友達と普通に遊んでいたら、なぜか性癖の話になった。こちらは重大な秘密を告白した感覚などない。聞かれたから答えただけだ。ところが返ってきたのは、ネットミーム的な「性癖の開示……本気だね」ではなく、「俺と一緒やんw お前ムッツリかw」だった。
待ってほしい。隠してはいない。性癖は住民票の住所みたいに初対面で申告する情報ではない。
「ムッツリ」と「未照会」は違う
「ムッツリ」は一般に「むっつりスケベ」の略で、表面上は性的関心をあまり見せないのに、実際には強い関心があるように見える人を指す俗語だ。ただし、意図的に隠していることと今まで周囲から観測されなかったことは別である。
本人「別に隠してない」
友達「でも初めて聞いた」
本人「誰も聞かなかったからな?」
これは秘密主義というより、単に開示イベント未発生である。
性癖は常時ブロードキャストしない
「今まで知らなかった=隠していた」なら、好きなラーメンの硬さも枕の高さも全部隠し事になる。性癖ならなおさら、質問も文脈もないのに日常的に配信しない。
状態としては「非公開」ではない。未照会だった。
I wasn't hiding it. Nobody asked. 隠していたわけではない。誰も聞かなかっただけだ。
問題は開示情報の解像度
ただし友達が驚く理由もある。
「そういう服が好き」なら一般的な好みで終わる。ところが、いわゆる**「童貞を殺すセーター」のフリフリ部分に頭を突っ込みたいまで具体化すると、好きなジャンルではなく利用シーンまで仕様策定済み**である。
友達視点では「そんな属性が好きなんだ」ではなく、「待て、お前そこまで具体的な運用イメージ持ってたの?」になる。
That's oddly specific. 妙に具体的だ。
そして「術式の開示」が完成する
『呪術廻戦』の「術式の開示」は、自分の術式情報をあえて明かすリスクを負うことで効果を底上げする「縛り」として説明される。作中の「術式の開示……本気だね」という趣旨の台詞から、ネットでは「性癖の開示!! 本気だね」というパロディが生まれた。検索で確認できる使用例は少なくとも2021年4月まで遡る。
今回に当てはめると、
「この服が好き」=術式の存在を開示。
「フリフリが好き」=術式の性質を開示。
「そこに頭を突っ込みたい」=発動方法まで開示。
もはや自己紹介ではない。手の内を全部説明している。
「ムッツリ」より正確な分類
意図的に隠さず、聞かれれば普通に答える。ただし自分から日常的に性癖を配信しない。
ならば「ムッツリ」より、受動開示型スケベのほうが正確かもしれない。
GET /preferences
200 OK
「フリフリ部分に頭を突っ込みたい」
サーバーは隠していない。今までリクエストが来なかっただけだ。
「俺と一緒やんw」で秘密から共通点へ
さらに相手も似た側だった。「俺と一緒やんw」が返ると、センシティブな自己開示は一瞬で同じ村の住民確認になる。
「そんな秘密を俺に……」ではない。
「お前もこっち側かよwww」である。
術式を解析されたのではなく、同系統術式の使い手が出てきた。
結論――隠してない、戦闘が始まってなかっただけ
今回の「ムッツリ」判定は、秘密にしていたからというより、今まで友達から観測されていなかったことと、いざ開示された情報の解像度が高すぎたことの合わせ技だ。
普段:性癖APIへのアクセスなし。
友達:「お前こういうの好き?」
本人:「好き。特にこの部分に頭を――」
友達:「術式の開示すぎる」
隠していたのではない。今まで術式を開示する戦闘が発生しなかっただけである。

