではなく、
情報を持っているが説明できないスバルが、限られた信用・戦力・時間の中で、地獄のような初見殺しを突破する話
だからだ。
スバルには未来の記憶がある。
でも根拠を説明できない。
ラインハルトは強い。
でも常に呼べるわけではない。
魔女は知っているかもしれない。
でも現実に干渉できる管理者ではない。
敵は倒せば終わりではない。
名前や記憶、人格、関係性そのものを壊してくる。
つまり、リゼロの難しさは戦闘力だけではない。
情報共有できないこと。
信頼を作る必要があること。
敵が理不尽な条件戦を仕掛けること。
そして国家側の危機管理が穴だらけなこと。
この全部が合わさって、スバルは死に戻りで何度も地獄を見る。
ただし、読者目線ではやはり思う。
王国PM、出てこい。
まとめ:リゼロ世界は「穴あき防災国家」である
リゼロ世界は、普通のファンタジー王国ではない。
400年前にサテラ災害で世界が滅びかけた。
魔女教は今も活動している。
大罪司教は都市災害級。
暴食は名前と記憶を喰う。
ラインハルトという最強デバッグキャラはいる。
でも、緊急連絡網も、罠作戦も、国家レベルの危機管理も、視聴者目線では弱い。
だからこう見える。
リゼロ世界は、復興した王国ではある。
でも危機管理だけは穴あきのまま。
建物は戻った。
商業も戻った。
王選もできる。
人々も暮らしている。
しかし、魔女教という本番障害に対して、
いまだにスバル個人の死に戻りデバッグへ依存している。
これはもう、
穴あき防災国家。
魔女教が出たら、まずラインハルトに連絡しろ。
スバルに緊急連絡先精霊を持たせろ。
魔女教ホイホイを無人地帯でやれ。
暴食の仕様書をダフネから回収しろ。
そして何より、
王国PMは障害対応フローを作れ。
